重層的非決定?

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2009年02月02日

■ そして卒業

私は泣いたことがない、卒業式では。

卒業式の日に泣いたことはある。中学の卒業式後のホームルーム。私のクラスには不登校の生徒がいた。担任はあれこれ手を尽くしていたようだ。せめて卒業式だけでも、そういう想いもあったのかもしれない。しかしその生徒は結局現れることはなかった。そして担任(男)は泣いた。それにつられて私も涙が出た。その担任は私の学校生活の中で一番好きだった「先生」だと思う。

小学校の時は訳のわからない小芝居をやらされてうっとうしかっただけだし、高校の時は「セレモニー卒業式粉砕」みたいな言辞を弄する糞ガキになっていたし、大学の時は卒業式の時間は学部校舎前で同級生と酒盛りをしていた。大学院の時は式の存在自体ほぼ覚えてさえいなくて、研究室で無駄話をしていた。それが私の卒業式。

今回、「式」で初めて涙が出た。今日の式こそ唾棄すべき「セレモニー卒業式」の典型だったのに。しょうもない「アワード」形式。未だに意味・意義不明なエルダ・ワンダ分割。事務所のよくわからない思惑を飾り立てるためだけの「卒業式」。半ばそう思っていた。

それでも事務所の思惑にまんまと乗せられて、本来だったら行かないワンダ・エルダ合同コンサートなんかに横浜くんだりまで出かける羽目になった。

でも泣けた。来て良かったと思った。4万円近い出費だけれども、本当に来て良かったと思った。

座席はバックステージファミリー席なる種別で売られていたもの。本来なら発売しない席を、卒業という名の下に売り出し、それが売れてしまう。何だかなあ、と思いながら買ってしまった。

買えた席は幸か不幸か昼公演でのふつうのファミリー席のすぐ近く。下手側真横からステージを見る席。せめて座席場所が逆サイドになるだけでもうれしかったのに(私のいた側は高橋愛がほとんど来ない側だった。不幸だ)。昼夜ほとんど同じ席に座ってみる羽目になる。

でもバックステージファミリー席としては結構お得だったのだと思う。ひどい席は本当にまともにステージが見えそうもない感じだった。本当に「その場にいられるだけで幸せだと思え」と言わんばかりの。

夜公演、それは私にとってはほとんど娘。OGと現メンバーとの分割式だった。さくら組の安倍なつみと高橋愛、この二人が今後共演する機会のあるやなしや、「好きな先輩」を歌った五期そろい踏みの機会はいかに。

「ここにいるぜぇ!」。曲の最後、ばらけたメンバーが集まってくる。しかし中心に空間が。最後の最後にそこに飛び込んでくるのが安倍なつみ。現メンバージョンではそういう構成にはなっていない(気がする)。久々に飛び込むなっちを見た。

「LOVEマシーン」。定番だけれども、やはり今日は必要。オリジナル、現メンバージョン、それぞれの良さがあり(それでもさすがにこの曲はオリジナル優位だけれども)、今日のはそれが融合していた。

泣けたのは月並みだけれども、オリジナルメンバーによる「モーニングコーヒー」。安倍なつみの顔がスクリーンに大写しになったときになぜか涙が出た。あとは10年前の自分に贈る言葉を述べたとき。「あなたが選んだ歌うという道は間違っていないよ、あと食べ過ぎないでね」。

そして卒業セレモニー。例によって高橋愛がぐだぐだの送辞。「またエルダーメンバーとハロプロメンバーで合同コンサートとかやると思うんですけど」とかなんとか。いや、今日それを言っちゃおしまいだよ。「3Sをスローガンに頑張っていく。Sing、Show、そしてSmile」。そしてとびっきりの笑顔。最後に中澤裕子と高橋愛の抱擁。見るべきものは見た、と思った。

投稿者 althusser : 2009年02月02日 02:18

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