重層的非決定?

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2009年06月21日

■ やっぱり盛り上がるのがすき!

体調がよろしくない。インフルエンザに感染して、大勢の人が集まるところに行けばウィルステロ状態になる、とかそういうことではなくて、ただひたすら眠い。

そんな状態で「癒し」を売りにする歌手のコンサートに行けばどうなるか、考えるだに恐ろしい。高額な安眠スポット。いやいや、それはまずい。というわけで、眠気と戦いながら行ってきました、なっちこと安倍なつみSummer Live Tour2009「やっぱりスニーカーがすき!」、大阪公演。

会場は大阪御堂筋にある御堂会館。一昨年の安倍なつみ新曲発売イベントで用いられた会場。大阪厚生年金会館ともより駅は同じだが、駅からはこちらの方がかなり近くて便利。ただし仏教系の施設なので、「アイドル歌手」のコンサート会場としてはちょっとそぐわない雰囲気。

会場ではいろいろイベントが行われているようで、中には「九条の会」のイベントも。一昔前だったらこっちに行っていたりしたかなあ、とかちょっと思ったりも。

とりあえずグッズ販売。娘。コンと違ってそれほど並ばずとも買える。ただ閑散としている感じではなくて、ひっきりなしに購入者がいる感じ。私はDVDマガジン、ビジュアルブック、そして「スニーカーストラップ」を購入。占めて6400円也。一回ライブに行ける額じゃないか。ストラップは安倍さんが自分も携帯に付けている、と明言したもの。昨年のはにわっちストラップでは見事に裏切られたので、「おそろい」に向けて再チャレンジ。

座席はいつものファミリー席。段差が結構あって、そこそこ見やすい。隣にはちょっと年齢高めのご婦人二人連れ。会場全体に女性客が(なっちコンにしては)目に付く。親子連れもぱらぱらと。

隣のご婦人、ライブ開始時、客が一斉に起立するのに戸惑い「え、立たなければいけないの?」とひそひそ話、でもファミリー席なので前と隣の客は着席したままなのを確認して、安心したご様子。安倍さんの「三文オペラ見に来た人」という問いかけにおずおずと手を挙げていたので、もしかするとそのつながりで来られたのかも知れない。おそらく初めてのなっちコン、どう感じられたのだろうか。

そういう「アウェー」な人が近くにいると、こちらも自然とそういう目線でライブを見てしまう。そうすると自然に採点が辛くなる。

あともう一歩なんだよな。かなりいい。誰に見せても恥ずかしくない、とは言える。でも「いい!」と思わせるにはやはり弱い。安倍さんの発声はかなり安定しているし、歌詞もほとんどの曲が鮮明に聞き取れるし、気持ちも入っているし、舞台を見てライブにもきてみた、という人をがっかりさせるような出来ではない。MCもぐだぐだだけれども、ハートフルな感じはきっと伝わると思う。でも何か足りない。これぞ安倍なつみの歌だ!というだけの強力なインパクトを感じさせる部分が弱い。三文オペラでのソロ楽曲「海賊ジェニー」の時のようなものをもっと出していければ、その「何か」が補われるようにも思うのだが。三文オペラは安倍なつみは「かなりのチャレンジ」だったと言っているが、しかし安倍なつみの中にもともとああいう要素はあったはず。実際多くの安倍なつみファンは、言われるほどあの舞台の安倍なつみに断絶感を感じてはいなかったように思う。そのもともと安倍なつみが持っているものを引き出し、そこから十全なるインパクトを引き出した宮本亜門はやはりさすがというべきかも知れない。

ライブの構成としては、よく言えば中庸、もっとよく言えば、これまでの集大成、悪く言えば中途半端。

前半はヴァイオリンを生かしたアコースティックな編成。後半は同期音源を多用して、かつてのなっちコンのノリを再現。

それはそれで各々意図はよく理解できたし、さらに地方でのライブハウス会場でのライブを想像すると、前半は着席で、後半はスタンディングで、というふうに客席を誘導すれば、さらに意図は鮮明になる。少ないバンド編成で「二度おいしい」を狙ったのだとすればこれしかない。

ただ私は春の「微風」ツアー以上にまったりと「聞かせる」ライブを期待したのだ。ドラム、サックスの代わりにヴァイオリンというバンド編成を聞いたとき、私はそのヴァイオリンをフィーチャリングしたセットリストを期待した。それからするとやや当てがはずれたところもある。

もう一点、セットリストに入っているカバー曲「森へ帰ろう」(山本コウタロー&ウイークエンド)。選曲の意図が伝わらない。正直言っていくら何でも「誰か」の好みを押しつけすぎだろう、と。安倍さんが知っている曲では絶対ないし、というか私も知らない曲だし、いくらフォーク世代の心を安倍なつみに歌わせたいと思っている人がいるにしても、もう少し歌わせる曲は考えて欲しい。知られてもいないし、選曲の意図が言葉でも説明されないし、曲自体にも強烈なインパクトもないし、安倍なつみの表現にとってチャレンジングなところも一切ない曲をあえて選曲する意図が全くわからない。さらにいえばこういう歌詞にメッセージを込めたような曲の歌詞はカンペを見て歌っては駄目。舞台の台詞を覚えられるのなら、この一曲の歌詞ぐらいは安倍さんも覚えなくては駄目だと思う。カンペを見ながらおずおずと歌うものだから、ますますこの曲をなんで歌っているのかが全く私には伝わってこなかった。

いろいろ不満もあるけれども、一曲目に「微風」、中盤に「小説の中の二人」そしてラストに「空 Life Goes On」という私の思う安倍なつみの曲ベスト5に入る曲が要所要所に入ってきて、全体としては良かった。ヴァイオリンも全体にいい感じに絡んできて、よかった。ただ一曲、徹底的にヴァイオリンをフィーチャリングした「泣かせる」アレンジの曲があればもっと良かったのだけれども。

かつてのいつものなっちコンを再現したことが功を奏したか、会場の盛り上がりはかなりのもの。特に夜公演ではあまりの盛り上がりぶりに安倍さん感激して涙声になる場面も。安倍さんも、客も、「盛り上がる」のが好きで、それがいいライブだというのなら、それはそれでありなのだと思う。

投稿者 althusser : 2009年06月21日 15:21

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