重層的非決定?

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2007年11月30日

■ 十年愛

私は「愛の種」の頃のモーニング娘。を知らないので、ファン歴は10年ではない。モーニングコーヒーの発売の頃は既に知っていたと思うので9年数ヶ月だ。というので毎年11月30日という日にも反応したことはなかったのだが、しかしイベントのレポートを読むとやはり感慨深いものがある。

当時(といっても9年数ヶ月前)、モーニング娘。がメディアに出るのはテレビ東京以外は珍しく、その他のメディアで取り上げられると、その当時既に出来つつあったネット上のファンサイトで大いに盛り上がり、情報交換をしていたりしたものだった。(少なくともネットに接続している)ファンは皆、一つの情報を共有し、「推しメンバー」間の諍いはあっても、やはり一つのものを応援していた、というのは過去の美化か。私はひたすらネットで情報を知り、テレビなどを見るだけの完全在宅派、CDも買わず、テレビの歌披露だけを見ていた故にカップリング曲もろくに知らない「不良」ファンだったけれど、それでも確かにモーニング娘。を応援していた。

10年、それほど長くこのグループが、そのメンバーがずっとこの世界にいるとは想像すらしていなかった。当時のメンバー全員がモーニング娘。「後」、この世界のどこかに居場所を見つけられることを願ってはいたが、それでも「10年」とは想定していなかった。

ファンクラブ限定イベントと言うことで、少し疎外された感じもあったが、改めてこの9年数ヶ月を思うと思いはつきない。

十年ありがとう。

■ 購入品

自分用のメモ。ずいぶん長い間放置していた。

10月20日
普段はこちらには書かないコンサートグッズ。松浦亜弥DVDマガジンvol.4。松浦さんが一人でゲームに興じる。圧巻は最後、大量のスクラッチ宝くじを黙々とコインで削り続ける。それだけ。緩い。緩すぎる。よく松浦さんが耐えられたものだと感心する。
10月25日

「モーニング娘。All Singles Complete」。愛ちゃんこと高橋愛が「25人の女性の声が入っている」と宣伝していたもの。曲は一曲を除いて全部持っている。というので付録のDVDが目当て。当然購入したのはDVD付属バージョンの方なので、ジャケットも「ラブマシーン」を模したものではなくて、「モーニングコーヒー」を模したものの方。

DVDは新旧娘。メンバーのお薦めのライブ映像。「Do it now!」がやたら出てくる。18人中4人とは全体の比率からしてバランスが悪い。この曲を最後にモーニング娘。を卒業した後藤真希さんが選ぶのは当然として、飯田圭織さん、高橋愛さん、亀井絵里さんと他に選ぶ曲があるだろう、とつっこみたくなる。この曲、発売当初はファンからの評判はかなり悪く、モーニング娘。バブルの崩壊を決定づけた曲とさえされていたりしたのだが、メンバーはこの曲好きが多い、というのも皮肉なものだ。ただそれだけの曲ではあるのだから、冬のハロコンを後藤さんの卒業公演にして、メンバーでこの曲を歌って送れれば良かったのに、と返らぬことを思う。

11月14日
モーニング娘。誕生10年記念隊コンサートライブDVD。大阪名古屋と4公演も参加した想い出の公演のDVD。収録されたのは東京公演。DVD収録を意識したか、私が見た公演の時のMCの自由な感じはあまりなく、いつものハロプロ系コンサートという印象だった。また画面の転換が激しすぎて目が回る。「現場」でのイメージを脳内補完して見ればそれなり。
11月14日
安倍なつみ「息を重ねましょう」PV。コンサートのMCで暴露していたように強風なのが映像からも丸わかり。ゆったりとした歌の雰囲気と全く合っていない。裏話混みで見ればおもしろいが、作品としては・・・。
11月18日
コンサートグッズ。安倍なつみDVDマガジンVol.8。秦野市への小旅行を淡々と収めたもの。いつものことながら緩い。ついでにミニ写真集のビジュアルブックと、そして何となくマフラータオルなるものも買ってしまった。「あこーすてぃっくなっち」と安倍さんの字が絵柄になっていたのに惹かれて。安倍さんもMCでTシャツに次いでお勧めしていたことだし。
11月25日
モーニング娘。シングル「みかん」初回限定A。DVD付き。
安倍なつみ写真集「Com on」。ショートカットなっちの写真集。私が買った前二作と比べて、ずいぶん幼いというか、かわいらしい。本人は「おとなっち」と言っていたが、「おさなっち」全開だ。
11月26日
モーニング娘。シングル「みかん」初回限定B。ミニ写真集付き。
11月29日
後藤真希 LIVE TOUR 2007 G-Emotion II DVD。まだ未見。

■ 10年一日のごとく

今日11月30日はナゴヤ球場で「愛の種」5万枚を売り切り、モーニング娘。メジャーデビューが決定した日ということで、その10周年ということで、イベントが行われる。行われる、といってもファンクラブ限定イベントなので私には無縁だが。別にいいけれど、ちょっと内向きだな。

私はメジャーデビュー曲「モーニングコーヒー」からしか知らないので、「愛の種」にはリアルな想い出はないのだが、逆にリアルな想い出のあるファンは今どのくらい残っているのだろう、と思ったり。ファンクラブ会員でなくても「愛の種」CDを持っている人を対象にイベントをやったら、懐かしく戻ってくる人もいたかもしれない、とか。そっちの方が話題にはなったろう。

この栄えある記念日前に発売された現モーニング娘。の新曲の売上がとてもよろしくないものであった、ということでファン界隈がまたぞろもめている。「戦犯」探し。OGメンバーの「不祥事」の責任だなどと八つ当たりするものもいれば、リーダー高橋愛がどうのというものもいる。OGメンバーファンと現メンバーファン、そして現メンバーファン同士の醜い諍い。卒業メンバー、現役メンバー、双方のファンにとってはいたたまれない。

■ アコなっち福岡

かなり遅い目のアコなっち最終福岡公演レポート。広島公演レポートからの続き。

広島ライブ終了後、徒歩でホテルに戻る。ホテル近場のお好み焼き屋で広島風お好み焼きを食す。この手のものは味にそれほどばらつきがないので、無難といえば無難、驚きがないといえば驚きがない。牡蠣とかそういうのを食べればよいのだが、すでに時間も遅く、店を探す余裕もなし。

翌日(火曜日)すぐに九州入りしようか、広島見物を続けるか悩んだが、結局宮島へ行くことにする。広電で宮島口まで行き、そこからフェリー。「船」なるものに乗るのも数年ぶり。10数分の船旅を満喫する。

宮島は厳島神社と水族館を見物。昼は穴子ご飯を食す。観光地価格。味は可もなし不可もなし。こちらも無難すぎる選択だったか。

14時ぐらいに広島に戻って、今度はひかりレールスターで一路博多へ。お金を浮かしてバスという手もあったが、最初に切符を買うときに博多までの往復切符を買っていたので、それほど割高感はなかった。ちなみにレールスターひかりは4列シートで非常に快適。指定席をとるときのオプションも細かく指定できたりして、JR西日本、やるな、という感じ。車内検札もないし、JR東海の総じて杓子定規な対応とは大いに違う。

JR博多駅から会場および宿泊予定のホテルのある西鉄福岡駅まで、大した距離もあるまいと何の根拠もなく思いこんで徒歩で移動。よく分からない土地で山勘で歩き回るのは止めようといつも思うのだが、またやってしまった。道にも迷い、思っていたよりも距離もあり、で1時間以上福岡市内をさまよった。ホテルにたどり着いたときにはへとへと。開場時間も迫っている。

とりあえずシャワーでさっと汗を流して、慌てて会場へ向かう。立ち見ということで開場してもすぐには入れず、開演20分前から整列入場する、というので、いったん会場を出て時間をつぶす。指定の時間に会場に行ったら、すでに列が長くのびている。チケットの整理番号など無視。早い者勝ち。なんだかね。

会場は段差、勾配一切ない。指定席の人でも後列になると前が見づらいだろう。まだ立ち見の方が適当に場所取りできるだけましだったかもしれない。いずれにせよ、私は歩き回った疲れもあって、元々2時間のライブ立ちっぱなしがつらい強靱な体力の持ち主ということもあって、壁にもたれられる場所に陣取る。ステージをきちんと見ることは端から諦めているので、そこは割り切る。

まともにステージが見えない、ということで、「耳」に神経を集中させる。視覚はこの手の会場では特に不平等だが、音は平等に聞こえる。歌のコンサートなのだから、それはそれでよいのだ。皆がステージを見られるようにする、というのも必要だと私は思うが、逆にステージがよく見える「良席」に拘泥し、オークションに手を出す、ぐらいなら、歌を聴く、という意識をもっと持っても良い。

ライブは「なっち先生」モード全開。恒例?となった挙手アンケート。「今日、福岡から来た人〜」。「は〜い」。「あ〜、こんなにいるんだ〜、え〜でも嘘突いている人もいますね〜」。「なっちを初めて見た人」。「は〜い」。「ちぇっ、聞くんじゃなかった。(みんな嘘つくから)わかんないじゃない」。

これまた恒例となった「トウモロコシと空と風」での「なっちとさびの部分の振りを一緒にやろうのコーナー」。もう完全にお遊戯教室なのだが、安倍さんが途中で歌詞を間違えてぐだぐだに。一斉のブーイングに「先生間違えた。いつから先生か分からないけど」。

ご当地ソングを歌うコーナーでは物まね大会。チェッカーズの「ギザギザハートの子守歌」のリクエストはがきを読み上げると「ちっちゃな頃から悪ガキで〜」と巻き舌気味に勢いよく歌い出したはいいが、途中で歌詞が分からなくなり「なんたらなんたらなんたらら」。松田聖子がリクエストされると思いっきりブリッ子風の振りを披露。

一方井上陽水の「少年時代」はすぐには分からず、会場の観客に歌わせる。それに味を占めたか、「炭坑節」が分からないと即座に「せ〜の」と観客に催促。

最後の方のMCではバンドメンバーへの感謝。特にアコースティック公演ということで、さらに東京厚生はメンバーの追加もあったわけで、アレンジを担当した岩崎さんは大変だったらしい。それでもネガティブなことは一切いわず、黙々と作業を行ったという。その岩崎さんを中心として、非常によいチームワークだったことがMCでも伺える。岩崎さんは安倍さんとパーカッションのAsamiさんのことを「娘」と言っていた。アットホームで自由で幸せな空間が会場に充満していた。

公演終了後、すでに夜も遅く、疲れていたのでホテルそばで久留米ラーメンを食す。久留米ラーメンを食べたかったわけではなく、たまたま入ったラーメン屋が久留米ラーメンの店だった。翌日は西鉄で太宰府へいき、天満宮と博物館見物。昼過ぎに博多に戻り、地鶏塩焼き定食を食べて、ひかりレールスターで大阪に帰る。

初めての泊まりがけのコンサート鑑賞。でもライブがよるだけだったということもあって、ふつうの観光旅行を楽しみ、さらに夜にはスペシャルな時間があった、という感覚。総額は結構かかったが、旅の想い出の中心に輝くライブの空気感。贅沢なバカンスを満喫した。

2007年11月27日

■ アコなっち広島追加

一つ忘れていた。追加。

先週東京厚生年金会館ホール公演では保田圭さんとデュオで歌った「Memory 青春の光」、今日はソロで歌う。歌い終わった後「この曲はオリジナルは複数のメンバーで(歌うパートを)分け分けして歌っていたんですが、一人で歌うと改めて難しいですよね〜」とかなんとか言っていた。実際本ツアーが始まった初期公演ではかなり苦戦気味だったというレポートも読んだが、今日の出来は良かった。保田圭とのデュオも良かったが、ソロバージョンも十分「あり」。バンドメンバーのハモりもあって、曲に厚みもきちんとあったし、何より安倍さんの艶やかな声がとても美しい。

ハロプロコンサートにしか行かない私が言うと説得力ありまくりだが、ハロプロファンでなくても、このコンサート、十分楽しめる水準になっていると本気で思う。

■ MCメモ

以下は「現場」にいた人にしか理解できない、基本自分用メモ。

冒頭MC

広島弁をまねて、「あってるのかな」。ギターの久保田さんに確認する。

「(広島出身でも何でもない)久保田さんも聞かれても困りますよね」。

バンドメンバーに広島の想い出話を聞くコーナー。
  • 久保田さんの話(船で松山へ渡った話)を顔をつきあわすようにして聞き入り、「楽屋でお話を聞いている気分でいました」。
  • パーカッションAsamiさんがサンフレッチェの応援歌を作詞作曲している、という話を受けて「ちょっと聞きたいですよね」。ワンフレーズ即興で歌わす。
  • キーボード岩崎さん、さるライブで渋滞で飛行機に乗りそびれてぎりぎり広島入りしたという思い出話。話す前に「少し長いくなるんで(話すのは辞めておこうか)」というのを観客が一斉に催促の拍手。
ご当地ソングを歌う前のMC

リクエストがあった曲を紹介。19の「あの紙ヒコーキ 」、最初知らない曲と思った感じでたどたどしく紹介、曲名もカミカミ。

後で気づいたようで、ボーカルのやや前のめりで体を前後に振ってうたう物まね

ポルノグラフィティのものまねも披露

「物まねコーナーみたいになってますね」

リクエストメッセージの中に「当時モーニング娘。の中で誰が一番可愛いかという話で、私はなっちが一番だと言ってました」というのがあって安倍さんうれしそう。「そんな話、するんだ〜」(客席に同意を求める)。

25日に発売になった写真集の話。

「そっち(グラビア)が本業の人じゃないから水着っていいのかなあ、とか思うんですけど」。

水着写真集ということでやたら「おとなっち」を強調する(水着=大人でもないだろうに。実際件の写真集はかなり「おさなっち」色が強い、という個人的感想)

写真集がベトナムで撮影されたと言うことでベトナムの思い出話

ベトナムでマッサージの値段が安いという話から、「日本だともっと高いよね〜」。「あ、なんか友達に話している調子でしゃべってた」

■ アコなっち広島

元々は「在宅派」だったのに、今ではすっかりコンサートのレポートでしか更新しない「現場派」に転向してしまった今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。

ということで先週に引き続き、今週は広島に来ている。山陽新幹線に乗るのは何年ぶりか、数年前に学会で博多に行って以来。乗り方を忘れた。

というか、山陽新幹線の現状がいまいち分かっていなかった。ひかりレールスターというのに乗れば良かったのだな。東海道新幹線の感覚で何はともあれ「のぞみ」を選択してしまった。しくじった。

昼前には広島着。さてこれから18:00まで何してすごそう、と思うと「原爆ドーム」。我ながら発想に広がりがない。なんというか、修学旅行といえば広島原爆ドームで平和教育、と考える日教組系教師的発想の狭さ、みたいな。そういえば広島に来るのは中学の修学旅行以来だった。

ちなみに原爆ドームは「世界遺産」。世界遺産を見たい、と日頃言っているなっちこと安倍なつみさん、見ましたか?今回のツアーでは歌われていないが、神戸震災をテーマにした「たからもの」を切々と歌う安倍さん、「原爆」の災禍を見ても感じるものがきっとあると思う。

いったんホテルにチェックインして荷物を減らす。東京と違って安い。5250円でまずまずの(安)ホテルに泊まれた。

その後は広島城も見物してから、今日の会場へ移動。ビルの最上階の会場。「いかにも」という格好をしたファンが階段に座り込んで所在なげに待っている。みっともないのでやめましょう。

私は下の階に降りてタワーレコードにいき、モーニング娘。シングル「みかん」初回Bバージョン(ミニ写真集付き)を購入。ちなみにDVD付きの初回Aバージョンはすでに購入済み。別にくじがついているとかそういうことではなく、単に写真集もほしかった、というだけ。売れ行きが苦戦している、と聞いて支援したかった、というのもなくはない。

会場はそれなりに段差があって、後ろから2列目だったが、まずまず視界は開けていた。まったり座ってみられそうだったのだが、横の人がやや前に出て立ち、そのためその人の肩越しにステージを見る羽目に。何で隣の人の肩越しにステージを見なければならないのだ。しかたないので、よくステージを見たいところでは立たざるを得なかった。ちょっと残念。

会場はかなり狭く、いかにもライブ会場、という感じ。先週の東京厚生年金会館大ホールとはかなり雰囲気が異なる。オペラグラスとかがなくてもある程度表情とかが見える。またバンドメンバーが3人しかいなくても、全体的に密集感がある。

安倍さんも「近い、近い」を連発。バンドメンバーとふつうに世間話をしているノリになったり、客席相手に素な感じで相づちを求めたり。しかしそれでも個別にレスを求める観客の叫びは軽くスルーしたり。

これは普段から思っていることで、今日も改めて思ったことだが、安倍さんは曲によって歌い方というか、声の出し方を実に器用に変えてくる。かなり切ないメロディーと歌詞の「小説の中の二人」では艶のある声でなめらかに歌い上げる。それが女性の切ない感情を実に上手く表現することになる。かわいらしい女性の感情を歌った「大人へのエレベーター」も似た発声。同じく女性らしさが引き立つ歌い方。一方、歌詞を読めば女性の恋愛の歌なのだがそれにとどまらないスケール感を持つ「Too far away」やふるさとにいる母を思う「ふるさと」など、「恋」ではなく「愛」を歌う歌では少し乾いた声で、語りかけるように歌う。今回のツアーでカバーしている「オギヨディオラ」、今日のご当地ソングとして歌った吉田拓郎「今日までそして明日から」も同様の歌唱。「性別」を感じさせない歌い方。

テクニックとかではなくて、曲に気持ちを乗せて歌うと自然にそうなるのだろうと思う。曲の世界一つ一つに思いを込め、その思いに応えられるだけの技術も持っている、そうして生み出される表現力は、ひいき目を抜くことはもはや不可能なので、ひいき目込みで、ちょっとたいしたものだと思う。

MCは例によって「ぐだぐだ」。広島名物紅葉まんじゅうの話をしているときだったか、うれしそうにいろいろしゃべっていて、「落ちは特にないんですけどね、しゃべりたかったのでお話ししました」とかなんとか。関西人松浦亜弥が聞いていたら「落ちはつけようよ」とつっこむ#1ところだろう。あるいは「豆乳キムチ鍋」の話を始めて、「豆乳キムチ鍋」を作ったきっかけを説明する場面で、豚肉を売っていたおばさんから「水を使わず大根おろしだけで作るみぞれ鍋」を紹介された話になり、あれ、豆乳キムチの話はどうなった、と思っていたら、最後に「大根おろしをするのがめんどくさくて、豆乳キムチ鍋になったんですけどね」、とか。噛み合っているんだかいないんだか。

まあ、安倍さんが楽しそうだったから、全てOK。


#1 田中れいなのラジオでのしゃべりを聴いてそれを引き継いだ松浦さんが田中さんへ送ったメッセージ。

2007年11月19日

■ なちけめ

スペシャルゲスト保田圭、ということであまりにお約束で笑ってしまったが、しかしこれがまた想定通り見事にはまっていた。

サックスを演奏するのは想定外だったが、こちらはまあ、保田圭だから及第点、プロのサックスプレイヤーではありえない、それはそういうもの。もっとも十分聴くに堪えたので、モーニング娘。(元を含む)一部メンバーの歌唱よりはレベルは高かったりする。

それでもそちらは余興の域を出ないが、二人で歌う歌は圧巻。モーニング娘。の初期「セカンドモーニング」収録の名曲「好きで×5」と同じく「セカンドモーニング」収録曲でありかつ、今ツアーでは本来安倍さんがソロで歌っていた「Memory 青春の光」。他会場ではご当地ソングを募集してそれを歌うコーナーのかわりのスペシャルゲストコーナーだったが、個人的にはこちらの方がずいぶんお得だと思った。

ご当地ソングは一部を除いて、安倍さん自身にはあまりなじみのない曲が歌われていたりする。歌の世界を自分なりに作るのが真骨頂の安倍なつみ、新しい曲への対応力は少し弱め、歌い込んで良くなっていく「叩き良化」型。モーニング娘。初期曲のほうが高い完成度の歌が聴ける。

そしてまた安倍さんと保田さんの息のあったコーラスが素晴らしいのだ。「好きで×5」は保田圭メインパートに安倍なつみがハモり、逆に「Memory 青春」では安倍なつみがメインで保田圭がハモる。

特に「Memory 青春の光」はやはりソロで歌う歌じゃない。この二人で歌う「Memory 青春の光」はこれまで様々な組み合わせで聴いたなかでも間違いなく一位を争うできだった。

MCはMCでいつものぐだぐだでれでれなちけめ(保田圭の愛称がケメ子)。デュオユニット「なちけめ」結成を迫る保田さんに対してあえてつれなく振る舞ってみたり、モーニング娘。初期メンバーの話題に興じたり、最後舞台からはける保田さんの投げキッスに対して恒例の「おえ〜」をやってみたり、と完全に二人の世界を作っていた。

■ 鉄板レース

本公演の最大の目玉、当日まで一切誰かが明かされなかったシークレットスペシャルゲスト。

当日までゲストが誰かが明かされない、というのはあまりなかったことなので、界隈では様々な憶測が飛ぶ。よほどの大物なのではないか、安倍さんと実に意外な交流がありました、とか。あるいは妹さんの安倍麻美ちゃんの事務所またぎの共演、とか。はたまたモーニング娘。現メンバーが登場、とか。

もっともそういうのはすべてほぼ「ネタ」として語られていたわけで、実際にはガチガチの鉄板の大本命がいたわけだが。

ゲストではないバンドメンバー紹介時、「素敵なバンドメンバーを」と言おうとして「スペシャルな」と言いかける。観客が沸くと、「あ、間違えた」。

ゲストコーナーの時間が来ても、客を煽ってじらして、なかなか紹介しない。さんざん引っ張っていよいよ呼び入れる。

「スペシャルゲストは、サックスプレイヤーの」

え?誰?

「保田圭!」

ドリフターズのコントだったら、観客が全員ずっこけ、舞台が崩れる場面。

いやはや、見事なお約束落ちでした。

■ 共演者弄り

久々の大きな会場で「緊張している」を連発する安倍さん。つい半年前に同規模のコンサートをやっているのに。バンドメンバー紹介時、今ツアーから参加のギターの久保田さんに対してもしつこく「私、普通じゃないですよね」と絡む。いかにも誠実そうな久保田さん、どう対処して良いのやら、と少し困った風。

「久保田さんはこの世界で何年目なんですか?」

「30年です」

お見それいたしましたとばかりに深々とお辞儀、さらにしつこく「だったらあまり緊張とかしないんでしょうね〜」。

久保田さん、苦笑。なっちワールド全開、なのだが、今ツアーから参加の久保田さん、観客のなじみが薄かろうと言うことで、あえて積極的に絡んでいるのだ、たぶん。

共演者弄りが大好きな安倍なつみ、ただただ遊んでいるようでいて、でも実は結構いろいろ気を回しているのだ。

そうしてバンドメンバーを含んだひとまとまりの世界ができあがる。メインの歌手とバックで支えるバンド、ではなく、全員が同じ舞台に立つ共演者、安倍なつみコンサートではなく、「アコなっち」バンドのコンサート。

■ なっち先生のお歌の時間

コンサート全体の印象としては味付けかなり濃いめ。見た目こってりだが意外とさっぱりしている博多ラーメン松浦亜弥コンサートとは対照的に、スープはどろどろ栄養満点全部のみ干せば血圧あがりそうな京都は「天下一品」のこってりラーメン。

「みんな、わざわざなっちに会いに来てくれたんだよね」「みんななっちのこと大好きなの?」、バンドメンバーのAsamiさんの何とも言えない苦笑、私には絶対言えない、といったところか。うざい、おもいっきりうざい。 それがやみつきになる。

あるいは「ツンデレお姫様」松浦亜弥に対して「なっち先生」安倍なつみ、とも言える。

客に「私を褒めて」と迫ったかと思えば、軽く突き放したりして客をコントロールする松浦亜弥に対して、客が自分に身をゆだねていることを絶対的に確信している安倍なつみ、客を「集団」として掌握しきっている、まさに幼稚園児を相手にする幼稚園の先生のごとく。

バンドメンバー紹介の際に思いっきり噛んだときのややしつこいブーイングに対して、

「うるさーい、なっちは噛むの!」

生意気なガキを相手に開き直ってみせる先生風。同様のケースで松浦亜弥は

「退場!」

宣告をしたらしい。この突き放しが松浦流。

ヴァンサンクツアーに引き続き、今回も「お遊戯教室」を開催。前回と同じ曲の同じ振り付けをなっち先生が直々に指導。またMCではことあるごとに「何々した人!」と挙手を求める。とうぜん客は「は〜い」とお返事、まさに幼稚園。

■ アコなっち

京都から東京へ日帰り旅行。帰りは最終のぞみ。家に帰り着いたら日付が変わっていた。疲れた、はずだが、朝起きたら体調がいい。

ということで東京厚生年金会館ホールで開催されたなっちこと安倍なつみのコンサート「アコースティックなっち」に行ってきた。

東京厚生年金会館は会場前まで行って当日券が無くてすごすご引き上げたことがあったな、と思い出す。もちろん仕事のついでに行ったので、京都・東京の運賃を無駄にした、とかそんなことはない。ただ当日券でしか入るすべを知らなかった当時、それなりに脚を伸ばして新宿の会場まで行って、そのまま引き上げ、ホテルで本田美奈子さんの急逝を知り、ショックを受けたことをつい先日のごとく思い出す。調べてみたら二年前、今をときめく里田まいを含むカントリー娘。をゲストに迎えた「24カラット」公演だった。ちょっとまったりした、「普通のハロプロ」コンサートだったあのときと、今との変化(進化と言うべきか)に改めて驚かされる。そのときのコンサートの感想文にはこのようなことを書いていた。

ただ全体の印象として、音響が悪く、かなり聞き苦しかった。またハロプロ系のコンサートでは期待すべくもないが、コンサート独自のアレンジを施した生バンド演奏をバックにつけるぐらいのことは本来はして欲しいものだ。

そのときの思いは昨年春の「乙女チックバンク」でのワンコーナーを経て、今年春の「ヴァンサンク」ツアーで実現され、今回もそれを引き継ぐ。

狭い会場での「アコースティックライブ」というふれこみでこれまで実施されてきたツアーだが、私の初鑑賞となった今回の会場は普段のハロプロコンサートを行う大ホール。それだけに前回「ヴァンサンク」コンサートと印象は重なる。大きな会場で、大勢の観客の前で、生バンドをバックに、なっちが何のひねりも衒いもなく、ただ唄う。それ以上でもそれ以下でもない。それ以外に何を望むか、文句があるか、というコンサート。

特に今回はスペシャルゲストの一環として、通常編成の3人のメンバーの他に、前回ツアーのバンドメンバーを務めたギターの徳武弘文さんとヴァイオリンの藤田弥生さんが加わった豪華編成。通常バージョンは先日の新曲発売イベントで見たが、やはり特にヴァイオリンの存在は大きい。安倍さんの歌声とヴァイオリンの音色の相性はかなりいい。新曲「息を重ねましょう」のカップリング「小説の中の二人」の切ない声、「Too Far Away」の堂々とした唄い回し、「ふるさと」の優しい歌声、いずれもヴァイオリンの音が絡まると一層引き立つ。

そして安倍なつみはひたすら歌の世界に没入する。アレンジがどうとか、フェイクを入れようとか、そういう小細工は一切なし、音楽的なテクニックには興味なし、ただ歌の世界に身をゆだねるのみ、それがなっち流。

夏のモーニング娘。誕生10年記念隊コンサートではグループのリーダー格としての責任感を見せ、毅然としたりりしい雰囲気を醸していたが、ヴァンサンクツアーと今回のコンサートでは自分の大好きな歌を大勢の観客の前で唄う、ただただそのことだけに絶対的な幸せを感じているようだった。

2007年11月11日

■ 座って鑑賞するのも愛

安倍なつみ新曲発売イベント、私はCD一枚だけ買っただけなので、昼1回のみの参加。夜公演についての情報をネットで読む。

夜公演は観客ほぼ全員が立って鑑賞したそうだ。前の連中が「立とう」とあおり、前に立たれれば後ろの席の人間は立たなければ舞台が見られなくなる。結局座って鑑賞したかった人も立たされる。なんなんでしょうな。

モーニング娘。誕生10年記念隊コンサート、大阪新歌舞伎座公演。新歌舞伎座という場所柄ゆえ、普段のファン層とは明らかに違う人たちが鑑賞に来ていた。60代の女性。ファミリー席が取れなかったのか、そういう制度を知らなかったのか、一般席だった。前の男どもにたたれては舞台が見られない。その女性はたまらず通路に座ってみようとした。係員が注意して、座席に戻されていた。子ども連れの家族もきていた。もちろん子どもにも舞台は見えない。

ファミリー席の設定が別にある以上、仕方ないとは思う。しかし背の高い男性が立てば、舞台が見られない人が出てくる。そういうリスクを伴っているということ、そして「モーニング娘。」「なっち」はやりようによってはスタンディングライブを当たり前とは思わない観客も引きつけるものを持っているということ、そういうことを少しは考えてみたらどうだろう。「立ってみる」のが当たり前、本当にそれが正しいのだろうか。

今日のイベントはシングルCDを買ったファンへの感謝イベントである。ファミリー席とかの設定もない。普段スタンディングが当たり前とされているハロプロのコンサートにきていない人も、当選したからと来た人もいるだろう。東京2回、大阪1回、皆が座ってみていた、というのにはそういうことへの配慮があったのではないのか。それを自分が立って騒ぎたいためだけに無にする。

こういうのでも「なっちファン」と言えるのか。それが大阪関西のノリなのか。なっち好き、関西郷土愛を多少なりとも持つ身として正直落胆した。

私があまり好きではない言葉を投げつけたくなる。

空気、読めよ。

■ 新曲発売イベント

なっちこと安倍なつみ、新曲発売イベント。

Asamiちゃん、可愛いかったぁ!!!って違うか。

座席はくじ引き方式、引いた券を見たら「6列」。そんな前の席でライブを見るのは初めて。ディナーショーではそこそこ前の席もあったが。しかも会場にはいると前3列はつぶされていたので、実質3列目。ほぼ中央。エグゼクティブパス招待席並みの良席(?)。お金を払った正規の「アコなち」コンサートでは最後列とか、立ち見席とかそんなのばっかりなので、実はこの無料イベントが一番おいしかった、ということにもなりかねない。

セットリスト。

  1. くちびるで止めて
  2. MC(挨拶)
  3. 小説の中の二人
  4. MC(新曲の話)
  5. 息を重ねましょう
  6. MC(バンドメンバー紹介、メンバーの大阪話)
  7. 大人へのエレベーター

可愛く艶っぽい声で歌う曲中心。客は全員着席したまま。この方がいいと思うがなあ。コンサートでも座って聴こうよ。

挨拶のところで「生なっちを初めて見る人」と挙手を促す。3割ぐらいが手を挙げる。「ありがとうございます。あ〜でも、今嘘ついた人いたでしょ〜」。この「嘘ついた人いたでしょ」という時の言い方、表情が何となく幼稚園の先生っぽい感じ。そういえば安倍さんの「観客いじり」はそういうノリが多い。さる掲示板では「幼稚園の先生とヲタもだち」と評されていた。言い得て妙である。ちなみに松浦亜弥さんだったら、ちょっと口をとがらすように「嘘つきぃ〜」というだろうか。安倍さんも松浦さんも観客いじりが好きだが、ノリは少し違う。

新曲の話のところでは、最終的なレコーディングは今回初めて大阪で行った、というお話。いったんレコーディングは終わったが、さらによくする部分があったか何かで、もう一回やり直そうとしたら「なっちは今大阪だ」ということで、急遽大阪のスタジオで録音した、と。そのことを「アコなち」の大阪公演の時に話しようと思っていたが、そのときはいっぱいいっぱいで飛んでしまったので「今日お話ししました」。そのときはツアー初日、しかも事故後初ということもあってか、相当緊張していたようだ。

バンドメンバー紹介ではバンドメンバー一人一人に大阪での想い出(一応最初の振りは食べ物)」を聴く。ギターの久保田さんが「ちょっと前は新大阪駅で赤福をよく売れていて」とか話し出したところ、安倍さん大あわてで「おっとっとっと」と仰け反る。いや、そこまでタブーな話でもないから。

パーカッションのAsamiちゃん。観客の男性の野太い声に所々で苦笑。そのときの表情がすこし安倍さんの妹さんの麻美ちゃんと似ている気も。大阪の想い出は「修学旅行」。「おおお、若い!」、みたいな雰囲気になる。

ラストは安倍さんの最近の公演ではおなじみの岩崎さん。観客を「うぉおおお」とあおって、指揮者のように締める恒例のパフォーマンスをステージ中央に進み出て行う。「今回は真ん中まで出てこられて」。「いや、なんか空間があってやりやすそうだなと思って」。「自由な感じで、いいですねえ」。

たった40分の公演だったのに、おなじみの岩崎さんはさておきそのほかの二人がしっかりおなじみになった。松浦さんのコンサートのバンドメンバーなんて全然覚えていないのに。このあたりのメンバー「いじり」は安倍さんが上手。

最後の「大人へのエレベーター」、観客にも振りをまねしてもらうのが通例で、しかし座席幅が狭いのを見切ってか、安倍さんが普段よりも横方向に窮屈そうに踊る。気のせいかもしれないけれど。あと「寝るときときのタオル、はなさないから」のところ、普段は長めのスカートの裾を握ってほほにすりつける振りをしていて、それがとても可愛いのだが、今回の衣装でそれをするとスカートが短かすぎて、なにな感じだったので、少し違った振りになっていた。

最後の握手会、ほとんど記憶にございません。ま、そんなものでしょ。何かメッセージを伝えるものらしいので、私も一応考えてみて、春、秋両ツアーでセットリストからはずれている「空Life Goes On」をまた聴きたいなと思って「空Life Goes On」をまた歌ってください、と言おうかと思ったが、「そららいふごーずおん」と曲名が結構長くて、握手の時にそんなことで時間をとるのも何だなと思い、さらによく考えれば新曲発売イベントで2年前の曲を聴きたいとリクエストするのも失礼な話だと思い、断念した。ま、変に粘らず、さっさと立ち去るのが私の美学、ということで。

いくら抽選とはいえ、無料でこの中身はあり得ない。むしろ固定客以外の一般人にこうした機会を提供する方策はないものか、一般人相手でも1割ぐらいは籠絡できそうなイベントである。

2007年11月10日

■ エグゼクティブパス

ハロープロジェクトのファンクラブに関するある新サービスがファンの間で波紋を呼んでいる。もっとも私はファンクラブ会員ですらないので、完全な部外者、正直どうでも良いのだが、議論を読んでいて少し興味がわいた。いったい何故これほどまでに波紋を呼んでしまったのか。

新サービスの名は「エグゼクティブパス」。クレジットカード発行を条件とするSP会員限定サービス。募集人数300人。お値段は一年間で6万3千円。

それでどんなサービスが受けられるかというと、1年に1回コンサートでの特別席ご招待、それとは別にコンサートバックヤードご招待、好きなメンバーとの2shot写真を進呈、その他諸々。

問題となっているのはまず値段。6万3千円が高すぎる、いや逆に安すぎる、という意見も出たりする。高すぎる、というのは要するに「お金持ち」しかそのサービスが受けられない、けしからん、というもの。「エグゼクティブ」パスという名称がまた格差感を煽ったのかもしれない。一方安すぎる、というのは募集人員との絡みで、応募はしたいが、抽選漏れが多発するだろうことを懸念する立場。この値段でこのサービスなら是非受けたいが、抽選漏れするのは我慢ならん、と。

このようにまとめると、実にくだらない、自分勝手な批判だ、という印象になってしまうが、そうとも言い切れない。「高すぎる」という意見はたとえば特別席だとかバックヤード招待だとかは本来小学生ファンこそが受けられて良いサービスだ、という主張にも繋がる。確かにそういうサービスだったら、ずいぶん感じの良いサービスに聞こえたろう。しかし実体は小学生はおろか、(クレジットカード会員を前提としているため)学生ファンをも排除したものになってしまった。それはおかしい、というもの。一方「安すぎる」というのは批判としては確かにたいしたものではない、どちらかというと「高すぎる」という批判を揶揄する意味合いが大きいという気もする。抽選は何だってあるのだから。ただ感覚的には私も「安い」とは思ってしまう。6万3千円で上記サービスが受けられるから金払えと言われたら財布のひもをゆるめそうな感じ。私も相当金銭感覚を狂わされているな、反省。

しかし真に問題になっているのはそういうことではないのだろう。「コンサートバックヤードご招待」、これがいけなかった。コンサートの舞台裏に招待されて、好きなメンバーと(たぶん)握手をして、2shot写真を撮ってもらえる。「エグゼクティブパス」所有者だけが。

ちょっと考えるとこの批判も的外れなように思える。それまでもFCでは海外ファンクラブツアーを開催し、そこでは握手も2shot写真もやってきた。ファンクラブ向けディナーショーも同じだ。もちろん高額のお金を払ったファンに対するサービスだ。そしてそれは特段には批判の対象とはならなかった。今回のサービスのそれと同じようなものではないか。お金を払ってサービスを受けられる、何が問題なのか。

しかしやはり海外ツアーなどとは違うのだと思う。問題はサービス対象が、一般ファンも参加する普通のコンサートにおけるものだ、ということだ。海外ツアーなどはいわば隔離された空間におけるサービスだ。それに関わるファンと関わらないファンは完全に分離されている。お金を払ったファンに対してその空間は作られ、そしてそれに見合ったサービスを受ける。参加しないものはその空間とは基本的には無関係だ。

一方、今回のサービスはそうではない。コンサートは、座席の差はあれども、参加者みなが一つの空間を共有し、それぞれの思い(妄想を含む)を持つ場だ。コンサートが終わる。会場をあとにしながら、一仕事終わったメンバーの「今」を思いやるファンも多かろう。そしてメンバー同士、スタッフも交えて「お疲れ様」などと挨拶をしている姿を想像しながら、心の中で「お疲れ様」と声をかけるファンもいるだろう。会場ではメンバーと一緒に踊り、唄い、そしてコンサートが終われば、心の中でメンバーに対して労をねぎらう、そうしてメンバーと一体感を持つ、そういう楽しみ方をするファンは少なくないだろう。

今回のサービスはその「一体感」を破壊してしまうのだ。コンサートが終わる。自分は会場をあとにする、しかしあとには「エグゼクティブパス」をもったファンが残り、メンバーと歓談をしている(かもしれない)。この疎外感、それはメンバーとの(妄想の中の)幸せな一体感を切り裂くものだ。もしこのサービス対象が「小学生限定」だったら、楽しい妄想を持ち続けることも出来たろうが。

メンバーとの「一体感」に価値を見いだしてコンサートに行くファンからすれば、今回の新サービスが許容しがたいものになる、というのは無理からぬことだと私には思える。実際この一件を聴いてFC会員を辞めるという者、さらにはハロプロを応援するモチベーション自体が下がったという者がブログ界隈を見ていてもかなり目につく。公正に見てもやはり事務所はしくじったのだと思う。

事務所は何を間違ったのか。ファンの妄想力の重要性を軽視したことだ。

■ ちょっといい話

安倍なつみコンサートツアー「アコースティックなっち」名古屋公演で「ご当地ソング」として唄われたのが岡村孝子さん「夢をあきらめないで」。

その岡村さんについて昔聴いたちょっといいエピソード。雑誌のインタビュー記事にて。

インタビュアー「岡村さん、今凝っているものは何ですか?」

岡村さん「肩、かな?」

2007年11月09日

■ イベなち

なっちこと安倍なつみ新曲「息を重ねましょう」発売イベント、大阪会場昼の部に当選。まあこのあと、「本番」のコンサート「アコースティックなっち」終盤4回に参加するので、それほど必死でもなかったが、当選できて良かった。この手の無料イベントに参加するのは2005年モーニング娘。「色っぽい じれったい」発売イベント以来、2年ぶりか。

恒例のモーニング娘。新曲発売イベントは当然として、今年行われた松浦亜弥新アルバム「ダブルレインボウ」発売記念イベントでも握手会が行われたようで、今回のイベントでも握手会が行われる、というのを期待する声がちらほら。私は個人的には握手はいいや。他の人が握手している時間がもったいない。それよりも予定時間いっぱい歌を聴くか、しゃべりを聴いている方がありがたい。それになんというか、「生身の安倍なつみ」を感じたいとはあまり思わない。私は安倍なつみの声を中心として作り出される空気感が好きなのだ。

ただまあ、しゃべって、歌唄うだけでは「アコなち」との差別化が難しいか。

■ 勝手にしやがれ

今は不愉快なことしか書けそうもない。

2ch全体の傾向か、それともモーニング娘。関連掲示板だけの傾向か、書き込み数が激減し、それに伴って中傷書き込みも大幅に減っている。それだけにファンサイトと称する大手サイト掲示板のひどさが目に余る。はっきり言って2ch以下だ。運営サイドに言いたいことは山ほどあるが、メールをしたためる気力がない。前にその運営サイドの一人に別件でメールを送ったが、見事に黙殺されたしね。指摘だけはこっそり受け入れて、しかしメールに対しては何の返答も無し。正直もうあそこをファンサイトと見なすのもいやになった。ファンサイトと名乗りながら2ch以下の言説空間しか作れていないことをもう少し真剣に考えてほしかったのだが。

テレビ東京系で放送されているハロプロ系の音楽番組「歌ドキ!」で矢口真里さんが特集されていて、これまでの登場回数が保田圭さんと並んで2位だと紹介されていた。そして1位だったのは後藤真希さん。後藤さんはこれ以上出演回数を増やすことが出来るのだろうか。

私はこの番組での後藤さんが特に好きだった。登場回数も多ければ、歌っている歌も私好みのものが多かった。安全地帯「じれったい」、沢田研二「勝手にしやがれ」、中森明菜「DESIER」、杏里「CAT'S EYE」、山口百恵「横須賀ストーリー」など曲も懐かしければ、それを歌う後藤さんの歌唱力も素晴らしかった。またこの手の真っ当な「歌謡曲」をうたう後藤さんが見られることを願う。Avexへの移籍を望むファンもいるそうだが、この手の歌謡曲は今の所属事務所、そしてつんく♂の強いところ。私は今の事務所で活動を続けることを望んでいる。

その「歌ドキ!」で少し前に大谷雅恵がソロで「つぐない」をうたっていたのを改めて見た。さすがだった。くさくさした気分が少し和らいだ。