2005年06月07日
■ ライブ批評
後浦なつみコンなどを踏まえて、なっちこと安倍なつみのパフォーマンスがほかの二人と比べてどうなのよ、というのが話題になったりしているようだ。
私は現場には行っていないので、それ自体について何も論評は出来ないのだが、しかしテレビなどで見る限り、というエクスキューズをつけて思うこと。
前にも書いた気がするが、もし仮に3人のパフォーマンスを各要素に分解し、各々を評価する、という評価手法をとったら、多分安倍さんの評価は低くなるのではないか、という気はしないでもない。音域は狭いだろうし、声量はどうなのだろう。踊りはダイナミックさという点ではいささか頼りないかもしれない。
でも、一応ジャンルとしては「芸術」に属する評価に、そんな科学主義・機能主義的な評価方法というのが、そもそも正しいのか、ということだ。一般論として「芸術」への評価というのはそうした機能の分解に還元されざるもの、「アウラ(オーラ)」と呼ぶしかないものを含みこんでなされるべきものに他ならない。もちろんそれは言語化困難な代物だ。しかし、だからこそ、芸術批評というのが意味を持つのだ。
言語化困難なものを言語化していくこと。たとえば安倍さんの醸し出す「空気」を言語化して伝えること。それが「批評」のなすべき仕事なのだ。
投稿者 althusser : 2005年06月07日 00:00
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