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2005年02月20日
■ あいつ、ぱくってるよ
身近で立て続けに剽窃(盗作)問題に出くわす。
ひとつは非常勤先のレポート。外国書購読のレポートで英字新聞か何かの引き写しと思われるものがあった。題名が英語として間違っているのに、本文は見事な英語。こんなのは私にだって書けねぇや、と読んでいてあきれていた。元ねたはおそらく朝日の英字新聞のコラムあたりだろうと推測をつけるが、割と一般的な内容のものだったので、いつごろのものかまで推測するのが難しい。学生を呼んで、その文を訳させればたちどころに白状させられるのは確実だが、面倒なので黙って60点合格にする。ああ、手抜き。一応、出席点だけで60点、提出物は採点の対象外、という扱い。仮に剽窃でなかったとしてもレポートの課題からは大きく意図をたがえていたので、どの道大差はない。99.9%剽窃なのはわかっているが、言ってしまえばたかが非常勤のために、英字新聞を一から捜しまくるだけの手間はかけられない。学生はうまく逃げおおせたと思っただろうか。己の手抜きにやや自責の念に駆られつつ、60点合格(ぎりぎり)の意味を少しでも感じ取ってくれたら、と願って見せるのは卑怯者の振る舞いか。
某大手IT教育組織の元インストラクターから、一般市民向けのインストラクター養成講習用の企画を持ち込まれ、受講者への配布資料なるものを渡される。用語の使い方に妙な個性があり、また文章が妙に整っている。かと思えば、日本語として明らかにおかしな表現が目立つ部分もあり、かなり奇妙な印象を持つ。これは怪しい、と隣にいた「同僚」と話していると、その同僚が手元にあった本を見て、「これだ」と叫んだ。市販のテキスト。なるほど見事な引き写し、その劣化コピーだった。
「著作権」とかそういう問題ではないんだよな。要は誇りの問題なのだと思う。誰かの権利を侵害しているなどという以前に、そんなことをしてむなしくはないか、と。その意味では学生の行為は、とりあえず私は理解は出来る。単位を取れればそれでよいのであって、それ以上に意味など求めてはいない。そのレポートに、それ以上の意味を持たせることが出来なかった教師の負けだ、というしかない。
一方、講習企画の件はあきれるほかない。講師をやりたい、と企画を持ち込んできて、それが市販テキストの劣化コピーですか。何か自ら伝えたいことがあって、わざわざ企画から持ち込んだのではないのですか。
もろもろの事情で、その企画を握りつぶすわけにも行かず、とりあえず企画料・講師料こみでこれこれ、と提示した金額は実質講師料分のみの額。それで文句を言ってきたらけんかしてやろうとつめを研ぐが、何も言わずそれでいい、といってきた。何だ、うまくだまして金額の上乗せがあればラッキー、ぐらいの考えだったのか。「誇り」なんて高尚な精神を持ち合わせていない輩とは喧嘩も出来ない。
結局、二件の剽窃、いずれも明示的にはとがめだてせず、スルーした。安倍なつみおよび事務所、出版社を云々言う資格は私にはやはりないようだ。
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