« あいつ、ぱくってるよ | メイン | 室蘭姉妹 »
2005年02月20日
■ 新たなバッシングネタ
あびる優なるタレントがバッシングに会っているようだ。日本テレビの深夜放送で集団窃盗をした過去がある、と告白。そんなの犯罪じゃないか(そりゃそうだ)というわけで、2chではいつものお「祭り」騒ぎ。
そのあびる優、安倍なつみの件のときに「優だったら恥ずかしくて出てこられないと思う。あいつ、ぱくってるよ、みたいな」とか何とか言ったとかで、安倍ヲタからはうらまれていることになっているらしい。それでそのバッシングに安倍ヲタが加担しているとかいないとか。
ほかの安倍ヲタのことは知らないが、私はあびる優の件の発言自体には恨みがましい思いはまったくない。むしろ逆だ。ほかの「アンチ」やら「にわか評論家」やら大手メディアに登場するご意見番とか専門家とか称する連中のほとんどが「著作権」を掲げて法律論で問題を斬った。中には法律の条文を掲げて、最高懲役何年などとテロップを流した番組もある。その手の、問題の本質を見ようともせずに、ただ面白がって「罪人」を作りたいだけの安っぽい輩を私は決して許さない(と誓ったつもりだが、どの番組がどんなことを言ったか、忘れてしまったのでその決意はもはや意味を持たない)。そのなかで数少ない正論の一つがあびるの発言なのだ。
安倍なつみの行為は最高懲役何年だとか、だれそれの権利を侵害しただとか、そういうフェーズで語るべき問題ではない。ただ一人の、安倍なつみとの比較において相対的に知名度の低い原作者を除き、小室哲哉やYUKIやaikoや、そういった安倍なつみよりも実績も知名度も上の人たちのどれだけの権利が侵害されたというのか。単にかれらに憧れ、その言葉を使ってみただけの行為に、法律だ何だのを振りかざして見せて、いったい何の意味があるのか。
そうではなくて、件の問題はまさにあびるが言ったとおり、安倍なつみの側の誇りにこそかかわるべき問題だったのだ。安倍なつみの行為は「悪いこと」である以前に「恥ずかしい」ことなのであって、邪悪なことではなくて、未熟なことであったのだ。だからまた必要なのは世間に向けての謝罪などではなく、己自身に向けての内省であったのだ。
あびるのバッシングの件に関しては、ここでことさらに触れるような関心事ではない。安倍なつみの件の出版サイドに対する「呆れ」と同じ意味の感想を日本テレビに対して持つのと、芸能人が過去の悪事を時に英雄気取りで語る悪しき風潮に歯止めがかかればよいな、という思いを持つぐらいだ。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: