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2008年01月08日
■ 境界
ハロプロ楽曲大賞の「推しメン部門」の結果を分析するよ、シリーズ。
モーニング娘。威信失墜の「戦犯」として現モーニング娘。のふがいなさを論う論調がネットで散見される。しかしほとんどメンバーが共通している2006年時のモーニング娘。はまだまだ十分に評価されていたはずだし、それが一転の今の評価、少し性急すぎるのではないか、というのが前エントリーの趣旨。確かに2007年のモーニング娘。はネット世論上苦戦した。それは本データにも表れている。そうであればこそ、「ふがいない」で片付けるのではなく、現娘。の持つポテンシャルの高さを思い起こし、もう一押し支えてみてはいかがだろう。今ネット世論を中心に「モーニング娘。はもう駄目だ」という雰囲気が醸し出されているがそれに関して、現娘。に主たる問題があるというわけではないのではないか。卒業メンバーも合わせたモーニング娘。関連メンバー全体の支持の低下がそうした雰囲気を作り出しているのだ。
もう少しモーニング娘。威信失墜についてみてみる。先にモーニング娘。在籍メンバーではなく、主として卒業メンバーへの支持低下がモーニング娘。の威信低下には大きい影響を及ぼしているのではないかと指摘した。それを少し掘り下げてみる。
上のグラフはモーニング娘。に2004年段階で在籍していたか、OGとしてハロプロに残っていたメンバー18人(久住小春、光井愛佳、ジュンジュン、リンリンは含まない)を3つのグループに分け、各々のグループの支持率の推移を示したものである。一目、「a 」群に属するグループの支持離れがモーニング娘。全体(現役OG連合)の支持離れを招いていることが見て取れる。
「c」群は既に見たように2004年から2007年12月段階までずっとモーニング娘。に在籍している「継続在籍メンバー」(高橋愛、新垣里沙、亀井絵里、道重さゆみ、田中れいな)である。そして「a」、「b」は各々OGメンバーの集合である。「a」群のメンバーは2004年段階では全ハロプロ支持の半数近く(46.6%)の支持を集めていたが、その後リニアに支持を減らし、2007年12月期には17.6%にまで支持を下げている。この支持低下分は大凡ベリキューの支持増加分に相当している。一方「b」群のメンバーはグループ全体としては2004年段階の支持を守っている。
結果的にベリキューに支持を流すことになった(ファンが直接その群のメンバーからベリキューに応援対象を変えたとは限らない。たとえばハロプロファン自体を辞め、相対的にベリキューの支持率を押し上げることもあるだろう)「a」群とはどのようなメンバーなのだろうか。
種明かしをすると、「a」群と「b」群の分割はきわめて恣意的、操作的に行っている。2004年から2007年までの支持の減少率が50%を超えたメンバー8名を「a」群とし、残り5名を「b」群とおいただけである。つまり「a」群だけが支持を大幅に減らしているというのは当たり前なのだ。
ところがこうして操作的に作られた「a」群と「b」群の境界が結構明確なのだ。「モーニング娘。を「卒業」し、2004年から2007年12月までハロプロに在籍し続け、2008年1月のハロプロ合同コンサートに出演するメンバー」、すなわち事務所の引いた路線をそれなりにつつがなく歩んでいるメンバーが「b」群のメンバーであり、そうではないメンバー、すなわちモーニング娘。を「脱退」したか、ハロプロを「卒業」したか、妊娠・結婚、その他の理由でハロプロ合同コンサートを欠席しているメンバーが「a」群のメンバーである。
具体的に整理しよう。
- 「a」群・・・飯田圭織、矢口真里、後藤真希、辻希美、加護亜依、小川麻琴、紺野あさ美、藤本美貴
- 「b」群・・・中澤裕子、安倍なつみ、保田圭、石川梨華、吉澤ひとみ
※紺野あさ美だけは少しこじつけっぽくはなるが、彼女もハロプロをいったん「卒業」はしている。
支持離れが起きた理由は簡単ではない。確かに「事」が起こって支持を下げたメンバーもいる。しかし「事」が起こる前に大きく支持を減らしているメンバーもいる。したがってたとえば「ハロプロファンはスキャンダルに対して狭量である」と結論づけるのは早計であろう。ただ少なくともハロプロという集団のメイン活動であるとされる歌手活動(CDリリースというよりはライブへの出演)に対して負の要素があると支持を維持するのは難しいとはいえるかもしれない。
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