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2009年12月31日
■ ハロプロ大賞2009 舞台
- 三文オペラ 大阪厚生年金会館芸術ホール 5/5
- 三文オペラ 大阪厚生年金会館芸術ホール 5/9
黒田 え〜と、なんですか、これは?
長 しゃーないじゃん。舞台関係は殆ど関東圏でしかやってないんだから、こんなものでしょ?まあ、石川梨華が出演していた「オペラ・ド・マランドロ」は見られればよかったんだけど。
白井 あれは安倍さんが出ていた「三文オペラ」の姉妹版だから、両方を見ておけばまたいろいろ広がるものもあったんだけどねえ。
長 どちらも劇中劇をモチーフにした作りだが、ブレヒトの「三文オペラ」の方がそれをラディカルに突き詰めているんだよな。
黒田 ほお?
長 どちらもブルジョワオペラの予定調和な世界の作り方を皮肉っているのは同じ、これが基本にある。
白井 で?
長 「オペラ・ド・マランドロ」のほうは「劇中劇」・「劇(劇中劇を見る、演じる人たち)」・「観客」の三層構成になっていて、ブルジョワオペラを「模倣」する「ならず者」の姿(「劇」の世界)を通じて「観客」はその皮肉を受取る。そこではブルジョワオペラの滑稽さは観察対象として*ある*。
黒田 はあ。
長 ブレヒト劇の方は「劇中劇」・「観客」の二層構成にしてしまった。間の「劇」をすっ飛ばしてしまう。それにより「観客」の「劇中劇」の世界への関与をより強固なものにした。観客自身がブルジョワオペラ的滑稽さの「当事者」として名指しされるわけだ。話の辻褄としては、「劇」が「劇中劇」を反転させるというストーリーのほうが綺麗に「落ち」て、全体としてなめらかに流れるけれども、ブレヒトはあえてその滑らかさを断ち切り、強引で不条理なストーリーに仕立て上げた、と。だから多分「オペラ・ド・マランドロ」のほうを先に見てからブレヒトを見た方が、ブレヒトの意図は伝わりやすかったように思う。まあ「オペラ・ド・マランドロ」のほうを見ずに語っているので、説得力は0なんだけどね。
黒田 ただのエロオヤジのくせに語るねえ(笑)。
長 悪いが、なっちがらみでは俺はエロオヤジじゃないんで。愛ちゃん、愛ちゃん。
白井 愛ちゃん(涙)。
長 またこういうラディカルな結末をキティちゃんでさらにエキセントリックな演出をした宮本亜門はやっぱすごいと思ったね。そしてこういうちょっと人を食った作りの舞台に安倍さんの演技もしっかりあっていた。頭のネジが何本か抜けたヘラヘラしたキャラの中に潜む図太さ。歌もド迫力だった。安倍さんもやっぱすごいよ。
白井 そういえば安倍さん、ようやく来年の仕事として「リトルショップ・オブ・ホラーズ」が発表されたね。あまり何も出てこないからちょっと心配だったので安心した。関西公演もあるし、良かった、良かった。
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