重層的非決定?

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2007年12月31日

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて 現場賞

長 さあ、ベスト現場賞、行くよ。「ベスト」なんだからきちんと一つに絞りたいので、皆様協力よろしく。とりあえず現場レポートについてはすでに「想い出づくり」というエントリにあげられているので、それも参考にしてください。

四方 微妙にライブDVDの選考と話がかぶるな。レポートの他にDVD賞での話もふまえて、足りないところがあれば付け加えていこう。

一瀬 DVD賞のところでいったように10年記念隊コンはDVDでの印象よりは現場の方がずっと良かった。まあ、レポートに書かれているとおりだけれど、曲の懐かしさ、メンバーのチームワークの良さ、これぞ私の中のモーニング娘。ってやつだった。

二ツ木 今年後半のライブはそもそもDVDにはまだなっていないからね。モーニング娘。コンサートツアー2007秋は愛ちゃんの「WASSUP?遠慮がテーマ」が際だって良かった。歌よりも躍りがね。ちょっと図抜けていた。途中で愛ちゃんのソロ曲が変わったので、DVDではこの曲は収録されないかもしれない。もったいないよ。あとハロプロミックスディナーショーの愛ちゃんソロ「夢なら醒めて」、これも良かったな。

一瀬 君の感想はライブ全体じゃなくて、ごく一部のところが難点だな。ライブ全体を通して評価してほしいな。まずレポートおよびDVDのところで言ったように「ヴァンサンク」ツアーはかなりいい。しかしこれ以上のものはなかなかないかと思っていたところ、秋ツアー「アコースティックなっち」、バンドは縮小されていたんだけれど、なっちのステージ捌きがさらに良くなっているんだな。バンドメンバーとの絡み方、歌うときの感情の込め方、発声、どんどんライブの良さが引き出されている。もうなっちの歌はCDでは満足できない。ああ、やっぱりライブっていいなあ、と。CDのなっちの歌が駄目なんじゃなくて、ライブのなっちがたまらん。中毒化しそうだ。

三井 DVDのところで言ったように「Hello!Project 2007 Winter LIVE」がいい。DVDでも伝わってくるけれど、ライブでのメロン記念日のパフォーマンス力、存在感が突き抜けている。

四方 私もDVDで言ったのと同じく、「Hello!Project 2007 Winter LIVE」はいいと思うよ。あと松浦亜弥の「ダブルレインボウ」もよかったのだけれど、こちらは生演奏がやや中途半端なのがね。正直「進化ノ季節」とか安倍さんのライブとかの方が良かったかも。

一瀬 どの現場にもそれぞれ思い入れがあるから、これ一つってのは厳しいね。

長 大賞は「安倍なつみSpecial Live2007秋アコースティックなっち 東京厚生年金会館」公演で決定。

三井 なんでいきなり。

長 なっち萌え〜。

四方 ついにおかしくなったか。

■ ニュース速報

紅白歌合戦にハロープロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊なるユニットが登場するということで、重度のハロプロファンであるはたのがテレビで確認したところ、見覚えのない人たちが全く耳にしたことのない歌を歌っていた模様。

っていうか「LALALA幸せの歌」って何よ。マジで聞いたことないんですけど。


上記スペシャル隊より長山洋子の方がいい、と腹の底から思った私がベリキュー(Berryz工房と℃u-te)より前田有紀の方がいいと心底思っているというのは、まあ、整合性は取れているな。

というか、私も年齢だな。

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて ライブDVD賞

四方 そろそろ佳境に入ってきたな。次はライブDVD賞でいいのかな。今年は対象作品がかなり多いね。

  • Hello!Project 2007 Winter LIVE DVD BOX
  • Hello!Project 2007 Summer
  • 松浦亜弥コンサートツアー2006秋「進化ノ季節・・・」
  • 後藤真希Live Tour2006 G-Emotion
  • 後藤真希Live Tour2007 G-EmotionII
  • メロン記念日 コンサートツアー2006冬
  • ハロ★プロオンステージ2007
  • モーニング娘。コンサートツアー2007春 SEXY 8 ビート
  • 安倍なつみコンサートツアー2007春 25ヴァンサンク
  • GAM1stコンサートツアー2007初夏グレイト亜弥&美貴
  • モーニング娘。誕生10年記念隊コンサートツアー2007夏サンキューMy Dearest

本当は松浦亜弥2006春の「Otona no namida」も入れたかったけれど、発売が去年だから自重するよ。

長 勝手に仕切るな。今日は私が一番偉いの、そういったでしょ。

三井 「Hello!Project 2007 Winter LIVE DVD BOX」はかなりいい。並み居るメンバーを差し置いてのメロン記念日のパフォーマンス力、単独で見るよりも他と比較するとこのグループのすごさがより際だつ。

四方 いやいや、松浦亜弥の「dearest.」をはじめとする歌唱もなかなかですよ。あと前田有紀、中澤裕子のステージも見られるし、間違いなくお得。「三角関係」を映像付きで見られるのもいい。

三井 うん、「三角関係」はいいよ。なかなか見られない映像だからね、貴重です。

二ツ木 二人だけで盛り上がらないでもらえるかな。だいたい君たち、エルダの方しか見ていないでしょう。3枚組でエルダ、ワンダ、全員集合とあるんだから、全部見なさいよ。

三井 君だって、モーニング娘。以外のところは早送りしてみたくせに。

長 私はBerryz工房の「胸騒ぎスカーレット」は何回も見返しましたよ。

一瀬 ちょっとロリコンのエロ親父は黙っててくれないかな。なっちの「ヴァンサンク」ツアーDVDがいい。全編生演奏、バンドメンバーとの息のあったライブの良さがきちんと記録されている。ヴァンサンクの曲をはじめ、CD音源よりもこっちを音源化したものの方が好きだな。歌い手の生の息づかいが聞こえてくるようななっちの声だけでなく、バックのおと、徳武さん(編注:ギタリスト徳武弘文氏のこと)のギターとか、弥生ちゃん(編注:藤田弥生氏)のヴァイオリンの音とか、全ての調和がとてもいい。「片想い」という歌を歌った後、会場に「片思いをしている人」と挙手させて、会場中が手を挙げて、「なっちに片想い!」と叫ぶのを聞いて、「もお、みんな上手いんだから〜」と照れまくってた安倍さんの姿、今思い出してもにやけてくる。

二ツ木 相変わらず気持ち悪い奴だな。吉澤ひとみのモーニング娘。卒業公演を記録した「SEXY 8 ビート」が大賞に決まってるでしょ。公演中に愛ちゃんが足を怪我して、動けないが故に返ってずっと目立つポジションにいたり、愛ちゃんソロの「愛/雪×あなた>=好き」が聞けたり、と愛ちゃんファン的にもおいしい。ミキティの「幼なじみ」も染みる。「通学列車」は懐かしくも、娘。たちの可愛らしさが堪能できる。

四方 松浦亜弥の「進化ノ季節・・・」を忘れないでくれよ。生のブラスが入って、かなり強力なアクセントとなっている。安倍さんの「ヴァンサンク」がフォーク時代のまったり感が漂うとすれば、こちらはロックな感じの疾走感が楽しめる。ギター一本をバックに歌う「可能性の道」、「ハピネス」はあややの圧倒的な歌唱力が堪能できる。そして本編ラストの「I know」は露出の大きな衣装で、まあ、あれですよ。

長 要するにエロい、と。いいねえ。

一瀬 ライブとしては10年記念隊コンサートも良かったのだけれど、映像では場面転換が早すぎて、ちょっと見づらいのが残念だな。

長 大賞は「進化ノ季節・・・」、選考理由、露出度の高い衣装が・・・

四方 そんな理由じゃ、駄目。「Hello!Project 2007 Winter LIVE DVD BOX」、「ヴァンサンク」、「進化ノ季節・・・」三本同時受賞で。

一瀬 なんかだんだん審査が安直になっていくような。

長 俺に決めさせないから、同時受賞なんてことになるんだ。

二ツ木 またしてもGAMは選外か・・・。

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて 写真集賞

四方 エロ親父のために次行くよ。「最優秀写真集賞」。

三井 なんか早口言葉みたいな賞だな。とっととすませてくれ。

一瀬 なっちは今年二作品「Scene.安倍なつみ写真集」と「Cam on(カム オン)」。前者が髪型もロングで全体的な雰囲気も含め、おとなっち、後者は髪型がショートになり、おさなっち色が強い。

長 早い話、「Scene.」のほうがエロいってこと?

一瀬 エロ親父は黙ってくれるかな。「Cam on(カム オン)」のほうが写真集の作りとしては標準的、風景とモデルのバランスとか、モデルへのフォーカスの当て方とか、特に衒いもなく、ああ、いつもの「ワニ」の写真集だな、という。一方「Scene.」のほうはわざとぼかしたりぶれたりした写真を載せるとか、アーティスティックな感じを出そうとしている感じ。

長 で、どっちがエロいのさ?

一瀬 うるさいな。個人的にはこの手の写真集はモデルをきれいに映してくれた方がうれしいので、「Cam on(カム オン)」の方が好きかな。撮影地ベトナムの風景の中になっちが自然にとけ込んでいる感じ。いつもの「ワニ」だけれども、さすが、という感じ。

二ツ木 高橋愛も二作品、「ラブハロ!高橋愛写真集」と「水 高橋愛写真集」。こちらも髪型は前者がロングで、後者がショートなんだよな。ただ愛ちゃんの場合はロングでもショートでも、見た目年齢は変わらない。

長 で、どっちがエロいの?

二ツ木 もう、このおっさんは。まあ、「水着」を見せればいいんでしょという色合いは「ラブハロ!」の方が強い。「水」は出版社が「ワニ」、一瀬さんのいう「いつものワニ」ですな。

四方 たしかに「Com on」と「水」は似ているよね。なるほど、それが「ワニ」なのか。

長 で、結局どれが一番エロいの?

一瀬 ちょっとこのエロ親父、黙らせろ。

長 いや、やっぱアイドル写真集は、うわ、何をする、ウググ。

四方 まあ、「ワニ」の二冊が本・写真の質感もいいし、全体的に安定感があるね。この二冊でいいんじゃない?

三井 というか、最初から二人四冊しか候補作がないってのが。二ツ木君はもっと他に買ってないの?

二ツ木 書籍としてはね。デジタルブックでは田中れいなと亀井絵里の回も購入したけれど、画質がいまいちだったかな。

一瀬 二ツ木君はモーニング娘。好きの顔をして、実は愛ちゃんしか興味がない、とか。

二ツ木 そんなこともないけど、あまり深く追求しないでください。

三井 ま、エロ親父がしゃべり出す前にとっとと終わらせましょう。

長 俺にもっとしゃべらせろおお。

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて バラエティDVD賞

長 ここらでちょっと一息入れてバラエティDVD賞の選考に移ろうか。

四方 なにそれ?

長 ライブDVDとかPVとか以外のDVD、コンサート会場で売られているDVDマガジン、アロハロ系DVDとかそこらへんから一番いいのを選べばいいの。

四方 あまり気合いはいらないなあ。「松浦亜弥DVDマガジン vol.4」はあまりに緩くて笑えたけれど、だからといって別に見返したりはしない、とかそんなのばっかじゃね?

三井 HELLO! Project DVD MAGAZINE vol.9もおもしろかったけれど、見返すかといわれるとねえ。

二ツ木 君たちはこの賞がなぜわざわざ設けられたのかが根本的に理解できていないようだね。

四方 どういうこと?

二ツ木 この賞はハワイロケを敢行し、水着はとりあえずおくとして、モーニング娘。メンバーが二人一組になって旅をする様子を追った「アロハロ!2モーニング娘。DVD」と久住小春が司会となって先輩メンバーを翻弄する様が笑える「モーニング娘。誕生10年記念隊DVD Pamphlet」、両者の雌雄を決するために設けられた賞なのだ!

三井 どうでもよくね?

一瀬 そのどちらかといわれると「モーニング娘。誕生10年記念隊DVD Pamphlet」かな。クイズの解答でドラえもんののび太の絵を描いて(編注 画面上はその絵は映されていなかった)、久住ちゃんにたしなめられるなっちとか、飯田さんの悪乗りぶりだとか、見所満載。

長 アロハロも捨てがたいな。当時の娘。内の関係性が非常によく分かる。入ったばかりの新人光井ちゃんに人見知りする現リーダー高橋愛とか良い加減リーダー吉澤ひとみに翻弄されおろおろするガキさん(編注 新垣里沙)とか。

二ツ木 二作品同時受賞でよくね?

長 大賞は「アロハロ!2モーニング娘。DVD」に決定。

一瀬 は?

長 水着分、こっちに上乗せ。

2007年12月30日

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて 休憩時間

二ツ木 ここまで進めてきてすごく気になっているんだけれど、我々の中にはGAMというユニットは存在していないのかい?

四方 GAMは悪くはないんだけれど、どうしても一番にはなれないユニットなんだよな。DEF DIVAとか後浦なつみとかよりはいけていると思うけれど、この一曲、この一枚となるとなかなかね。良くも悪くもハロプロらしくまとまっている。歌い手のポテンシャルは間違いなく高いのだから、もう少し楽曲的に冒険してくれてもよかった。

長 一応名前は出ているGAMより一切黙殺されたままのベリキューとか美勇伝とかきらりんとかポッシとかの心配をしなさい。

一瀬 ワンダ(編注 ワンダフルハーツ:ハロプロ年少組)は本体(編注 モーニング娘。のこと)以外しらん。

二ツ木 自分でもろくに知らないものを人に薦めさせなさんな。

四方 美勇伝「恋するエンジェルハート」は良かったけれど、楽曲賞の時は松浦・後藤でいっぱいいっぱいだった。それ以外は私もフォローしてねえや。そもそもポッシ何ちゃらってハロプロなんだっけ?

長 音ガタは?

二ツ木 存在は認知しているけれど、曲を聴こうとは思わない。

三井 二ツ木君は音楽ガッタス、なぜか嫌っているよね。

一瀬 私も同じく。ま、私の場合は音ガタがワンダにいてくれれば何の文句もなかったけれど、二ツ木君にはもうちょっと別の思いがあるらしい。

長 この話題は触らぬ神にたたりなし、のようだ。くわばら、くわばら。

四方 いやだね。変な思い入れのやる奴らは。

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて アルバム賞

アルバム賞

長 どんどん行くよ。次はアルバム賞。

四方 えーと、今年はどれだけでていたっけ。

長 対象アルバムを挙げてみようか。

  • ヴァンサンク / 安倍なつみ
  • Sexy 8 Beat / モーニング娘。
  • 1st GAM〜甘い誘惑〜 / GAM
  • How to use Sexy / 後藤真希
  • ダブルレインボウ / 松浦亜弥
  • モーニング娘。ALL SINGLES COMPLETE / モーニング娘。
  • メロンジュース / メロン記念日

四方 え?これだけだっけ?

長 後は存在が認知されていない。

四方 なんちゅう狭い世界だ。

二ツ木 「モーニング娘。ALL SINGLES COMPLETE」はオリジナル曲が一曲しかないベスト盤だから、ここでは推薦しづらいね。「Sexy 8 Beat」は楽曲賞で挙げた「元気+」がモーニング娘。初期アルバム「セカンドモーニング」を彷彿させる名曲、シングル曲ではあまり積極的なパートが与えられていない光井愛佳と亀井絵里が歌う「春 ビューティフル エブリデイ」はほのぼのといやされる曲、アルバム賞とは直接関係ないけれど振りが藤本美貴への羞恥プレイみたいな「シャニムニ パラダイス」、そして音痴コンビが歌う意外な名曲「宝の箱」とバラエティ豊富でなかなかいい。

一瀬 なんか聞いててもあまりよさげに聞こえないのだが。まあ、モーニング娘。アルバム六枚目「愛の第六感」、七枚目「レインボー7」と引き続いてそこそこ良曲をバラエティ豊かにパッケージしました、という感じかな。今後長く歌い継がれる曲、歌い継いでほしい曲が見あたらないんだよね。「NIGHT OF TOKYO CITY」、「好きで×5」、「パパに似ている彼」、「乙女の心理学」、今年歌われても泣けたじゃん、そんな曲がね。

二ツ木 (検閲済み)がっ。(吐き捨てるように)

三井 「メロンジュース」。

長 一言かい。

三井 まさお(編注 大谷雅恵のこと)のソロが聴ける。

一瀬 君、歌どきで大谷さんが歌う「つぐない」を見返して、こっちの方がいいなあ、とつぶやいていたじゃない。

四方 私は松浦亜弥の「ダブルレインボウ」と後藤真希の「How to use Sexy」を推薦したい。

一瀬 また二枚かよ。

四方 「ダブルレインボウ」は楽曲賞で挙げた二曲の他に、とても軽快で聞いていて楽しい「HAPPY TO GO!」、「女 Day by Day」、訥々と切ない「灯台」ほか楽曲もバラエティも豊かだし、そうした楽曲にきちんと対応できている松浦亜弥の歌唱力もすばらしい。一曲一曲はバラエティ豊かなのにアルバムとしてはきちんとまとまりを持って聞けるところもいいね。

一瀬 あなた、去年の松浦の「Naked Songs」とくらべてバックの音が安っぽいとか小さくまとまっているとかぼやいていたっしょ。

四方 あんた、性格悪いね。それは第一印象。その後聞き込んで、印象が変わったんだよ。もう一枚「How to use Sexy」はぐっと大人っぽく静かな中に激しさを潜ませたこれまた独特の世界を作り出している。一時の楽曲に見られた安っぽいセクシーさではなく、きちっとかっこよく作り込まれている。そして後藤真希の美しくも落ち着いた声が聞いていてとても心地いい。何か目をつぶって聞いていると夜の海の景色が浮かび上がってくる感じがする。一つの世界の提示という点では「ダブルレインボウ」を上回っている。とても完成度が高い。

一瀬 今年のアルバムといえば断然なっちの「ヴァンサンク」でしょう。ミニアルバムということで曲数こそ少ないけれど、楽曲賞で挙げた「愛しき人」「大人へのエレベーター」の他、小品だけれどもとても静かに切ない感情を切々と歌い、曲名に現れた光景を浮かび上がらせる「月色の光」に軽やかにでも少し色っぽい歌い回しのなかに女性のかわいらしさがにじみ出てくる「くちびるで止めて」、静かな中に力強さが浮かび上がってくる「25〜ヴァンサンク」、一曲として無駄がない、一曲一曲はバリエーション豊かなのにアルバムとしては非常に良くまとまっている。アルバムを聴いていると一人の女性の像が見えてくるんだよね。それは安倍なつみであって安倍なつみではない、アルバムから生み出される女性。小説を読んでいるようにね。そういう意味では「How to use Sexy」が絵画的であるとするなら、「ヴァンサンク」は物語的であるというか。

四方 意趣返しじゃないんだけれど、あんた、曲順にけちつけてたやん。「愛しき人」は最後だろう、とか。あとアルバムオリジナル曲はいいけれど、去年のシングル曲が浮いているとも。ドラマで競演した堺正章さんがそのシングル曲2曲がいいといっていた話を聞いてずいぶん不満そうだったし。

一瀬 シングル曲が浮くのは仕方ないっしょ。君だって「ダブルレインボウ」でも「How to use Sexy」でもシングル曲のことは語ってないでしょ。

長 いい感じに議論も盛り上がってきたところで、そろそろ大賞を決めようか。一人一曲無記名投票ということで。

(一同ぶつぶつ言いながら投票をすませる。)

長 では発表するよ。一票差で「ヴァンサンク」に決定。

二ツ木 なんか不透明なんですけど。

長 だって皆がそれぞれ自分の推薦するアルバムに入れたわけだから、結局私の一票で決まったということですよ。みんな私の独断だなんだというけれど、投票したって結局私の一票で決まるんだから。

三井 ところで四方さんは「ダブルレインボウ」と「How to use Sexy」、どっちに入れていたわけ?

長 それは秘密です。

2007年12月29日

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて PV賞

長 次、PV賞。

二ツ木 ここは久々コミカル路線の「みかん」を推したい。他三作と比べて、娘。たちのほのぼのとした感じが伝わってきて、見ていて楽しい気持ちになれる。娘。の中ではこれが一番だな。

四方 後藤真希「シークレット」。昨年の極端な「エロ」路線とは違って、結構物語性のようなものも感じられるし、まずまず良作だったかな。

一瀬 なっち「息を重ねましょう」も悪くないんだけれど、いまいち曲とマッチしている感じが薄いのでねえ。曲の評価はともかくPVの出来としてはモーニング娘。誕生10年記念隊の二作品「僕らが生きるMY ASIA」、「愛しき悪友へ」の方が上かも。

長 ああ、確かに10年記念隊のPVはいいね。なぜか映像の解像度が高い気がして、とにかく映像がきれい。ストーリー性もある。上質な作品だ。

四方 うーん、確かに10年記念隊のPVはどちらもいいね。

一瀬 おや、珍しく意見が一致してきたぞ。初めてきちんと話し合いで優秀作品が決められるのか。

二ツ木 「みかん」もいいと思うけどなあ。でもまあ、10年記念隊のでもいいとは思うよ。で、2作品のどっちさ?

長 甲乙つけがたいけれど、ストーリー性というところでは出だしから最後まで「種の成長」というストーリーを持った「僕らが生きるMY ASIA」の方かな。

一瀬 異議なし。

四方 それでいいんじゃない。

二ツ木 今回は譲りますよ。

長 お、満場一致かな。ん?三井君は?

三井 Zzzzz。

一瀬 完全に寝てやがる。

2007年12月28日

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて シングル賞

長 では、次、シングル賞。

二ツ木 なんかさっきのでだいぶやる気が失せているんですけど。

三井 というか、楽曲賞とシングル賞の違いって何よ。

長 全然違うじゃん。シングル賞は表題曲とカップリング、そしてジャケットも含めたパッケージ全体を合わせて一番良かったものを選ぶの。

四方 そんなもの去年あったっけ。

長 今年新たに作った。

四方 あ、そ。じゃ、候補シングル挙げるね。後藤真希「シークレット」。楽曲賞のところでもいったとおり、表題曲、カップリングとも良曲。「シークレット」は最近の後藤真希の美しいバラード系、「インナーチャイルド」は少し前の後藤真希の激しい系の曲。組み合わせもいい。

長 語るねえ。

四方 さっき一瀬君が安倍で語りまくって無理矢理3曲同時受賞とか無茶をやったからね。負けられませんよ。

三井 メロン記念日「アンフォゲッタブル」。表題曲もカップリングも良曲です。

二ツ木 モーニング娘。「笑顔Yesヌード」。表題曲は楽曲賞には挙げなかったけれど、楽曲のレベルは間違いなく高い。そしてカップリングが「さよならのかわりに」。ジャケットも「さよならのかわりに」にとてもよくあった卒業をテーマにしたもの。写っている娘。たちも可愛い。

四方 なんか君、「卒業」に特別な思い入れでもあるんかいな。

一瀬 なっち「息を重ねましょう」。表題曲もカップリングも最高。

長 10年記念隊の「愛しき悪友へ」もカップリングを含めていいと思うね。ただ楽曲賞では名前は挙がらなかったけれど。

四方 で、どうやって決めるのよ。

長 「笑顔Yesヌード」で決定。

四方 なんでさ?

長 ジャケットの娘。たちが可愛かったから。

一瀬 むちゃくちゃだね。

2007年12月27日

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて 楽曲賞

長 それでは楽曲賞の審査スタート!

二ツ木 というかさあ、長さん、何であなたが仕切っているのさ。

長 一番偉いんですよ、今日は。

一同 え〜、そうなの〜。

二ツ木 で、候補作品は?

長 それも含めて皆で出していってください。

二ツ木 なんかいい加減だな。とりあえず複数出してもいいんでしょ。じゃ、私から。モーニング娘。「セクシー8ビート」収録の「元気+」、「笑顔Yesヌード」カップリングの「さよならのかわりに」。

四方 また微妙なところを(笑)。私は後藤真希シングル「シークレット」とそのカップリング「インナーチャイルド」そして松浦亜弥アルバム「ダブルレインボウ」収録の同名曲に「引っ越せない気持ち」、この四曲を挙げさせてもらおう。

三井 君だってかなり微妙じゃないか。それに多すぎ。私は二曲メロン記念日シングル「アンフォゲッタブル」とそのカップリング「サクラ色の約束」。

四方 あれ?「お願い魅惑のターゲット」は挙げないの?

三井 だって、あれ去年の曲じゃん。今年のはRemixだし。オリジナルの方が良かったし。っていうかさあ、何で去年「お願い魅惑のターゲット」が楽曲大賞に選ばれなかったのよ。それが今も納得いってないんですけど。

四方 おいおい。今更それを言うか。

二ツ木 確かに去年の選考はおかしかった。何で松浦亜弥の曲が3曲とも大賞なのよ。私も全く納得がいかない。

一瀬 あれは完全に審査委員長の独断だったね。議論が盛り上がったところで突然「時間切れ、あややの3曲で決定!だもんな。意味わかんねえよ。ということで、今年は私も引かないよ。安倍なつみのシングル「息を重ねましょう」とそのカップリング「小説の中の二人」、アルバム「ヴァンサンク」より「大人へのエレベーター」「愛しき人」。ということで一つよろしく。

長 GAMの曲は誰も挙げないの?

四方 まあ楽曲となると松浦単独名義の曲の方がいいな。

長 じゃ、ベリキューの曲は?

一瀬 自分だって聞いていないものを人に勧めさせるんじゃないよ。

長 いや、俺「胸さわぎスカーレット」結構好きよ。

四方 それは去年の曲。

長 ま、ここから絞り込んでいきましょうか。とりあえず一瀬さん、安倍なつみで4曲も挙げることはないでしょ、ちょっとは絞りなさいよ。

一瀬 嫌だ。

四方 そんな子どもみたいなことを言いなさんな。

一瀬 君だって去年松浦の曲3曲を譲らなかったじゃないか。今年はなっちの曲を3曲同時受賞させるのさあ。

四方 そんなことみんなが言い出したら、この会議終わらないよ。去年だって別に私がごり押しした訳じゃないよ。審査委員長が途中で議論を打ち切っただけだ。

長 おいおい、俺ばっかり悪者にするんじゃないよ。紅白の時間が迫っていたからちょっと急いだだけじゃないか。ついでに私も一曲挙げさせてもらうよ。モーニング娘。誕生十年記念隊「十年愛」。

四方 それは微妙すぎるっしょ。

長 候補が出そろったところでまとめると

  • 元気+ / モーニング娘。
  • さよならのかわりに / モーニング娘。
  • シークレット / 後藤真希
  • インナーチャイルド / 後藤真希
  • ダブルレインボウ / 松浦亜弥
  • 引っ越せない気持ち / 松浦亜弥
  • アンフォゲッタブル / メロン記念日
  • サクラ色の約束 / メロン記念日
  • 息を重ねましょう / 安倍なつみ
  • 小説の中の二人 / 安倍なつみ
  • 大人へのエレベーター / 安倍なつみ
  • 愛しき人 / 安倍なつみ
  • 胸さわぎスカーレット / Berryz工房
  • 十年愛 / モーニング娘。誕生十年記念隊

四方 だから「胸さわぎスカーレット」は違うから。

三井 とりあえず去年よりは候補曲は少ないね。

二ツ木 ま、去年に懲りて最初から絞り込んで候補曲を出しているからね。別に去年よりも質が低かったとかそういうことではないと思うよ。

一瀬 うん、去年よりもむしろ質は高かったぐらいかもしれない。

長 それでもまだまだ多くて議論にならないから、各自、これぞという曲を残してもう少し絞り込んでもらえないかな。出来れば一人一曲だけ残す方向で。

三井 メロン記念日からは「アンフォゲッタブル」を残すよ。甲乙つけがたい二曲だけれど、どちらかといわれたら表題曲の方を残します。

二ツ木 俺、もともと表題曲選んでねえし、みたいな。モーニング娘。初期の美しいハーモニーを彷彿させる「元気+」も捨てがたいけれど、えーい、ここは思い切って「さよならのかわりに」を残す。

長 微妙な方、微妙な方を残すよね。

二ツ木 とにかくこの曲がたまらなく郷愁をそそるのよ。自分の中学校あたりの卒業シーズンを思い出すというか。

四方 うーん、参ったな。私は関心がみなより広いからその分不利だよな。後藤真希のアルバム曲とか佳曲が目白押しなのにすでにばっさりやっているしねえ。表題曲優位というところで行くと後藤真希「シークレット」と松浦亜弥「ダブルレインボウ」までは絞り込めるけれど、後藤真希か松浦亜弥かを選べと言われると。。。とりあえずこの二曲を残させてください。「シークレット」はかつてのアルバム曲の名曲「秘密」に引き続くシークレットシリーズ、後藤真希の透明感あふれる声が魅力的、「ダブルレインボウ」は松浦亜弥らしいスケール感あふれる曲、個性が違うから絞り込めない。

一瀬 四方さんは結局また二曲残す訳ね。

長 俺は「胸さわぎスカーレット」は捨てるよ。

四方 だからそれは最初から対象外だって。

長 後もう一曲の「十年愛」、かなり笑える曲だけれど、まあ、大賞というほどの曲でもないかもね。ということで私は推薦曲なしということで皆さんの挙げた曲から選んでいいよ。

一瀬 なんだよ、早く寝たいだけじゃないの。じゃ、私も思いきって「息を重ねましょう」は切りますよ。軽やかでいい曲なんだけれどもね。他の曲が神曲すぎる。「小説の中の二人」はおとなっちの切ない歌い方がたまらないし、後半の盛り上がりは最高だし、「大人へのエレベーター」はおさなっちのかわいらしい歌い方がはまっている。「愛しき人」は一転スケールの大きい歌い回し、この曲に限っては松浦が歌っても良さそうなんだけれども。相手(異性)を「君」と呼ぶ歌詞もいいね。軽やかな歌い回しの「息を重ねましょう」を合わせて、どれを聴いてもなっちの歌でしかないのに、きちんと曲に合わせて歌い分けられているのが分かる。そしてどの曲も生で聴くとこれがまたいいんだよ。

二ツ木 え?で、終わり?ずいぶんと語った割に結局一曲しか切ってないじゃん。

一瀬 去年松浦の曲が3曲同時受賞したんだから。今年はなっちの曲が3曲同時受賞でもいいっしょ。

二ツ木 なに子どもみたいなこといってんだか。これだから(検閲済み)は・・・。

長 だいたい絞り込めたかな。じゃ、大賞は

  • 小説の中の二人 / 安倍なつみ
  • 大人へのエレベーター / 安倍なつみ
  • 愛しき人 / 安倍なつみ

の三曲ということで。

四方 なにが「じゃ」やねん。

二ツ木 もお〜、意味わかんない。

2007年12月26日

■ ハロプロ大賞2007審査会場にて 開会

長 本日は2007年ハロプロ大賞の審査会にお集まりいただき、ありがとうございます。私が司会と審査委員長を務めます長でございます。今日お集まりの皆様には今年一年のハロプロを振り返っていただき、部門ごとに大賞にふさわしい作品等々を審査していただき、受賞作品を決めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。それでは早速ですが、審査員の皆様より自己紹介もかねて、一言ずつ今年一年を簡単に振り返っていただきましょうか。じゃ、一瀬さんからどうぞ。

一瀬 ん?私から?まあ、いろいろあったけれど、トータルでは最高の一年だったんじゃないかな。

二ツ木 うーん、どちらかというとあまりいいことがない一年だったかなあ。藤本美貴、モーニング娘。脱退、これが一番でかかったな。その余波で高橋愛、モーニング娘。リーダー就任、でも藤本美貴の不在はどうにも大きすぎた。

三井 平穏無事というか、いつも通り、淡々とした一年だった。

四方 いやー、やっぱり激動の一年だったよ。何よりもかによりも後藤真希と加護亜依がハロプロを辞めていった、というのはとにかくすごいことだった。平家みちよハロプロ卒業に匹敵する大事件だ。それも含めてマイナスの一年だったかなあ。

長 ここにはきらりんがどうしたとかベリキューの躍進とか挙げる人はいないんだ(笑)。

一瀬 まあ、ハロプロファンの分断化が一層進んだ一年とも言えるかもね。しかも博愛主義たるべきDDと称する連中が結局女の子は若けりゃいいというだけのただのダボハゼアイドルマニアだったということが赤裸々になった一年というかね。

四方 何をそんなにムキになっているんだ(笑)。

■ 年間支出

2007年の振り返り、まずは今年の収支から。収支もなにも、出て行くばかりだな。

ちなみに昨年の結果はこちら

アーティスト別
アーティスト金額
安倍なつみ75,299
モーニング娘。56,021
10年記念隊40,223
高橋愛36,105
ハロプロ34,827
松浦亜弥32,500
GAM27,997
後藤真希13,978
メロン記念日9,693
安倍なつみ・保田圭6,465
後藤真希・メロン記念日3,990
新垣里沙3,224
その他5,450
合計345,772

「ハロプロ」はエルダークラブのコンサートとか歌どきDVDとか。

昨年と比べて10万円以上支出増。アーティスト別ではディナーショーに行かなかった分、安倍なつみへの支出が減り、かわりにディナーショーに参加した高橋愛が大幅増。ディナーショーは本当は保田圭、矢口真里と三人出演だったけれど、私は高橋愛見たさにいったので。後は松浦亜弥とGAMが増えたという感じ。今年限りの10年記念隊は昨年のリボンの騎士とほぼ相殺。

ジャンル別
楽曲49,960
PV18,743
ライブDVD50,344
チケット154,935
写真集14,390
その他57,400

「その他」はコンサート会場発売のDVDとかパンフレットとか、アロハロDVDとか。

去年と比べるとチケット代が6万円ぐらい増えている。松浦亜弥コンサートとか行きだしたしね。

来年は10年記念隊がない分減る、カナ☆。

2007年12月25日

■ クリスマス

とりあえず年内の仕事終了。あとはまったり年末年始休み。極楽極楽。ぼちぼち一年の振り返りでもやろうかなどと思っている。

世間ではクリスマスだ何だと浮かれているが、いろいろな意味でそんな年齢でもない。数年前はもう少し妄想的にもなれたが、今は悪い意味で落ち着いてしまった。だいたい「アイドル」のファンをやっていながら、疑似恋愛の対象としていない、という時点で「終わっている」と思う。

ハロプロファンの中にはクリスマス周辺はディナーショー廻りで忙しい人も多いようだ。フルコースを二日連続で食べるとか。さらには昼夜フルコースだとか。中々強者たちである。私にはそのような腹も金もない。

2007年12月19日

■ Otona no Namida 再び

購入品、というか本日到着品。

「DVD映像 ザ・モーニング娘。All Singles Complete」じゃなくて、「シニアグラフィティFaraway」でもなくて、もちろんキラリン何チャラでもなくて、「松浦亜弥コンサートツアー2006春Otona no Namida DVD」。

この映像、Gyaoで画質はともかくとりあえず一通りは見ていたので、今日は「オーディオコメンタリー」をオンにしてみてみた。出演者の松浦亜弥とカントリー娘。が映像を見ながらおしゃべりをするというもの。

映像と恐ろしく関係のないただのおしゃべり。ラジオ番組を聞いているみたい。いやはや自由、そしてうち解けている。最年長のあさみは松浦亜弥のことを「松浦」なんだな、とか今更ながらの発見もあり。半年前には安倍なつみコンサートのゲストとして出演したカントリー娘。だがこんなにはうち解けてなかったなあ、と思ったり。おまけに特典映像もないのに収録時間143分とか。自由だ。

2007年12月16日

■ 購入データ

購入品記録。

といってもモノではなくて、データのダウンロード。

  • 松浦亜弥アルバム「ファーストKISS」より非シングル曲7曲
  • 松浦亜弥アルバム「T・W・O」より非シングル曲7曲
  • 松浦亜弥シングル「渡良瀬橋」カップリングも
  • 松浦亜弥シングル「ずっと好きでいいですか」カップリングも
  • 美勇伝シングル「恋するエンジェルハート」表題曲のみ

今更だが、先日松浦亜弥2006年春ツアー「OTONA NO NAMIDA」をGyaoでみて、ライブDVDをamazonに発注をかけたがまだ届かないので、そのライブで歌われていた曲をすぐに聴きたくなって、ネットで購入。だいぶん前に買って使い切らずに貯まったままだった三種の電子マネー(WebMoney, BitCash, ちょコム)を少しでも使おうと思ってそれらが使えるOnGenより。iTunesにもSonicStageにも対応していないDRMを採用しているが、やむを得ない。音質は落ちるが、せっせと再エンコード。

アイドル時代の松浦亜弥には興味がない、といっていたが、ふむ、上手いではないか、ちょっと声に幼さが残るが、実にさっぱりと上手に歌っている。曲も良曲揃い。

美勇伝のは勢いで。でもこの曲は良曲。

■ お事務所さま

missing ☆ pieceさんが紹介されていて知ったページ。minitsBar の徳武弘文さんのインタビュー

ギタリストとしては、ハロー・プロジェクトの安部(ママ)なつみちゃんのバックをやっていて、今度のディナーショーは何本かやりますよ。昔一緒にやって来た仲間がいろんな処に散らばっていて、それぞれいろんな仕事をやるようになって来て、その中でも音楽的にモノを考える人もいるワケですよ。打ち込みじゃなくて” 生”をやらせたいって、真っ先に相談を受けたから、”じゃ、やりましょうよ”って。アレンジは、いきなりアコースティックに修正って出来ないので、少しずつ生演奏でやっていますね。そのうち全部、生楽器でバックをやるようになると思いますよ。彼女達も、先を考えると音楽的な方向に行きそうなんですよね。僕らも成長して、そこまで見れるようになったのかな。昔だったら、お断りしてましたよね(笑)。

まず思ったのはハロー・プロジェクトの安倍なつみちゃんはなんて恵まれているのだろう、ということ。その世界では名の通ったギタリストをバックバンドに迎えてライブをやれている。なんだか不思議な気さえする。

次にその徳武さんの話の中身。「音楽的にモノを考える人もいるワケですよ。打ち込みじゃなくて” 生”をやらせたいって、真っ先に相談を受けた」、「そのうち全部、生楽器でバックをやるようになると思いますよ」、「彼女達も、先を考えると音楽的な方向に行きそう」。

これまたなんと恵まれた環境にいることよ。「音楽」にきちんと向き合おうとしている人たちが周りにいるということ、10年目を迎えようとする「アイドル」出身者にはなかなか得られない環境だろう。CDのアレンジについてもあれこれいわれるけれども、事務所も現状をよしと思っているわけではないことも伺える。そしてハロプロメンバーを「歌手」としてしっかり育てていこうとしている意志も見える。「唄うこと」を人一倍大切に想い、その想いを守り続ける安倍なつみにとってこれ以上ない環境というべきだろう。

とどのつまり、良い事務所に所属しているのだ。恋愛ごとほか「不祥事」対応の「世間」に対するうろたえぶり、おもねりぶりだとか、大切な告知文があまりに素っ気なかったりだとか、自民党の麻生太郎と親しくそこにタレントを巻き込むだとか、CDジャケット作成のセンスだとか、まあいろいろ気に入らないところはあるのだが、しかし一番大事なところはしっかり押さえているのではないか。後藤真希の件についても、ブログ削除のやり方(1)はあまりに稚拙だと思う、それでも今少し待ってみたらどうか。

ファンとして事務所への不満は不満としても、「糞事務所」だとか、事務所を変わってほしいだとか、そんな風には私は思ったことがない。まあ否応なくだか、悪役、嫌われ役を事務所が引き受けているところもあるだろうし、ネットあたりで「糞事務所」呼ばわりされるぐらいは鷹揚に受け止めているのだとは思うが、あまり悪口言い続けていると、そのうち拗ねてしまうかもしれない。くわばらくわばら。


1. ハロプロ卒業宣言後、一度も更新されていなかった「後藤真希オフィシャルブログ」が突然サイトごと削除され、その告知も外部のサイトでひっそり、ほとんど何の説明もない状態でなされた。そのサイトはハロプロを出て行って、今後の活動の情報を得られないファンにとって、心のよりどころであった。サイトを仮に閉鎖するにしても、そのサイト上で告知を行うのがネットユーザの常識だ。事務所のやり方はあまりに稚拙、というよりむしろ後藤真希への愛を感じさせないものであった。それでもたとえば、弟さんの一件があって、事務所が後藤さんをハロプロから追い出したのだ、という見方は私は当たっていないと思っている、事務所を悪者にする話ではないように思えるのだ。

2007年12月15日

■ OTONA no NAMIDA

「松浦亜弥コンサートツアー2006春〜OTONA no NAMIDA〜」の映像をGyaoで見ている。そう、私が松浦亜弥のコンサートDVDを買ったのはその後の秋のツアー「進化ノ季節…」からなのだった。「進化ノ季節…」は生演奏をバックに、華やかに落ち着いた世界を作り出していた。このライブDVDを見て、「naked songs」以来高まっていた私の松浦亜弥熱はさらに高まった。しかしながらこちらのDVDに関しては、「進化ノ季節・・・」と同じ年のツアーだし、それほど代わり映えもしないだろうなどと横着を決め込んで今まで見ていなかった。

「進化ノ季節…」では管楽器が前面に出てライブの雰囲気を作っていたが、こちらの方はストリングスが大きく映える。春と秋でこのように雰囲気を変えてきていたとは。

そして曲。松浦亜弥の曲はシングルは「砂を噛むように… NAMIDA」、アルバムは「×3」(しかもこれは中古だ)から買い出した私にとって、シングル曲はともかく、初期のアルバム曲はほとんど知らない。今度も初めて聴く曲が何曲もあったが、どれも良い曲だった。特にアンコールで歌われた「笑顔に涙〜THANK YOU! DEAR MY FRIENDS〜」はとても明るい曲なのに泣ける。卒業シーズンにでも聞けば、我が貧弱なる卒業シーズンの想い出を引き立ててくれそうだ。じっくり聴かせたい曲では客に着席を促し、しっとり歌い、一方はじける曲は思い切りはじけ、しっかり「ロック」する。その切り替えも見事で、変化がありつつ、しっかりと松浦亜弥の賑やかに落ち着いた世界を作り出す。

「春」と「秋」、一年で少し変化を付けながら、一本筋の通った世界を作り出した松浦亜弥のコンサート。ああ、2006年の松浦亜弥の活動はなんと充実していたことか、と今更ながら思う。

正直、このライブDVDを発売時に買わなくて良かった、と思う。買っていればたぶん私は嫉妬していたと思う。2005年にこのツアーと同じカントリー娘。をゲストに迎えたツアーを行った安倍なつみの「24カラット」、そしてこのツアーと同時期に同じく生演奏を一部に取り入れた安倍なつみの「乙女チックバンク」と比較して。安倍なつみのこの二つのコンサート、私は微妙に物足りなさを感じていた。当時のレポート(「24カラット」レポ「乙女チックバンク」レポ)を読んでみてもそのあたりがにじみ出ている。安倍なつみの世界が五分咲き程度にしか感じられなかった。それと比べてこのライブの咲き誇りよう。

安倍なつみの2007年のライブ活動に心の底から満足できた今なればこそ、松浦亜弥の2006年のライブDVDを心の底から楽しめる。狭量だなと思いつつ、今更ながらこのDVD購入の算段をはじめる。

2007年12月12日

■ 寒い懐

年も終わりに近づいているのに、なかなか締められない。年末ぎりぎりまで何かとものを出し続ける。

というわけで本日の購入品。

  • メロン記念日ミニアルバム「メロンジュース」
  • GAM「熱い魂」プッチベスト8収録

「熱い魂」についてはCDを買わずにiTSにて曲のみ購入。それ以外はほしい曲はあらかたもっているし、もっていない曲はまあいらないかな、という感じだったので、お金の節約。DRMがかかっているので、そのままではWalkmanには入れられないので、一度aiffにデコードしてから、再エンコード。当然音質は落ちるが合法的にDRMを外すには仕方がない。Macは付属のソフトだけでその作業が出来てしまう。CD-Rを買う手間を省く(手間というより、CD-Rがどんどん部屋にたまるのが嫌)。

「メロンジュース」はメンバーのソロ曲が各々収録されているというので期待したけれど、正直曲がいまいちだったかな、という感じ。「熱い魂」は熱い。

2007年12月11日

■ ベストアーティスト2007

全然期待していなかったけれど、良いものを見られた。

ジャニーズファンが多数を占めると見える会場、お笑いが途中に出てきて、会場内微妙な空気。そしてすっかり「落ち目」扱いされているモーニング娘。。それがあんなに盛り上がるとは。「昔の曲」頼りだったのは確かだけれど、それでもあそこまで空気をもり立てられたのはさすが。

やっぱり圧倒的だな、中澤裕子。


なっちこと安倍なつみもどっしり安定していたし、今日は高橋愛の歌も良かった。現メンとOGとが見事に融合していた。よかった。よかった。

2007年12月10日

■ 雪に埋もれた亀を叩く

久々にハロモニ@の感想でも。

任天堂にゲーム機Wiiの健康ソフトWiiFitを用いた「バランス美人」対決。その最下位決定戦に進出したのが運動音痴の道重さゆみと適当キャラが定着した亀井絵里。バランススノボーというゲームで対戦。意外にも道重さんが結構真っ当にボードを操り、ゴールするのに対して、亀ちゃんぐだぐだ、あっさり敗北。大喜びする道重さんに対して、亀ちゃん、「これ種目が悪かったよ」と悪あがき。「得意不得意があるじゃない」。

すかさず道重さゆみ、「私ね、すごい不得意なのコレ」。

■ 鬼が笑う

今年の締めを行う前にもう来年のことが続々出てきているわけで。ハロプロコンサートもそうだけれど、あとは安倍なつみ一世一代の大舞台「トゥーランドット」。piaの特別先行とかなんかがあったので、大阪公演を申し込み。当選。ゴールデンウィークのことなのでまだまだ先だけれど、楽しみ。去年は「リボンの騎士」、「白蛇伝」とミュージカルを見て、今年は全く見に行かなかったので、久々。このミュージカルのおかげで安倍さんの春のコンサートは確実にないことになったけれど、こういう大舞台に出る、というのはそれはそれでとても嬉しいこと。配役では4番手ということなので安倍さんだけを見に行く、という気持ちで行くとよろしくないだろうけれど、「白蛇伝」だって安倍さんにかかわらず結構楽しめたから大丈夫でしょう。己の文化資本が増殖して困ってしまう。

さらにもう一点、安倍なつみと℃-uteの矢島舞美ちゃんのデュエットソング発売の知らせ。デュエットというとおっさんと姉ちゃんが歌うものと想像してしまったが、調べてみるとそんな定義はどこにもなかった。パフィーとかWとデュオと呼んでいた(はず)ので何となく同性の二人組はそう呼ぶものと思っていた。安倍さんと矢島さんのは「デュエット」なのね。

候補曲2曲から表題曲を一曲選ぶという企画付き。同じような企画は安倍さんの妹さんの安倍麻美ちゃんでもやっていたよな、と思って調べてみると、そちらはなんと15万票もの応募があったらしい。今回の企画は8千弱。

私は投票はしていません。携帯使うのが面倒だったので。この企画自体は大いに期待している。「何故この二人?」というのは確かにあるけれど、それも含めて何か新しいことをやろうという意気を感じるし、そういうのは基本大歓迎。

とりあえず現段階での矢島ちゃんに対する印象あるいは知っていること。「習字を習っていたんだろうな」。何かの企画ものでハロプロメンバー自筆の扇子を売っていて、矢島さんのはずいぶんとしっかりした字だったという。ちなみに安倍さんのはあまり上手いとは言えなかった。ついでに松浦さんのはなんか妙に味のある字だったと記憶している。

2007年12月09日

■ FNS歌謡祭

たまにはテレビを見た感想でも。FNS歌謡祭。

モーニング娘。+OG+松浦亜弥+Berryz工房か℃u-teか両方か(よく分からない)がまとめて出演。合計24人だったらしい。その状況を見て、共演の郷ひろみさんが「お互いの名前覚えてないんじゃない」と突っ込んでいた。高橋愛ちゃんが「覚えてます」とはっきり断言していたけれど、中澤姉さんはどうなんでしょう?だいぶん前のハロモニではほとんど覚えていないことがあったが、さすがにもう覚えたか。意外と安倍さんあたりも怪しかったりして。

■ エルダークラブ

今年も終わった、ということで、今年の振り返りの準備を進めていて、すっかり忘れていた。

昨日は来年初頭のハロープロジェクトエルダークラブコンサート大阪公演発売日だった。今日になって気づいてあわててあちこちのプレイガイドを見てみたが、ことごとくチケット売り切れ。何とかcnプレイガイドで昼公演ファミリー席を確保。夜公演はどうしよう。一般席ならpiaで取れるけれど、このコンサート一公演8400円とかなりお高い。昨年は昼夜と見て、良かったのだけれど、今年は昼だけでもいいかな、と思ったり。「音楽ガッタス」とかいう、何で「エルダークラブ」やねん、というユニットが入っているというので参加意欲減退気味。ああいう新進のユニットはハロプロの歴史を作り、功成り名遂げたメンバーが集うエルダークラブじゃなくて、「これから」を担うワンダフルハーツの方でいいんじゃないの。というのは半ばきれい事で、個人的に「音楽ガッタス」というユニットはメンバー編成からユニットとしてのコンセプトから何から何まで好意的には見られない。メンバー編成がすべてか。だからといって存在を否定しようとは思わないけれど、あまり見たくないユニットであることは確かで、そういうのはまとめて「ワンダフルハーツ」の方に集まっててくれ、という。我ながらひどいことを思っている。個別のメンバー批判じゃないからいいよね。メンバーが悪いのではなくて、あくまで「編成」の仕方が気に入らない、ということなので。

しかし一年前の記録を見てみたら、年が明けて、東京でのセットリストを見てからチケットを手配していたのに、今回は年末でチケット確保に大わらわとか。ハロプロの人気の減退とかいわれているのは何なのだ?

2007年12月01日

■ 想い出づくり

とりあえず先日のアコースティックなっち福岡公演を持って私の今年のコンサート鑑賞は終了。もしかすると年末のメロン記念日大阪公演にいくかもしれないけれど、年末すぎるので微妙。

というので今年鑑賞したライブ、その他の現場について軽く振り返っておく。順位付けなどは気が向いたら年末にその他の事柄(楽曲、PVもろもろ)と一緒にやるので今回は単なる振り返り。

ハロプロコンサート2007冬 エルダークラブ 大阪厚生年金会館 昼夜
いわゆる「アイドル」とは一線を画したメンバーの高レベルの競演。メロン記念日「魅惑のターゲット」、松浦亜弥「dearest.」、稲葉貴子・大谷雅恵・柴田あゆみ・松浦亜弥「三角関係」ほか、安倍なつみ、後藤真希、前田有紀、中澤裕子などなど各々の場面で各々の世界が作り上げられていく。まとまった一つの世界、ではなくて、一つ一つのステージが各々輝ける世界を作り出す。
安倍なつみ2007春コンサートツアー25ヴァンサンク 大阪厚生年金会館 昼夜
昨年の「おとめちっくBank」公演をさらに進化させて、全編生演奏。バンドメンバーを含めて一つの世界を作り上げる。ミニアルバム「ヴァンサンク」が主体だが、途中に懐メロコーナーを含めたりして、バリエーション豊か。「なっちの振り付け教室」もあったり、夜公演は安倍なつみソロ100回公演ということもあってくす玉を割ったり、安倍さんのやりたかったことをフルに詰め込んだという感じ。ゆったり、まったり、でもおなかいっぱい。
GAM1stコンサートツアー2007初夏グレイト亜弥&美貴 大阪厚生年金会館 昼夜
藤本美貴モーニング娘。「脱退」後の公演ということもあって、この界隈に微妙な空気の流れる中行われたコンサート。藤本さんのなにやら悟ったような、修行僧のような表情を見る。それでも松浦さんが中心となって、和気藹々と客を楽しませようとするその努力が実を結ぶ。いろいろあっても、いわゆるいつもの「ハロプロコンサート」。明るく、あっさりすっきり。
ハロプロミックスディナーショー保田圭、矢口真里、高橋愛出演回 ホテル阪急
保田圭、矢口真里の二期コンビはさすがの舞台回し。歌も安定していて、しゃべりでも客をわかせる。そこに緊張感をあらわにして、すっかり素な状態の高橋愛。このコントラストがおもしろい。緊張感漂う中のソロ「夢なら醒めて」、巧さはないが、ナイーブでストレートな表現が印象的。
モーニング娘。誕生10年記念隊コンサートツアー2007夏 大阪新歌舞伎座初日 昼夜
懐かしのモーニング娘。の初期曲を中心とした初期ファンにはたまらないセットリスト。特に「Night of Tokyo City」には痺れる。なちごまの「乙女の心理学」も泣ける。久住小春のすっ飛びMC、それに振り回される新垣里沙、そして飯田圭織に贈る「愛しき悪友へ」。安倍なつみと後藤真希というかつてモーニング娘。を引っ張った両エースを擁しながら、どこかしらこぢんまりとした、ほのぼのした、アットホームな空間だった。
モーニング娘。誕生10年記念隊コンサートツアー2007夏 名古屋御園座初日 昼夜
後藤真希が体調を崩し、出演が危ぶまれる状況で駆けつけたコンサート。正式な出場取りやめは名古屋へ向かう電車の中で知る。安倍なつみの厳しくもりりしい表情、必死に舞台をもり立て、普段通り演じようとする新垣里沙の表情が特に印象に残っている。特別ゲストとして吉澤ひとみ。おおらかな雰囲気で昔話を披露し、場の空気をもり立ててくれた。
モー10トークショー 大阪京セラドームスカイホール2日目
モーニング娘。デビューから現在までを1回30分強の公演を合計4回で振り返る。出演者はなちけめ(安倍なつみ・保田圭)ということでトークはやや初期偏重。特段新しい話はなかったが、なちけめのぐだぐだでれでれトークを聞いているだけで楽しかった。
モーニング娘。コンサートツアー2007秋 大阪厚生年金会館第1回公演 昼夜
高橋愛リーダーのモーニング娘。のお披露目コンサート。サポートとして美勇伝がゲストで歌とトークをもり立てる。美勇伝リーダーの石川梨華のステージ捌きは見事。「モーニング娘。」のコンサートなのにしっかり見せ場を作る。高橋愛はソロ曲「WASSUP?遠慮がテーマ」をはじめ、特に躍りで魅せる。一方新垣里沙はステージのもり立てに力を尽くす。6期以降は残念ながらあまり印象に残らなかった。
松浦亜弥コンサートツアー2007秋ダブルレインボウ 大阪厚生年金会館 昼夜
昨年のコンサート「進化の季節」のライブDVDを見て春段階で参加を決めていた松浦亜弥コンサート。ただ昨年のライブがやや「行き過ぎ」で一部で不評だったことも影響してか、今回は少し「日和った」感じ。選曲はあれで良いとも思うが、全体の雰囲気が「いつものハロプロコンサート」。松浦亜弥の作りたかった世界はもう少し違ったものだったのではないか、と思ったり。MCは関西人らしくいちいち落ちがあり、歌も見事。全体的にあっさりしているが、しっかり鰹だしがきいています、という感じ。
安倍なつみ新曲発売記念イベント 大阪御堂会館 一回目
比較的狭い会場、その会場の前から3列目。オペラグラスなど使わなくてもしっかり表情が見える。へらへらゆったりと楽しんでいるようで、随所に気合いの入った表情を見せる。新曲カップリングの「小説の中の二人」の時にバンドのAsamiさんが鳴らす涼やかだが切ない金属系の音(楽器名が分からない)が実に上手くマッチしていて、聞き惚れる。短い時間ながら、安倍さんしっかりMCでバンドメンバーをいじり、おなじみ岩崎肇さんは当然として、Asamiさん、そしてギターの久保田さんとしっかり顔、人となりをつかむ。握手会はまあ、まあ。
安倍なつみSpecial Live2007秋アコースティックなっち 東京厚生年金会館 昼夜
狭いライブ会場を中心に回るツアーの中でいつものホールで開催される特別バージョン。特別ゲストに保田圭、そして春ツアーで一緒だったギタリスト徳武弘文さん、バイオリンの藤田弥生さんも加わる。保田圭参加コーナーはしゃべり、歌ともに古き良きモーニング娘。を偲ばせる。そしてバンドがフルに揃った後半は音の厚みに酔いしれる。春ツアーヴァンサンクの良きところをそのままに、安倍なつみのステージ捌きに一層磨きがかかり、MCもぐだぐだながらまとまった世界を作り上げる。小品なのにとびっきりコクがあって、一品だけでおなかいっぱい、という感じ。
安倍なつみSpecial Live 2007秋アコースティックなっち 広島クラブクアトロ
このツアー本来の狭いライブ会場。会場は適度に段差があって、後ろの席でもステージがしっかり見える。こぢんまりとしているが良質な作り。その会場の雰囲気そのままに、こぢんまりとしているが良質なステージだった。
安倍なつみSpecial Live 2007秋アコースティックなっち 福岡イムズホール
こちらの会場はひたすら平坦。ステージがあまり見えない。本ツアーラストだったが、これまで通り、大仰なことは何もなく、ゆったりまったりこってりしたステージだった。

こうして振り返ると結構「現場」にいっているな。一つ一つが大切な想い出、「青春時代」に精神的引きこもりゆえほとんど作れなかった想い出。

■ 三年一日のごとく

以下の記述は特に安倍なつみさんのファンにとっては不愉快な内容を含むかもしれません。それでも私には常に「ともにある」問題としてあえて記述します。ご留意ください。


11月30日、そして12月1日、この月の変わり目、この日がくると私はそわそわした感じを抱く。10年前の話ではない。3年前の話だ。私は3年間、この感覚を持ち続けてきた。強く意識するのはたとえば今日など特定の日だが、しかしほぼ日常的に私はこの感覚を感じ続けている。

その感情はいくつかの部分に分かれている。

一つには彼女は3年前のあの騒動について「今」何を思うか、ということだ。彼女の、柔らかで、暖かい笑顔の中に、堅固にして確固たる信念を感じさせる表情、私は時折それを「発見」する。あの日以来、私にとって「アイドル」でしかなかった、「アイドル」として、しかもたとえば松浦亜弥と比べるとやや日和った「アイドル」として、その存在のある種の「中途半端さ」を評価していた彼女のことを、実は全くそうではなくて、突き抜けた人なのだと評価を代えた。つんく♂が彼女を評していう「笑顔が怖い」の「怖」さがわかったという。そしてあらためて思う。彼女は何を思い、歌を歌うのか。

そしてあのとき、「正義」を振りかざした言説、その生産者たちのことを思う。ほとんどの者がもはや自分が書き散らした言葉など振り返りもしないであろう、その者たちの今の心を思う。単に外部の規範に照らして、「悪いことは悪い」とだけ反復していれば良かったその安直さからは何も言葉を生産することの痛みも覚悟も必要なかっただろう。今仮に何か問われても安全だ。また外部の規範を参照し、「間違ったことは言わなかった」とだけ振り返ればよい。そうして今もなお変わらず言説の垂れ流しを続けていることだろう。


そう、あるサイトでは鈴木宗男とそれを支持した松山千春を例に出し、「犯罪者」鈴木宗男をかばった松山千春もまた愚かしい「三文芝居」役者であるかのごとき評価を下し、それを例にして「彼女」の問題を論じていたが、果たして今もなお鈴木宗男を一貫して支持し続けている松山千春は「世間一般から容認されることは決して」ない存在であると言えるのだろうか。評価はいろいろあっても、「いろいろ」な評価をされてしかるべき存在だと「世間」も見なしているのではないだろうか。「世間」とはそのようなものだ。己がすがった「世間」とはそのようにいい加減なものだ、ということにその書き手はたぶん気づくことはないのだろう。


最後に、そのような言説に屈し、頭を垂れ続けた己のことを思う。「彼女」を人質に取られ、己の思うことを書けば、それは「逆に彼女のためにならないぞ」と脅され、その脅しに屈した。「悪いことは悪いと認めることこそが彼女への配慮だ」。その脅しに屈した己の卑屈さこそが、この3年の間、ずっと私の心をざわつかせてきたものの正体だ。

今は更新を止めてしまい、その内容も表からはアクセスできなくなってしまったあるサイトさんの抵抗を思う。私はその抵抗に連なることが出来なかった。問題は彼女に周囲にあったのではなかった。正義を笠に着たバッシング・いじめ言説と、それを直近に見ている「私」との間に問題はあった。私は今もその問題を抱え続けている。