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2008年10月24日
■ 松浦亜弥STBライブ
うーん。やっぱり私はあやや一推しな人ではないな、と。
というわけで今更ながら松浦亜弥STBライブ10月20日初回公演感想文。
まずライブ全体の比較対象としてはなっちAngelicツアーではなくて、アコ美貴かなちケメディナーショーだろうか。会場規模とかバンド構成とか、まあいろいろな面で。
音響。ライブハウスよりは悪く、ホテルディナーショーよりはいい。当たり前か。
接客。悪くない。というよりいいのだけれど、ショー中にがちゃがちゃ氷の音がしたりするのはいかがなものか。ショー中は一切のサービス停止とする方がいいと思う。この点はホテルディナーショーの方がしっかりしている。レストラン側としては客に飲み物料理を出すのが仕事だろうけれど、ここに来ている客は飯を食べに来ているのではなくて、歌を聴きに来ているのだから。
私が注文したのはハンバーガープレートとハートランドビール。食事はなかなか出てこないという話も聞いていたが、思っていたよりもあっさり出てきた。結構手際はいい感じ。肝心のオリジナルカクテルはビールの後。甘ったるいカクテルをハンバーガーとともにというのはあまり趣味ではないので。そのカクテル、最初はあまりの甘さに舌が驚き、しばらくすると今度は全然味がしなくなった。きっときちんと混ぜるとおいしかったのでしょう。ライチベース。これだけのお食事代3130円也。まあ安くはない。
ショー中のどを潤すのに、せっかくだからこのカクテルを飲もうと思ったとかいって、ファンを喜ばせたが、スタッフから止められているとのこと。「酒癖があまりよろしくないので」。
肝心のショー。
とりあえずハロプロ「卒業」についての言及は一切なし。一方アルバムのリリース予定があるとのこと(来年の2月ぐらい?)。それなりにいろいろファンの中に動揺もある中で(といってもあややファンはさして動揺などしていないだろうが)具体的な予定を言明できたのは良かった。安倍さんも具体的なことを言えると良かったのだけれど、ラジオで話していた「来年に向けて新しいことが進んでいる」話は一切なかった。具体的に言えないまでも、同じことを反復するだけでも良かったと思うのだけれど。って、まさかその新しいことって先日アメリカに行った映画の応援隊に選ばれたとかそんな話じゃないよね?
セットリストを含め、「私のやりたいようにやります」。30曲ぐらい用意して、そこから適宜選んでいくとかそんな感じのよう。「リハーサルが3日ぐらいしかない中で、バンドメンバーも頑張ってくれました」。
バンドメンバーはたぶんあややコンの定番。ギターは菊池真義、パーカッションは福永雅夫、キーボード相沢公夫。そして今回は福永さんがコーラスとして参加。もともとコーラスをやる人だったのかと驚いたが、そうではなく、松浦さんが勝手に福永さんと声の相性がいい、と思い、無理から指名してやらせた、とのこと。これが結構良かった。
ということで、あややのやりたいことをやりたいようにやったライブ、「批判は受け付けません」、なんだけれど、ごめんなさい、結局あややが何をやりたかったのかがわかりませんでした。そこがデビューからずっと追っかけているなっちとの私の中の差だなあ。あややという人の流れが見えていないから、未来もすっと見えてこない。
ミュージカルで歌った竹内まりやの曲(「みんなひとり」)が入るのは当然として、その他、オーディションで歌った曲浜崎あゆみの「Far away」(カラオケで歌ったら100点で、まぐれかと思ってもう一回歌ったらまた100点だった、らしい)、ドリカムの「未来予想図II」(曲紹介の前に客に向けて「ドリカムといえば?」にたいして「ドリームズカムトゥルー」と答えた客がいて、「そんな風に答えられるとは思っても見ませんでした。そのまんまじゃないですか」)、サザンオールスターズの「YaYa」(「スタッフに男性の曲で私に会いそうな曲をリクエストして歌うことになった。私はさびだけは聞いたことがあった気がするのだけれど、皆さんはリアルにご存じ、ですよねぇ」)とカバー曲が4曲(カバーシングルをリリースした「渡瀬橋」を含めると5曲)。
後は昔からの定番曲(「100回のキス」これは良かった、「LOVE涙色」など)に比較的最近の曲(「blue bird」、そしてツアーではなぜか歌われず、でもファン投票では一位だったという「私の大好きな曲」dearest.これも聴けて良かった)とバランスの取れた配置。
ただそうであるだけに逆にこのある種スペシャルなライブで「何をやりたかったのか」が見えづらく感じた。 そして今回のライブのおそらく最大のサプライズ、それは件のアルバム収録予定のできたてのほやほや(5日前だとか)の新曲を二曲披露。ここが良ければ全く印象が違っていたのだけれど。
正直あまりぴんと来ませんでした。歌唱は出来たてのほやほやにしては悪くなかった。演奏も悪くない。曲も別に悪くはない。アルバム「ダブルレインボウ」収録曲の中の下ぐらいの出来。ふーん、こういう路線で行くのね、という感じ。
せっかくさあ、竹内まりやにえらく気に入られたり、チャゲさんと音楽番組の司会やって、曲も作ってくれそうな感じだったのに、なにも今この2曲の入ったアルバムわざわざ作らなくてもよくね?そこが根本的に納得がいかない。悪くはないのよ、本当に。でも少しもチャレンジングなところが見えてこない。いったいあややに何を歌わせたいのか、どういう歌い手にしていきたいのか、それが見えてこない。平々凡々な「悪いとは言えない」曲を歌わせて、それで満足ですか?それがアップフロントの実力ですか。
まあセットリストは毎回換えてくるっぽいので、今後にこうご期待、というところだけれども(わたしは今回が最初で最後だけれど)、今回に関していえば、未来も主張も見えてこなかったな、というところ。アコ美貴は好きずきはあれど、スタッフが藤本美貴に「昭和」の歌を歌わすならこれ、という主張は見えたし、なちケメディナーショーは娘。時代の曲を最大の盛り上がり所に持ってくることによって、なちケメの最大のパフォーマンスを客に見せようとしていた。そういう主張が今回は私には伝わってこなかった。
さらに上で書いたように会場の音響はライブハウス以下、チケット代は割高で、飲食費も含め、出費もよけいにかかる。ディナーショーよりはコストパフォーマンスはいいけれど、なんか中途半端な気がした。松浦亜弥ならふつうのホールツアーをやっても集客はできたはず。そこをわざわざSTBという場所を用いる積極的な意味が見えてこなかったのだ。
このスペシャルライブに入れる人は300人弱。それを6回公演。しかしどうも話を聞いていると、今後もリピートする人が多数いる感じ。そういう意味では内向きな「おまいつ」向けのライブだなという感じでした。
時間は90分程度。この手のライブにしては長かったかな。結構MCが多かった。このあたりは松浦亜弥の楽しんでいる様子が伝わってきた。しゃべりすぎたためか、予定だった曲を一曲割愛したらしい。一曲割愛は残念だけれど(というより何を割愛したのだ?)、まああややが楽しそうにおしゃべりしてくれたからいいや。
帰りは夜行バスに乗るため、東京駅まで。
急いでも仕方がないので、食事の会計はゆっくり済ませて、のらりくらりと地下鉄六本木駅へ向かう。
駅で果て、と迷う。いったい私は何線に乗ればいいのだ?
「地下鉄は複雑すぎるわ。迷ったり、乗り継ぎでミスしたり」を地でいく。
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