重層的非決定?

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2007年01月13日

■ 女神たちの祭典

エルダーコン、やばい。

この1行ですべて言い尽くせている気がする。帰り道、「やばい、やばい」と普段使わない「やばい」という言葉が頭の中を反復した。ハロプロにまだこれだけの力が残っていたのだ。本体モーニング娘。のいない「エルダークラブ」には、しかし、底知れぬ力が残っていた。そんなことはテレビ東京の「歌ドキ」を見ていて分かっていたつもりだったのに。

一曲一曲の凝集感が素晴らしい。すべての曲に歌い手、そしてそれを配置した演出サイドの意図が読み取れる。すべてが真剣勝負。去年のエルダークラブコンサートと比較して、各ユニット・メンバーが自分のオリジナル曲を歌うのが中心というある意味平凡な演出。しかしそれもこれも、久々に新曲を出したカントリー娘。が今のメンバーで歌う最後のライブ、今年のこのコンサートでしか成立しない、この必然。一瞬の最高の輝きを魅せるはかなくも神々しいまでのライブであった。

後浦なつみの三人が各々の個性を出して競い合う。踊りを中心としたパフォーマンスで魅せる後藤真希、「歌手」を最大限にアピールする松浦亜弥、そして性格の異なる三曲を器用に歌い分けながら、しっかり「アイドル」として場をまとめ上げる安倍なつみ。三人各々が有無を言わせぬ説得力を持ったステージを作り上げた。

それに負けじと挑みかかるのがメロン記念日。見事に一瞬でステージ全体を制する。昨年の新曲「お願い魅惑のターゲット」、メロン記念日の曲としては平均的な曲だと思っていたが、こうして生で見ると、なるほど、この曲には確かに神が宿っていた。「キスはしたくないんじゃない、解って〜」、このフレーズが頭の中を駆けめぐる。

演歌で文句があるかとばかりに前田有紀が魅せ、中澤裕子も「長老」としての迫力を見せつける。飯田圭織は悠々とおおらかな時の流れを作り出す。

もうすぐみうな、あさみが卒業し、グループとしては実質「解散」となるカントリー娘。は久々の助っ人のいない単独で歌う新曲「革命チックKISS」を歌う。この曲の底抜けに明るい曲調が、「最後」の哀しみを逆説的にかき立てる。「最後」を記念しての、事務所サイドからのいわば「ラストプレゼント」、粋な計らい。年齢的に「エルダークラブ」とハロプロ年少組の「ワンダフルハーツ」の間に来るユニット、しかしそれが「エルダークラブ」所属になったことが、エルダーコンしか見ない私にとってのプレゼント。あさみ、みうなの、私にとっての最後のステージ姿を目に焼き付ける。

モーニング娘。初期メンバーによる「未来の扉」、ついぞ行かなかった初期娘。コンサートを今ようやく見ることができた、そんな気がする。たった一曲だけなのに、初期娘。コンサートを堪能した気になれたりする。

松浦亜弥・稲葉貴子・大谷雅恵・柴田あゆみ、CD発売時のオリジナルメンバーで披露された「三角関係」。松浦亜弥、歌詞を間違える。途中で気づいたようだが、なかなか修正も効かず、1小節程度間違ったまま歌いきる。自分のパートを歌い終わって、後ろを向いているとき、天を仰いでいた。元々の振りがそうだったのかどうかは分からない。でもそうした姿がとても愛おしくてちょっとだけ抱きしめたくなった、もちろん妄想だよ、放っておいてくれ。

目で追いかけていたのは結局大谷雅恵。あの堂々たる脚、あれこそ日本女子の脚だ。ちょっと妙なリズムの踊り、あれこそハロプロの鏡だ。あの微妙な、でも嘘のない笑顔、あれこそ日本男子の心のオアシスだ。

投稿者 althusser : 2007年01月13日 22:12

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