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2007年08月27日
■ 木偶の坊ではない
モーニング娘。十年記念隊コンサート名古屋公演の評をいろいろネットで見たが、おおむね参加者は楽しまれたようで。特に二日目土曜日開催分の盛り上がりはたいしたものだったらしい。
私が参加した金曜日開催分はやはりいろいろ大変だったのだろう。私が見る限り、安倍さんの表情には必死さが先に出ていて、いつものライブを心の底から楽しんでいる感じではなかった。とにかくコンサートを成立させるだけでいっぱいいっぱいだったのかもしれない、と今思う。土曜日になるとだいぶん余裕が出てきて、安倍さん自身も楽しめたのかもしれない。
となると、私が思っていた以上に後藤真希さん欠席は突発的なものであったということか。スタッフもメンバーも相当ばたばたした中でのあの公演だったのなら、あのライブはたいしたものであったと今は思う。それでも後藤さんの韓国での様子を聴くにつれ、「出演するのが当然」という対応には納得がいかないものは感じるのだが。
突発的な事故、ということで思い出すのはモーニング娘。コンサート中に高橋愛ちゃんが転倒して病院に運ばれた件。これほどの突発的事故はあるまい。そのときの対応をネットで探す。どうやら愛ちゃんの歌のパートは吉澤ひとみさんと新垣里沙さんとでほぼカバーしたようだ。
それを思えば今回ももう少し何かやりようがなかったのか、と思わなくもないのだが、しかしそれは違うのだろう。モーニング娘。は(メンバーチェンジはあるとはいえ)恒常的なグループ。一方十年記念隊はテンポラリないわゆる「シャッフル」ユニット。グループとしてとれる練習時間も全く違うだろう。一人抜けたらそれを素早くカバーする、それはやはり不断の練習の賜物なのだ。それを思うとやはりモーニング娘。は改めてたいしたグループだし、一方十年記念隊はそうした突発的事態には必然的に弱いグループだったのだ。
だからといって十年記念隊が駄目だといっているのではない。「シャッフル」ユニットなればこそこのメンバーが集まれたのだ。そしてこのメンバーが集まったことによって作り上げられた世界を少なくとも私は堪能したのだ。「シャッフル」ユニットには「シャッフル」ユニットの良さがある。ただ突発的事態には弱い特性を持っていた、それだけのことだ。
今思い起こせば名古屋公演は名古屋公演でとても良いものであった。安倍さん、新垣さんはもちろんのこと、久住さんまでもが必死さを醸し出していた。若い二人を必死にリードする安倍なつみ、その姿はいつもの、心の底からライブを楽しんでいる安倍なつみとは違うものだったが、とても美しかった。
それでもやはり私はなちごまを見たかったのだよ。
2007年08月25日
■ 座してただ敗北を待つ
私の中のモーニング娘。はそこにいた、のかなあ?
本日開催されるモーニング娘。十年記念隊コンサート名古屋公演の会場に向かう電車の中で本公演の後藤真希の欠席を知る。もう京都から名古屋までの運賃払って電車に乗っているのですが。ぎりぎりまで結論を引き延ばす。それが誠意というものなのだろうか。少し違う気がする。
日曜日に後藤真希、途中退場。その後韓国に仕事で出かけるが、どうやらカメラを通して見ても顔色に優れず、とても万全とは言い難い状態であったと聞く。その時点で本日の欠席は半ば予期されていたのではなかったか。なのにしかるべき対応をせず、ずるずると結論を先送りにする。
問題は告知が遅れたことだけではない。コンサートの中身も問題だった。後藤さんソロ曲と、後藤さん・安倍なつみさんデュオ曲の二曲がそのまま削られる。「突然」なら仕方がない。しかし十分そういう可能性は想定されていてしかるべき状況だった。そうであるならば、後藤さん欠席というファンにとっての痛手にさらに曲を削るという痛手をかぶせることを何とか回避する策を取り得なかったのか。
先日モーニング娘。を卒業した吉澤ひとみさんを急遽、しゃべりのゲストとして呼び寄せたのがせめてもの「誠意」か。確かに吉澤さんの登場は会場を大きく盛り上げた。吉澤さんもきちんと話題を考えてきていて、会場を沸かせてくれた。良い仕事をしたと思う。
しかし結局はコンサート全体で65点を取りに行っただけのこと。後藤さん欠席という事態の中でも、何とかあらゆる可能性を探って良いコンサートを作ろうという姿勢が残念ながらあまり見えなかった。たとえば、たとえばの話であるが、本コンサートの初期に披露された久住小春さんのソロ「ふたりはNS」という曲を急遽今日の公演に組み込む、ということがそれほど難しいことなのだろうか。正直言うとモーニング娘。十年記念隊コンサートにおいて純情キラリンだかなんだかの曲を二曲も披露されても私はつまらない。それでもあり得べき可能性のぎりぎりを探ったのだろう、そういうメッセージは伝わったはずだ。
たとえば十年記念隊が出演したフジテレビのイベントで、今日と同様後藤さんが欠席したとき、後藤さん担当曲を残りのメンバーでうたったという。出来はさんざんだったようだが、チャレンジングな姿勢ははっきり見える。もちろんそちらは生演奏だったので今日も同じとは行かないが、たとえばそういう失敗を畏れず何かをしようという姿勢が今日は見られなかったことが残念でならない。
ソロの後藤さんの曲の他に削られたのは安倍さんの担当曲。安倍さんは本来歌う曲より一曲少なくしか歌えなかったということだ。まして安倍さんは本公演の「座長」格。
私は妊娠しているため思うようにコンサートに参加できない飯田圭織さん、そして後藤さんがいなくなった穴を必死の笑顔で精一杯埋めていた新垣里沙さん、がむしゃらに場内を駆けめぐる久住小春さんにはよく頑張ったと万雷の拍手を送りたいと思った。彼女たちにそれ以上望むことはない。良い仕事をしたと思う。
でも安倍さんにはあえてそうはいいたくない。彼女は無念だったろう、そう思う。もっと何かしなければならなかったのではないか、そう悔いいているのではないかと思う。そう思いたい。今日のコンサートで満足してもらいたくはない。
だから私は今日は安倍さんには拍手しなかった。安倍さんとともに、今日の無念をかみしめたいと思った。
2007年08月24日
■ 名古屋に行く
先日鑑賞したモーニング娘。誕生十年記念隊コンサート、日曜日開催分でアクシデントがあったという。そのことを巡って、非常に不愉快なテキストを目にした。私が見て、感動したものをばっさり否定されたように感じた。私が見ていたものはくだらない、見るに堪えないものであったと腐されているように感じるテキストだった。もちろんその人にとってそうであったというだけのことだ。様々にあってしかるべき感想の一つに過ぎない。ただそのテキストが書き手の「感想」にとどまらない「糾弾」調の文体だったので、個々の感想にとどまらない一般的な主張としてかかれている文章のように読めたので、私の不快感は増幅された。
サイトの内容について言及するのであればリンク先を明示して言及するのが筋、とそのサイトには書かれていたが、リンクはしない。なぜならそのサイトは数々ファンとしての一線を越えたアンフェアな行為から得られた情報をもとに書かれたテキストが掲載されているからだ(件の記事もそうだ)。そのサイトにリンクして言及することはそのサイトのそうした情報発信のあり方を容認することになるように私には感じられた。
なら最初から黙殺しろよ、と自分に対してつっこみを入れつつ、コンサートの評価について煽られたのは確かで、そしてそのコンサートへの思いが揺らがされたのは確かで、私自身そのコンサートについてどうとらえればよいのか、正直分からなくなってきた。確かに件のテキストは書き手の意図通りの効果を発揮したのだ。ハロプロのライブの現状について聞き手に疑念を抱かせる。見事というほかない。
結局そのあおりに乗せられる形で、もう一回見ておかなければならぬという思いに駆られた。急遽本日開催される昼分のチケットを入手。名古屋御園座公演。関西で見られたのと同じコンサートを遠出してまで見るのは初めてだ。見事に乗せられている。
2007年08月18日
■ 備忘録(モーニング娘。誕生十年記念隊コンサートに関する)
あとは私の備忘録
会場は大阪難波にある新歌舞伎座。本来は名前の通り、歌舞伎やら舞台やら演歌系のコンサートやらをやる会場。うわさでは松浦亜弥主演のミュージカル「すけだち」をやる予定で会場を押さえたがもろもろの事情で変更になった、とか。真偽のほどは不明だが、納得のいく話ではある。
そのいささか場違いな会場前に「モーニング娘。」の名前が華々しく飾られる。人通りの多いところ故、ファンではない一般人が通りすがる。「へえ、モーニング娘。やん」、「あ、でも今のものとは違うみたい。懐かしい人がいるわ」、なんて会話が聞こえる。一般人気がなくなったとはいえ、その程度には「知られて」いる。
客層も少しおもしろい。明らかに新歌舞伎座には合った、逆に言えば「モーニング娘。」には場違いな女性客がちらほら。劇場の会員には公演を選んで無料で入場できる権利があるようで、その中であえてモーニング娘。を選んだ人がいる、ということのようだ。楽しんでもらえればいいが、と祈るような気持ちになる。
「Night Of Tokyo City」のような声の重なりが美しい曲はどう聞こえるのだろうか、某末っ子メンバーの声をのぞくと、かなり上手く聞こえるが、それはひいき目だろうか。そして安倍なつみソロ曲、谷村新司のカバー曲「Too Far Away」。これまたひいき目でこれ以上のものはないだろう、と思った。技術的な歌の上手い下手とは違う、歌い手の心の体重をかけたような歌いっぷり。これで「駄目だ」と思われれば、もう手駒はない、どのみち五木ひろしにはかなわないのだ、そちらに行くべきだったのだ。
後藤真希のソロは最新シングルより「シークレット」。これは声が美しい。切なくすがりつき、染み渡るような声。透明感と存在感を併せ持っている。正直に言う、高橋愛はまだこの域には達していない、高橋愛を愛するが故に思う、安倍なつみ・後藤真希の歌への気持ちの入れ方を高橋愛にも身につけてほしい。
「愛車ローンで」、「乙女の心理学」、「Loveマシーン」などコミカルな振りのついた歌についても安倍なつみ・後藤真希は見事というしかないパフォーマンスを見せる。実に可愛く、おもしろく、見ているこちらが愉快になる踊りを見せる。新垣里沙・久住小春も間違いなく大きなものを学んだはずだ。そうして現在のモーニング娘。もまた一層進化することだろう。
MCなど。ここからは完全に備忘録。
- 昼
安倍後藤。後藤真希加入当初、ダンスに苦労していた、本番前なっちに「ここまで頑張ったんだから、できるよ」といわれ、大いに励みになった。
安倍。妹(麻美)と一緒にいるときに、お父さんから電話。「あみ(麻美ちゃんのこと)といっしょにいるよー」というと「そうかー」といってあっさり切れた。その後メール。見るとお父さんから。とても長く「人生とは何か」というような内容。何だ?とも思いつつ、やっぱり家族ってありがたいですよね、という話。
ついでに安倍さんのお母さんからもメールが来るが、お母さんは安倍さんが何度教えても、「っ」とか濁点とかがつけられない。それでたとえば「いっぱい」が「いはい」となったメールが来る。また次の機会には改めてしっかり教えよう。
後藤。前から飼っていた犬(タカ)と最近拾ってきた黒猫(チェリー)がとても仲がよくて、いつも一緒にいる。今年の夏はこの二人の恋路を見届けようと思う。ちなみに後藤さんの家族はチェリーのことをチェリーとは呼ばず、「カラス」だとか勝手な名前で呼んでいる。いつになったらこの子(猫)は「チェリー」になるのだあ。
久住。飯田さんを見習いたい。どこをかというと飯田さんの「大人しい」ところ。え?ちがう?「大人っぽいところ」?まあ、そんなところ。
新垣。安倍さんは相変わらず変。いろいろな味(バニラとかチョコレートとか?)のお菓子が差し入れされて、安倍さんはメイプル味を選んだ。何でその味を選んだんですか、と聴くと、安倍さん曰く「だってなっちの本名は安倍メイプルなつみっていうから」と答えた(ちなみにその話を聴いていた小春は安倍さんの与太話を本当だと信じてしまった)。
飯田。小春はやっぱりミラクルだ。車で移動時、小春がプリンを食べようとしてあわてて落として、車中に散らかしてしまった。みんなで後始末をしながら、そんなにあわてないでもっと落ち着きなさい、と注意したら、「はい」と笑顔で答えた小春の手には早くもプリンがあった。
アンコール時。久住、会場には提灯がかけられており、それでテンションがあがりました!それを聴いて安倍「提灯、フォー!って感じ?」。皆から「古い」とつっこまれる。安倍さん「古くないよー」。
- 夜
安倍後藤。後藤。安倍の挨拶中、にやにや。安倍、「なあにわらってんの?」。後藤、その直前にうたった「パパに似ている彼」の振りがなんかお笑いのギャグに似ていない?「いつもここから」のバイクに乗った振りをするギャグ。それを思い出して、にやけてしまう。安倍、後藤の真剣な姿を見ると「本当にいいよ」ということにしている。後藤。「26歳になってもなっちはなっち」。
安倍。ダンスレッスンを行っている会場の掃除のおばさんに「ありがとうございます」といったら、向こうもすごく感謝してくれた。
後藤。暑い。暑すぎてボーとしている。今日会場に来るとき、ぼんやりしていて、前を歩いているマネージャーについてタクシーに乗ろうとしたら、後ろから呼び止められた。「何?」と思って振り向くとそこにマネージャーが。マネージャーと思っていた人は全く知らない人だった。向こうは驚いただろうな。
久住。見習いたい人、後藤さん。後藤さんはセクシーオーラが出ている。小春は前のめりオーラが出ている。
新垣。ライブ前に5人で気合い入れに点呼を行う。そのとき、飯田さんが常に(更新している最中だからか)タイミングがずれる。
飯田。26にもなって、可愛いものがほしくなったりする。新垣や久住のもっているものをうらやんだら、新垣がキティちゃんの腹巻きをプレゼントしてくれた。それを早速使おうと思ったら、全然入らない。「太った?」と思って改めて腹巻きを見たら小学四年生向けだった。
アンコール時、最終MC。
安倍。暑さのあまり、化粧が崩れる。特に後藤さんは「メイクにうるさい」ので、頑張って直していた。
小春、提灯話をするが、そのとき安倍の顔をじっと見続ける。「お祭りみたいで良かった」。安倍さんうれしそう。「良かった、良かった」。
新垣、飯田さんの時の腹巻きの話について「すみませんでいた」。安倍、「楽屋でもいい話だけどね」。
最後の曲「恋の始発列車」の時、後藤さんが安倍さんになにやらちょっかいを出したようで、安倍さん、ミス。後藤さんを笑いながら睨む。最後の挨拶、5人が手を取り合う場面で小春だけいない。ずっと客に手を振っていた。
2007年08月17日
■ 儀式
私の中のモーニング娘。がそこにあった。
東京で行われたもののセットリストを見ていた時点で、私の最初の感想は上の一文になることは半ば決まっていた。しかし想像以上に素晴らしいものだった。
私はモーニング娘。のコンサートには実は行ったことがない。モーニング娘。のライブを見たのも昨年夏のミュージカル「リボンの騎士」の最後に行われたミニライブのみだ。だから「私の中のモーニング娘。」とはテレビやDVDなどのメディアを通じて私の中に形作られた想像の産物以上のものではない。しかしそれはそうであるだけに、私にとって確かに思い入れのある存在だった。
「私の中のモーニング娘。」が全盛だった頃、私はひたすら自宅でメディアを通じてモーニング娘。を知るだけのいわゆる「在宅派」だった。それでもいつかモーニング娘。の人気が衰え、チケットが楽にとれるようになり、狭い会場でコンサートが開催されればそのときこそ行こう、そう心に決めていた。
しかしそのときには想像の範囲を超えていたことに、メンバーが次々と変化し、人気は衰えず、チケットは簡単にはとれず、そうしているうちにいつの間にか「私の中のモーニング娘。」がいなくなってしまった。私は今のモーニング娘。を愛しているが、それは*あの時*私がいつかコンサートを見に行くと心に決めたあのモーニング娘。ではない。
*その*モーニング娘。が帰ってきた。「私の中のモーニング娘。」、それは1期、2期だけで構成されたモーニング娘。である。後藤真希が加入する前のモーニング娘。。どこかはかなく、いつか記憶の中にのみその存在をとどめるであろうその結末がその目の前の存在の中に宿っているかのごとく感じられたモーニング娘。。
現実のモーニング娘。は私の予想を遙かに超えてたくましく今もなお現実として力強く現存しており、それゆえ「私の中のモーニング娘。」は成仏することなしに私の心の中をさまよっていた。
後藤真希のいないモーニング娘。の曲を後藤真希を含めたメンバーで歌う。しかし何の違和感もなかった。後藤真希はまるではじめからその場の中にいたかのごとく、曲の中にいた。後藤真希加入以前の最後のアルバム「セカンドモーニング」収録、初期モーニング娘。の声の重なりという長所を遺憾なく示した名曲「Night Of Tokyo City」、初期モーニング娘。のある種のナイーブさが表出した曲「パパに似ている彼」、そして初期娘。を打表するシングル曲「抱いてHold On Me!」、いずれも安倍なつみと後藤真希の声の掛け合いがあたかもオリジナルがそうであるかのごとくにはまっていた。
そして後藤真希加入後の代表曲「LOVE マシーン」、正直に言うと私は初めてこの曲が真に名曲であると感じた。本当のオリジナル、オリジナルを歌っていたメンバーがいなくなったメンバーだけで歌ったバージョン、その他いろいろなバージョンをメディアを通じて、そしてほんのわずかな機会に直接、聴いてきた。オリジナルが歌われていた頃は私は「それ以前」のモーニング娘。をこそ「本当」と信じる反動主義者だった。それ故この曲の力を認めてはいなかった。そしてそうこうしているうちに次第にメンバーが入れ替わり、全く別のメンバーによって歌われるこの曲は「過去の栄光」を表現する曲になってしまっていた。
しかし今回歌われたこの曲は、この曲本来の力を十分に発現したもののように感じられた。安倍なつみと後藤真希、この「相容れぬ」二つの存在がぶつかり合って、一つになるのではなく、さらに賑やかにバラエティ豊かになる。少しひどいことを書く。安倍なつみと後藤真希、この二人がいればモーニング娘。はできあがってしまうのではないか、そんな風にさえ思えた。
そしてこのコンサートを通じて、安倍なつみもモーニング娘。に帰っていた。
私が直接見たライブでのソロとしての安倍なつみではなかった。ライブDVDなどで私の記憶に残るモーニング娘。の安倍なつみであった。自分がこのグループを引っ張るのだ、その気負い、責任感に溢れ、りりしさを感じる安倍なつみである。ああ、これが多くの人が見ていた安倍なつみであったのだ、と改めて思う。自らの苦難を乗り越え、さらに中澤裕子の卒業を見送ったあと、毅然と「復活」してみせたその安倍なつみを見た。
反対に後藤真希はすっかり「妹」モードであった。これほどかわいらしい後藤真希を見る機会もあまりない。こうしたメンバーの組み合わせによって様々に表情を変える娘。たち、この疑似家族の成長を見守る楽しみの大きな部分を占めるところである。
飯田圭織はさしずめ嫁いでいく長女といったところか。かつてはわがままで頼りなかった次女がもう家を仕切れるようになった、それをかつてそのわがままぶりに腹を立てたことの思い出とともにいまほほえましい思いでゆったりと見守る。
「現役」娘。の一人、新垣里沙は自分もしっかりしたところを見せなければ、と少し気負い気味。必死で一人前なところを「姉」たちに見せようと張り切る。その頑張りぶりがかわいらしい。張り切るあまり背伸びしてソロで歌った曲が福田明日香卒業時に作られ、保田圭が卒業時にカバーした「Never Forget」。見守る方の立場なのだから、この選曲は少しずれている気も。それよりも同じセカンドモーニング収録の安倍なつみのソロ曲「せんこう花火」を歌ってくれた方が、私は泣けた。
もう一人の現役娘。久住小春、状況を何も分かっていない幼い末っ子。ひたすらきゃぴきゃぴとはしゃぐ。そのはしゃぎぶりが、逆にある種のしんみりした感情をかき立てる。
飯田圭織と新垣里沙がデュオで歌った曲が「ラストキッス」。飯田圭織が属していたユニット「タンポポ」のファーストシングル。タンポポはその後メンバーを入れ替え、ついには「オリジナルメンバー」飯田圭織を外した形で、かわりに新垣里沙が入る。二人は同じ「タンポポ」のメンバーでありながら、同じ場所にいたことはない。そして「外された」形の飯田さんはかわりに入ったメンバーを「逆恨み」したという。
その二人が歌う名曲「ラストキッス」。もとよりこの二人の人間としての関係においては遠に何のわだかまりもないのだが、しかし改めて二人でこの曲を歌う意味、それは過去の不幸なすれ違いを形式の次元においても払拭する、その儀式のように思えた。
そしてこのモーニング娘。誕生十年記念隊本来の最新シングル「愛しき悪友へ」、過去のわだかまりを解消し、成長した今の姿を「綺麗になったね」とうたうこの曲が、「長女」を送る家族の応援歌として、ひいては「私の中のモーニング娘。」の華々しい解散ソングのように聞こえた。
2007年08月14日
■ ディナーショー感想IV
全体のまとめ。
出演メンバーを見たとき危惧したごとく、二期ファンにとっても高橋愛ファンにとってもやや微妙なショーではあった。二期ファンなら二期二人のデュオを見たかったし、高橋愛ファンにとってはソロ曲が一曲では物足りない。トークも二期ファンからすれば高橋さんのしゃべりはつまらなかっただろうし、高橋さんファンにとっては愛ちゃんのぐだぐだぶりが足りない。
どちらの立場からしても不完全燃焼気味なのだが、結果として腹八分目、悪くはない。
■ ディナーショー感想III
最後に高橋愛についての感想。
愛ちゃんは愛ちゃんでした。以上。
でもいいような感じだが、備忘録代わりにもう少し。
別段珍しいことではないけれど、緊張しているというのが伝わってくる。
別段珍しいことではないけれど、噛みまくる。
別段珍しいことではないけれど、ソロ曲(夢から醒めて)を歌うとき、立ち上がりがやや悪く、声の伸びがない。
だいたいいつものことだけれど、途中から声が伸びてきた。
別段意外なことではないけれど、矢口さんとは少し距離感。
そういつものことではないのだけれど、今日の髪型はよく似合っていた。
安倍さん、保田さん、矢口さんと比較すると「芸能人」らしさはかなり少なめ。歌が上手くて、きれいで、気が小さくて、謙虚なお姉さん、という感じ。
まとめると愛ちゃんは愛ちゃんでした。
■ ディナーショー感想II
割とどうでも良い料理の感想。
メニュー。フォアグラのムース仕立て、スズキの焼き物、牛フィレ肉ステーキ、マンゴープリン。
一気に500人分の食事を用意した、と思えば上出来。私の金銭感覚でいえば、アルコール代別で 7500円程度。アルコールは飲み放題だが、今回は控えてワイン三杯だったので、食事代総額一万円程度か。となるとショー代は一万五千円。ちょっと高め。
座席はかなり後ろ。センターステージはまずまず近くで見られたぐらい。三人が客席を歩く機会があったが、私のすぐそばを通ったのは保田さん、高橋さんを目で追っていたら、保田さんがすぐそばをすっと通りすぎて、少し焦ってしまった。その気があれば握手ぐらいはしてもらえそうだったぐらい。もっともそういう場面で私は絶対手が出ない。ので後悔はしていない。
■ ディナーショー感想I
ハロプロミックスディナーショー、保田圭、矢口真里、高橋愛出演分に参加。
全体の感想。非常に楽しかった。時間がとても短く感じた。
と書くと非常にありきたりだが、去年二度参加した安倍なつみのディナーショーの感想とはかなり違う。安倍さんの時の感想を短く書くと、「非常に幸せだった。空間がキラキラ輝いていた」という感じ。この違い。
とりあえず今日の感想を続けると、保田さん、矢口さんのしゃべりはとても達者で落ちもあって、おもしろい。たぶんそれほどハロプロファンでなくても、それなりに楽しめると思う。普通に笑える。安倍さんのしゃべりは落ちがなくて笑っちゃえるけれど、一般受けするのはこちらの方だろう。
とりあえず保田さん、矢口さんの「二期」メンバー分の感想を続ける。二人とも歌うまい。正直矢口さんの歌は最近ずっと微妙だな、と思っていた。といってもほとんど見ておらず、「歌ドキ」という番組で歌っていたのを見ただけ。そのときの印象でそう思っていた。でも今日は良かった。森高千里の「渡瀬橋」を歌ったのだが、声の伸び、感情の込め方、申し分なし。保田さんに関しては、ソロで歌ったのが、ファンクラブ向けに出したソロ曲ということで私の知らない曲だったのだが、きちんと歌として楽しめた。一般的に知らない歌を歌われると辛いことがあるのだが、今日は全くそんなことはなかった。
以上、しゃべり、歌ともとても充実した75分だった。特に矢口さんについてはいろいろ「不幸なすれ違い」があって、私にとって微妙な状態が続いていたが、これだけのパフォーマンスを見せられればなにをか言わんや。元々私にとって矢口さんのことは絶対的に肯定しなければならないもの、それを支える記憶が頑としてあって、それが一気に呼び覚まされた感じだ。
安倍さんとの比較に戻ると、保田さん、矢口さんがdo 表現者であるのに対して、安倍さんはis 表現者。どちらがいいとかそういうのではなく。そして今更ながらに思う。ああ、初期モーニング娘。はいいバランスのグループだったな、と。ということで、金曜日の、初期モーニング娘。を彷彿させるモーニング娘。誕生十年記念隊コンサートへと思いを馳せる。
2007年08月13日
■ ディナーショーより帰宅
とりあえず一言。
私の中の矢口真里が復活した。
■ 購入記録
購入記録。購入日は忘れるぐらい前、たぶん一週間前ぐらい。
モーニング娘。10年記念隊シングルCD「愛しき悪友(とも)へ」。正直最初聞いたときは「つまらない曲」と思いました。ずっと封も開けずに積んでました。東京中野であった10年記念隊コンサートのレポートを読んで、この曲も聴いておかなくてはと思い、封を開けました。いい曲でした。
安倍なつみさんが飯田圭織さんに対して歌う歌、ですな。それ以上でもそれ以下でもない。そのあたりの状況に思い入れがないとたんにつまらない曲でしかないかもしれない。
モーニング娘。シングルPV「女に幸あれ」。特に感想は無し。
■ 欠番
月曜日は二期、五期、金曜日は一期、三期、五期、七期を堪能する贅沢な一週間。
四期、六期がない。