重層的非決定?

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2005年05月22日

■ ヲタばれ

非常勤先。例によってExcelを用いた情報処理実習。ダミーの資料にモーニング娘。卒メン+メロン記念日のメンバーの名前を拝借。ついでに身長と血液型のデータも拝借。

今年もまた気づいた学生がいた。「あ、これモー娘。やん」とやや大きい目の声、すぐに声を落としてひそひそ。

「最初斉藤とか知らんのがいるからわからんかった」「斉藤って誰?」「新メンバーと違う?」「ああ、なるほど」「身長とかはほんまもんなんやろか?」「まさか?」「いや、あってると思うで」「こんなに身長低いの?」「そんなもんやったと思う」。

おい、君たち、授業中に何をひそひそ話しているねん、などと野暮な突っ込みはせず、そ知らぬ顔で授業を続ける。ちなみにひそひそ話の主は女子学生。男子学生はモー娘。なんて忘れているのか、それとも「ヲタばれ」しないように慎重に振舞っているのか?

■ 一ヶ月の収支

ようやく4月から私の精神と肉体の自由を奪ってきた仕事の先が見えた。

4月後半から今月末まで週4日ホテル缶詰でのお仕事。徹夜及びそれに準ずる作業をすること3回。この仕事をするために購入した資料代、数万円。

失ったもの、若干の人間関係、某ボランティア団体との関係(微妙にラッキー??)。

得たもの。50万円足らずの現金。

固守したもの。テレビドラマの視聴。なっちの新曲のCD、DVDの入手。

■ 客商売

本日ようやく安倍なつみ「夢ならば」のDVDを入手。

京都から尼崎に行く途中、大阪のCD屋に行けばオリコンにも反映されるような大きい店で買えるだろう、という田舎者丸出しの甚だ頼りない思いつきで、JR大阪駅周辺で「大きいCD屋」を探すが見つからない。本屋は大きいのが簡単に3つ見つ、PC屋も一個大きいのがみつかったのにCD屋だけ全然見当たらない。大阪はまったく不案内なので、JR大阪駅、阪急梅田、阪神梅田という私にかかわりのある場所を基点に探したのがまずかったのか。ようやく私の思いよりはずっと小さな店舗のTUTAYAを発見。ここがオリコン協力店だかどうだかは全然わからない。というかどこがオリコン協力店なのか、実はよく知らない。いい加減疲れたので、思いとは少し違う気もするが、ここで買うことに決める。

ハロプロのコーナー、まずまずのスペース。「夢ならば」DVD、なにやら説明文つきで宣伝してくれている。「お、いい店じゃん」。なになに、、、「僕たちはなっちを温かく迎えようと思います」?つくづくいい店だ、って思うわけないだろ。いまさらこの期に及んでそんなこと仰々しく書くことかいな。どうせかねだして買うのはこっちで、こっちは最初から温かく迎えているの。いまさら売る側から恩着せがましく言われることではないわいな。というか、どの道このDVD買うのナチヲタじゃん。ナチヲタ相手にこんなこと書いて、客たるナチヲタが喜ぶと思ったのかね?もっと客心理を研究したまえ。

シングルV 「夢ならば」

シングルV 「夢ならば」

■ ドラマ感想文

というわけでテレビドラマは相変わらずほぼ見ているわけだが、最初から完全に見捨てたのは「汚れた舌」。題名からして汚らしいのでスルー。というか、内館牧子とかいう横綱審議委員か何かにも名を連ねているおばはんが書いたドラマで一回頭に来たことがあって、それ以来この人のドラマは見る気がしない。ドラマとはフィクションであるだけに、現実の側面を切り出すとともにそこにユートピアを宿らせてもらいたい、というのが私のスタンス。辛口だかなんだか知らないが、ユートピア性を完全に欠いたドラマなど見ても仕方がない。

一押しは前にも書いたか、「タイガー&ドラゴン」。とてもスレているのに、とても優しいドラマ。「優しい時間」なんていう偽善臭漂うドラマなんて比較にならないぐらい優しいドラマ。スレているだけで何か言った気になっている2chあたりの「批評家」どももこのぐらいのユートピアを想像するぐらいの努力はしてみてはいかがか。

「瑠璃の島」は実話が元だというだけに、うそ臭いドラマなのだが、しかし緒方拳の存在感がそのうそ臭い「絶対性」に説得力を持たせている。それだけでこのドラマは大成功なのだ。

「離婚弁護士II」は悪くないが、前シリーズでレギュラーだったミムラがいなくなった分が大減点。「あいくるしい」はいかにも野島伸司というあざとさが満載で、悪くないが、綾瀬はるかが「世界に中心で愛を叫ぶ」に引き続き、清楚なヒロイン役というのは似合わない。「幸福の王子」のひねこびた女子高生役のほうがずっと嵌っていた。

「エンジン」「曲がり角の彼女」「anego」「夢で逢いましょう」「恋におちたら」は特に評する内容のドラマではない。ま、見続けるし、どれもそれなりに面白いけれど。

■ 高橋愛孝

これまでなっち原理主義者であることは公言してきたが、二押しというものは強く意識しないようにしてきた。しかし今なぜか突然高橋愛への思い入れが湧き出てきてしまって、初めて「なっちのいない」モーニング娘。関連の物を購入したばかりか、それ以前の曲のPV集まで購入し、高橋愛に視点を定めて、見返している。ハロモニもかつてはなっちが出ない回は早送りしまくりで5分とかからず見終わったものだが、今はしっかり見るようになった。大阪なので一週遅れだけれど。

やはりどうにも似ているのだ。存在の不安定さ、というべきものが。なっちは中長期的に顔の変動が激しかった。特に1999年から一年間の不安定さはファンならずともはらはらさせられるものがあったように思う。高橋愛も構造的には同じなのだが、そのサイクルがずっと短い。一瞬一瞬の表情の作りが安定しない。それも藤本美貴のように「素を出しているとき」と「カメラを意識しているとき」という落差ではない。何が素で何が意識したときの表情なのか、その境目すらコントロールできていない。

世界の中心に「私」がおらず、「私」は私に閉じてしか存在しておらず、世界の中ではどこまでも虚空を漂う存在なのだ。

安倍なつみはその「私」を世界に定立させようとあがき続けているように思える。一方高橋愛にはある種の諦念が感じられる。「私」を世界に位置づけさせることなど所詮無理なのだ。そうした放棄の姿勢が、彼女の絶対的な言葉不足につながっている。だから彼女のコミュニケーションの「失敗」は彼女が空気を読めないからではなくて、仮に読んだとしてもそれでもってコミュニケーションが成立すると彼女自身が信じていない、ということに起因するように私には思えるのだ。

2005年05月05日

■ 個人的メモ

LANだって普段は無線を使っていて、実効20Mbps程度で使えているのに、ネット接続に光の速度は私程度の使い方なら本来不要なのだが、ADSLは上りが遅いのが不満だった。一応自宅サーバを構築している関係上、上りの速度はある程度欲しい。今はばたばたしているので自宅サーバといっても何もしていないが、そのうち落ち着いたら、仕事に使える環境を構築するつもり。

というわけで、もともと1.5MbpsのADSLの次は割高承知で光にしようとはだいぶ前から思ってはいたのだが、一応田舎なものでNTTのBフレッツがなかなか来ない。一応申し込みは受け付けるけれど、ある程度の申し込みがたまるまで待ってね、という状態。それですぐに開通してくれるというeoネットに転んだのだが、もろもろの都合でメールアドレスは変えられない。となるともともとのプロバイダとの契約は残すしかなく、かなり割高にならざるを得ない。

果たしてどれだけ割高なのか、ちょっと気になって、Bフレッツを導入した場合との金額計算をしてみた。

プロバイダはso-net。今キャンペーン中で初期費用と4ヶ月間の接続料金は無料とある。対するeoは工事費だけ無料で、事務手続き代金(8925円)は別途必要。ただしBフレッツはもともとそれなりに高いプランなので、差し引きどうなるか。

プラスアルファの事情としてAirH"の回線が必要で、これをso-netだったら、割引サービスが受けられる。月3360円で使い放題はかなりお得。それが使えない場合は今使用中のb-mobileをそのまま更新し続けるのが割安か。同じく使い放題で月換算4200円。それも含めて損得計算をしてみた。

一月の通信費用
業者回線代プロバイダ代電話基本料金H"回線費用
eo4900840(so-net、2アカウント分)3004200
フレッツ06479(回線代込み)18373360

締めてeoのほうが一月あたりのコストは1436円安い。ただし初期費用+無料分の差が大きく、この差を回収するのに2年かかる。2007年2月にめでたく逆転。微妙。

■ (エース)不在ということ

なっちこと安倍なつみは、ここ最近のハロモニやら、アウェーの番組出演やらを見ていて、精神的にも完全復活を確信。一般のイメージはちょっと傷ついたと思うが、それは仕方がない。傷ついた、といっても笑い話の範囲内だとも思えるし。

そして私個人は、なぜか突然高橋愛への注目度が急上昇中。加入当初から注目はしていたのだが、「大阪 恋の歌」での頑張りを見て、陥落。オリメンの飯田さんが抜けて、物語としては完全に終わっていたモーニング娘。から抜け出せないことを確信。

茶番ではあっても、この娘はモーニング娘。の物語を反復し続けているのだ。いろいろな才能を持ちながら、「一番」になれないもどかしさ。何かが足りない。その足りないものとは、例えば「オーラ」と称される絶対的な何物か。その絶対的な何物かが欠落しているがゆえに、そこに何をあてがってもその存在感は不安定なものにとどまる。例えば観客がそれを見て、絶対的なものを感じれば、そこにそれ以上の言葉は要らない。「ミラクル」だのなんだのと言葉を足すことさえ小賢しい。

一方、絶対的なものが欠落していれば、観客もまたその不安定さを埋めようとする。己の見たものの「意味」を再認しようとする。売り上げを見て一喜一憂するのも再認の儀式だ。しかしそれ以上に言葉・文字で残し、また他人の言葉を読むことで再認しようとするものだ。だからこそ、彼女たちの周辺には言説が群がり寄る。

中でも安倍ヲタと高橋ヲタは明らかに言葉が多い。多すぎる。ネットで嫌われる2大ヲタというのもむべなるかな。後藤ヲタ、松浦ヲタとくらべてかれらは不安が多いのだ。

というわけで、しばらくは高橋愛言説生産の一端を担うことにする。要は愛ちゃん萌え的文章をものす、ということだが。

2005年05月03日

■ 高橋愛・考

いまやハロプロ系のトークがある数少ない音楽番組「音楽戦士」に娘。登場。先輩・後輩チームに分かれてのトーク。藤本さんが先輩チーム入り。6期とか言ってはいるけれど、実際は4期格、といったところか。それにしても先輩チームのうち矢口・石川二人抜け、今のオーバー20歳の「先輩チーム」はリーダー吉澤と藤本の二人だけ。いつの間にやら高橋が3番目の年長者になっている。そりゃ、もっとしっかりせな。

トークでは娘。内での自分の「担当」は、という問。「お笑い担当」と答えた小川と「キュート担当」と答えた道重だけが合格。新垣の「横浜担当」は説明がなければわからないが、説明がぶっ飛んでいて、「担当」話自体がぶっ飛ぶ。藤本涙を流して大笑い。ガキさんの天然ぶり、ここに極まる。

紺野の「のろま担当」ってそれは「担当」でもなんでもないだろう。もう一工夫必要。

亀井の「かわいがられ担当」も亀井らしいが、それも「担当」するものではなかろう。ちなみに司会陣からの「誰にかわいがられているの?」との問いに「藤本さんとか」。藤本「へ?かわいがってんの?」。相変わらずミキティ、反応よし。

田中の「担当なし」は、そういうしらけた答えをするのが田中っちの「担当」だとは言えるので、まずまずだが、高橋さん、あなたが「担当なし」と答えるのは駄目だよ。田中っちの回答にはポリシーを感じるが、あなたの回答は単に消極的なだけに見える。ここはひとつ「セクシー担当」ぐらいイケシャーシャーと言わなければ駄目なのだが、そこが高橋の性格的にも、ポジション的にもつらいところで、自分を落としきれないし、周りも落とさせてくれない。あそこで高橋が「セクシー担当」と書いて、「アホか、どこがやねん」と突っ込めるのは明石家さんまさんぐらいだろう。そのあたりの中途半端さが、娘。内での位置としての安倍なつみと通じるものを感じたりする。エースにはもっと分かりやすいメッセージが必要なのであって、安倍・高橋がエースになりきれないのはそのあたりだろう。

■ 光の国

ようやく我が家も光の国の仲間入り。

2001年に1.5MBのADSLにしてから、長らくプロバイダが吸収されたごたごたがあったりして、なかなか速度UPが図れなかったが、ようやく、一気に光。

回線は関西電力系のeo-net。電話も光電話にしてしまったのでNTTとはおさらば。電話とあわせて回線代5200円。しかしメールアドレスの関係でso-netとの契約が切れず、月2000円の支払いが残る。合計7200円。

さらに携帯代2600円+AirH"代5000円とあわせて、一ヶ月の通信費1万5千円か。高い。それでso-netのメールアドレス、ウェブスペース(おまけにブログもso-netで開設出来たり)、eoのメールアドレスとウェブスペース(こっちでもブログではないがweb日記を開設可)、自宅サーバのメールアドレス(必要があればいくらでも、でも使わない)とウェブスペース(もちろんブログ開設可)、とても無駄な気がする。

それでもかつては電話代だけで1万円を越すことがざらにあって、それで56kbpsだったことを思えば、仕方ないか。

とりあえず通信速度のほうは、MTUやらRWINやらをいじったら最大70MB超になった。普段は無線を使っていることもあって、完全にオーバースペック。満足。

■ 雑な二人

一週遅れのハロモニの、さらに数日遅れの話題。

顔による相性判断とかいうコーナーで、なっちこと安倍なつみと愛ちゃんこと高橋愛の相性が最悪、という診断が出る。別にその診断内容自体はそれほど信用はしないが、しかし安倍さんと高橋さんの相性が悪い、というのはそんな気がするぞ。どっちも空気読まないし。人の話、聴かないし。

それで相性悪い者同士で二人羽織でざるそばを食べたらどうなるか、という実験をする。対するは相性良いもの同士の飯田・道重ペア。きちんと細かく指示を出す飯田さんに対して、「キャー、怖い」「ぎゃー、垂れる!」とわめくだけの安倍さん。そりゃ相性とか以前の問題でしょう。高橋さんは高橋さんで、「こぼさずきれいに食べる」というのが採点基準だって言っているのに、一回に大量のそばを箸に挟んで、安倍さんの口に押し込もうとする。こりゃだめだ。

2005年05月02日

■ 武道館デビューとか

アイドルとは確かに所詮虚像であるのは確かだが、しかしその虚像も、観客が貼り付ける「振り」をするのが最低限のお約束だと思う。もちろんそうした虚像をこしらえたくなるような演出はあるだろう。しかし観客がほとんど何もイメージを持つ前に「ミラクル」だ、「ゴマキの再来だ」なんだと製作サイドから言われてもそんなものを受け入れるわけには行きません。

なんかですね、古い話で恐縮ですが、横浜銀蠅の妹とか言う触れ込みで武道館デビューした岩井小百合さんとか、そんなのを思い出してしまうのですよ。岩井さん、デビュー後10数年ぶりかにテレビ東京の何かで見て、ああ、この人もとてもきれいで品のいい人なんだな、と、そのときの禍々しい宣伝のせいで見ようもなかった印象をはじめて持てたりした。確かにあの宣伝がなければ、私は岩井小百合さんなんて人を知ることもなかったのかもしれない、しかしあの宣伝のせいで、私は岩井小百合さんという人を私の「目」で見ることが出来なかった。

モーニング娘。はいまでこそそういうことを思う人もいないのかもしれないが、当初は観客が各々ストーリーを読み込んで、各々思い入れを持つ、そういう物語幻想に支えられてきたアイドルだったわけで、それには儀式もあればプロセスも必要なのに、そういうものを全て断ち切って、一方的に作り手がミラクルだ何だと言ってイメージを押し付けてこられても、少なくとも私はそれをまずは拒絶するしかないわけです。

もっと見せ方として、観客にイメージを想起させるような宣伝メッセージはなかったものか。プロデューサーのつんく氏の言葉の貧困さが恨めしい。