重層的非決定?

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2009年05月05日

■ ブルジョワの世界からこんにちは

会場前の公園、なにやら得体の知れない粗野・野卑な集団がいる。何者だろう。

とりあえず当日券を求めて、芸術ホール入り口にはいる。既に当日券を求める人がちらほら。販売開始時間になるにつれて、徐々に人が増えてくる。どこかの界隈が女性比率の高さを競っているらしいが、こちらは圧倒的多数が女性。ちなみにその界隈は「若さ」も競っているらしいが、こちらは大して若くはない。公園前にいた集団の方がかなり若い。その分野卑。こちらは年齢を重ねているだけに、文化を享受するということ、そして教養というもののなんたるかを知っている。そもそも客層が若い、というのはそんなにすばらしいことなのか。ゴミならぬCDを会場前に捨てるような「若者」がそんなに褒めそやされる世界というのも奇妙なものだ。

ちなみに公園前にいた不思議な集団は、こちらの客がひそひそ話しているのを聞けば、どうもモーニング娘。とかいうアイドルグループのファンらしい。大ホールの方でそのアイドルグループのコンサートが行われているらしいのだ。モーニング娘。(笑)。アイドル(笑)。まあいかにもそういうのを追っかけているような集団だ。合点がいった。喫茶コーナーでへそを上にしてふんぞり返って座ったり、我が物顔であちこちに座り込んだり、アイドルを追っかける若者というのは人目というのはあまり気にしない人種らしい。

そういえばこちらの劇にもそのアイドルグループ出身者が出演していると知った。一幕終了後にこんな話し声が聞こえてきたのだ。「ポリー役の子、なかなかおもろいやん」。「ああ、あれ、安倍ちゃんやろ。ほら、モーニング娘。の」。ちょっと得難いブリッ子(死語)ぶりを見事に表現していて、たしかにアイドルそのものだった。アイドルをバカにしてはいけない、とちょっとだけ反省もした。

終演後、会場を出ると、人は少なくはなっていたが、未だ件の集団がゴロゴロたむろしていた。まだコンサートはやっているようなのに、喫茶コーナーとかを占拠して、大声ではしゃいでいた。そしてグッズ売り場には長い列。不思議な光景だった。

思えばこういう野卑な若者にこそ、真に前衛的な共産主義的精神をたたき込まなければならないはずだ。なのにチケット代金1万2千円は高すぎるだろう。とうていこの若者たちの手が出せる額ではあるまい。モーニング娘。とやらのコンサートなど二束三文の値段だろうから。真っ当な文化を享受できるのは一定の所得のあるもののみ。これこそ格差社会というものなのか。残酷なものだ。

えっ、モーニング娘。コンサートのチケット代金6800円!?。しかも昼夜連続して鑑賞するもの多数?。高度資本主義社会、現代日本。不思議な社会だ。

投稿者 althusser : 2009年05月05日 18:41

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