« 肝心なのはショー | メイン | ロンドンハーツの道重さゆみ »
2009年08月30日
■ そして肝心なのは歌
歌、の前に衣装。基本的には二人ともディナーショーらしい、華やかなドレス(高橋愛 紫→黒、新垣里沙 黄→ピンク)なのだが、衣装替え後の高橋愛の衣装、これが黒の短めのスカートに赤いストッキング、黒くて小さい帽子、ちょっと小悪魔っぽい雰囲気。これが一風変わっていて、またあとのパフォーマンスにも効いていた。
歌。一言で言うと「もう何か違うね」、と。何とというと、例えば「アイドル」とか、そういうものと。だからといっていわゆる「歌姫」というのとも違うんだけれども。でも既存のアイドルの枠組みでモーニング娘。を語っている人とはまあもう話は合わないな、と。分かっていたことをあらためて再認。
新垣里沙と高橋愛。この二人は歌い手としての立ち位置はある意味対極。目の前にいるファンに向かって歌を歌うのが新垣里沙。ある意味歌い手の本質。一方高橋愛は、いろいろな言い方があるだろうけれども、ある意味では自分志向で歌いたい歌を歌うとも言えるし、さらに大仰に言えば神に向かって歌を歌う、とも言える。客志向の新垣里沙に対して、作品志向の高橋愛、とでも言えばよいだろうか。
「真夏の光線」。初期モーニング娘。夏の定番曲。キラキラ輝くような美しい日本の夏、という雰囲気の曲。新垣さんがメインパート。元気があって、声も大きく、楽しい。ただハモリの高橋愛との声の大きさのバランスはいまいちだった。このあたりの呼吸はたとえば安倍なつみ・保田圭の方に一日の長があるかも。
「真夏の夜の夢」。上手い。こちらの方がハモリのバランスは良かった。
「三日月」。ここからは新垣里沙ソロ。藤本美貴バージョンを何回か聞いたのだけれども、ずいぶん見えてくる世界が違う。藤本さんの三日月は強い光の中にもどこかもろさを感じさせるのに対して、新垣さんに三日月は力強い。どっちの三日月がこの曲本来の世界観に近いのかは分からないけれど(オリジナルを知らないので)。
「声」。新垣さんが歌が上手いのも、この曲を歌いこなせるのも知っていたけれども、これほどにまで胸にしみるとは思っていなかった。元気なガキさんらしからぬしっとりとした歌い回し。軽く泣ける。
「サンキュ」。ファンへの感謝、という選曲。難しい歌なのだと思うけれど、何の違和感もない。十分に歌いこなせている。
「愛と太陽につつまれて」。再び高橋愛が合流。二人ともキラキラと輝いていて、とても可愛らしい。「歌姫」ではない。もちろん歌は安心して聞ける。
「The Rose」。ここからは高橋愛ソロ。東京でのセットリストを聞いて、ネットで調べて、どんな曲かを確認。とても有名な曲。私も歌詞はともかくメロディーは口ずさめるぐらい。私がネットで見たのは手嶌葵さんがカバーしているバージョン。訥々と切なく、上手い。これはハードルが上がってしまった、と思った。高橋愛の「The Rose」はとても澄んだ歌唱。手嶌さんを超えているとは思わなかったけれども、十分良かったと思う。
「Stuck」。ソロ3曲の中で、おそらく高橋愛が一番歌いたくて選んだ歌と思われる。どういう世界を表現したいのかが明確。これは衣装、踊りと全部込みで感じるべき曲。衣装替えをしたあとのちょっと小悪魔っぽい雰囲気が最高に生きる。さびのところでスカートをぎゅっと握る振りとそのときの表情がとてもエロティックで格好いい。新垣さんの「声」が感情に訴えかける歌唱とするならば、こちらは脳天に訴えるパフォーマンス。なんというか、ぐっと来た。
「冷たい海」。高橋愛がオーディションで歌った曲。昨年の安倍なつみバースデーコンサートでやはりオーディション曲「Face」を歌ったのに匹敵するサービス選曲。オリジナルはちょっと思い出せないが(メロディーは聞き覚えがある)、高橋愛の澄んだ声が深く澄んだ海を想像させてくれる。このときにステージから降りて通路を練り歩く。ただでさえ近くで見られているのに、本当に間近を通る高橋愛の顔をつくづく見たり、後ろ姿の露出多めの背中を見ほれたり。耳よりも目に神経が行ってしまったのがちょっと残念かも知れず、それはそれで仕方がないとも思ったり。
新垣里沙が再び合流してのメドレー。「しょうがない夢追い人」→「シヤニムニパラダイス」→「サマーナイトタウン」。娘。の曲だが二人でもきちんとハモって不足感がない。最後の「サマーナイトタウン」は本家安倍なつみと保田圭バージョンをディナーショーで聞いているけれども、遜色なし。曲の雰囲気・世界観からして、今のモーニング娘。として歌っても十分いけるはず。
ラスト「歩いてる」。素朴な曲だけれども、この二人の締めくくり曲としては上々。とても楽しく前向きな気分でさようなら。
最後はバンドメンバーと手を繋いで万歳。高橋愛と新垣里沙、そしてモーニング娘。のことがますます好きになりました。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://macmini/cgi-bin/blog/althusser-tb.cgi/1110
コメント
お疲れさまでした。実は、私も大阪夜公演を見てました。どうしても見たかったんです。そして、今日もそれだけのショーを見せてもらいました。ちょっと無理して来て本当に良かったです。
食事はちょっと残念でしたが、それを補ってあまりある、二人でした。秋ツアーが楽しみになりましたね!
投稿者 電脳丸三郎太 : 2009年08月30日 23:47
大阪にまでこられたんですね(笑)。
私も品川にも行きたかったですが、ここは自重しました。
秋は安倍さんが予定がなさそうなので、娘。に専念という感じになりそうです。
その前に松浦さんのには行きますが。
投稿者 はたの : 2009年08月31日 22:54