重層的非決定?

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2008年08月25日

■ アコ美貴岡山

前後するけれど、アコ美貴岡山昼公演。

最初に、やらなくてもいい、なちケメディナーショーとの比較。

音。これはもうどうしようもない。ライブハウスとホテルの大広間では音響が違いすぎる。アコ美貴の濃密な音を聞いた後に、なちケメディナーショーの最初の演奏を聴いたとき、ちょっとびっくりした。音がバラバラに散らばっている感じがする。こればかりはいかんともしがたい。

逆に言うとアコ美貴は本当に凄く贅沢な空間だったということ。狭いライブハウスで、まったり座って、小規模編成ながらクオリティの高いバンドの演奏付きで藤本美貴の歌を聴ける。結局本ツアー全3会場6回公演のうち全3会場、4回公演に参加できて本当によかったと思う。これほどの機会はそうえられるものではない。

後は客層。ライブハウスでやっているライブのほうがホテルでやっているディナーショーよりも、客がやたらに手を振り上げたりしない、というのはどういうことでしょうか。アコ美貴参加者のマナーはかなりいい。藤本さんも「本当に皆さん、マナーいいですよね」と賞賛していた。いい客つかんでいるなあ。

なちケメディナーショー。本当に何でディナーショーで手を振り上げたりするかなあ。安倍さんにもそのあたりはちょっと責任はある気もする。例えば曲中に客に手拍子を求めるとき、藤本さんは胸元ぐらいで手拍子をして見せて煽るのだけれど、安倍さんは大きく手を振り上げて煽る。もちろんステージ上の演者の振りをそのまま客席でやる奴が悪いのだけれど。

一方、藤本さんは客をかなり内輪にとらえて、そういうMCをする。同じいつもの客がいつも最前にいることを前提としたMC。これはよろしくない。安倍さんはマスとしてのファンへの感謝は常に口にするけれど、個別のおまいつの客を認識しているかのごときことは私の知る限り絶対に言わない。そういうそぶりもたぶん見せない。そこは安倍さんの方が断然いいと思う。

ちなみに今日の藤本さんのMCでは高橋愛を話題に出すとき「愛ちゃん、高橋愛」と言っていた。まるでここのエントリを読んでくれたかのようだ、というのは嘘で「梨華ちゃん」「よっすぃ〜」(吉澤ひとみ)はそのままだった。たぶん「愛ちゃん」はいくら何でも一般的愛称すぎたと言うことなのだろう。ちなみに安倍さんは「中澤裕子」だったし、保田さんは「梨華ちゃん、石川梨華」だった。それにしてもアコ美貴、なちケメ双方で話題に出る石川梨華という人は。

話を時系列順に辿る。

新幹線を使って岡山見物をするか、在来線を使って安く上げるか。在来線を使うのなら青春18切符を一回分だけ入手できればさらに格安なのだが、かなわなかった。それでもお金をけちって、また普通列車の旅もよかろうと思って京都から3時間以上かけて岡山に向かう。

三宮まで快速列車、三宮から相生まで新快速列車、そこから岡山まで普通列車。ちなみに相生発のこの列車、三原まで行くらしい。凄い長距離。

朝そこそこの時間に出ても、岡山到着は昼過ぎ。アコ美貴開演まであまり時間もないこと、ディナーのための腹を残しておくのもいいかと思ったこともあって、昼食抜き。

13:30開場ということなので、その時間のちょっと前に行けば、整理番号順に呼び出してくれるだろうと思っていったら、なにやら既に入場列ができあがってしまっていて、そのままずらずらと入場。こういうこともあるから、開場時間はるか前から会場周辺に皆さんたむろするわけですね。困るなあ。

整理番号からするとずいぶん入場順序は損をした感じだけれど、元が狭い会場ゆえ、どこに座ってもそこそこステージは見える。会場にはずらりと背もたれのない丸いすが並んでいた。まったり見ようと思って手すりを背もたれ代わりに使える席を確保。座席は100人分ぐらいあり、そのほかに立ち見席が発売されていた様子。座席は後ろのほうは結構余っていたけれど、立ち見チケットの人はそれとは別エリアで立ち見。もったいないけれど仕方がないか。

またまたドリンク第500円取られたけれど、ここの会場はきちんとドリンク販売カウンターがあって、注文に応じてサービスしてくれる。ドリンクを飲むためのスペースも用意されている。都雅都雅なんてあらかじめ紙コップに入れたペットボトルのジュースか缶ビールをチケット回収場所で渡すだけだからね。体裁だけでも「飲食店」風にしてもらわないと本当にただのぼったくりにしか見えない。

注目は演奏者。キーボードがどうなるか。アコ美貴岡山となちケメ大阪を掛け持ちする人なんて少数だろうけれど(私一人?)、掛け持ち派としては双方のバンマス岩崎肇さんが気になる。

最初は単発のなちケメディナーショーよりもツアー形式を取っているアコ美貴を選ぶものだろうと思っていたが、岡山に向かう車中で「いや、なっちを選ぶんじゃないか?」と思い直す。願望も込めて、というところがなっち原理主義者の始末の悪いところだ。

果たしてキーボードは岩崎さんではなかった。杉山やすし(表記不明)さん。ギターはこのツアーではおなじみの米川金太さん。

セットリストは京都、岡山共通。

  1. 遠い恋人
  2. 時の流れに身をまかせ
  3. つぐない
  4. ボーイフレンド
  5. いい日旅立ち
  6. 岬めぐり
  7. なごり雪
  8. 幼なじみ(西川口はなし)
  9. ILoveYou
  10. 会えない長い日曜日
  11. 置き手紙
  12. Sweet 19 Blues
  13. 夢で逢えたら

本ツアー三回参加して、藤本さんの歌が尻上がりに良くなっているように感じた。声が伸びて欲しいところがきっちり伸びていて、とても気持ちよく聴けた。歌唱に余裕が見られて、曲ごとの表情が声に現れているように感じられる。特に「つぐない」、今日のは本当に良かった。「ILoveYou」にもいい意味での微妙な激しさが感じられた。

夜公演は見られなかったのが残念。さらにこのツアーをもっと回数を重ねられたら、もっとどんどんよくなっていたのではないかと思うと、3回で終わってしまうことが本当に惜しいと思う。秋からはミュージカルの仕事が入っているのでやむを得ないのだが。

後はMCをだらだらと記録。

藤本さんの出身地滝川がいかに田舎かという話の流れで、「モーニング娘。メンバーにも田舎の出身が結構いますね。愛ちゃん、高橋愛が福井だったり、そうそう、久住が新潟で、どっちが田舎なんだろう?久住がジャージにヘルメット姿で自転車に乗っている映像が流れたとき、メンバーで見て笑っていたりしたんですけど、実は私も同じでヘルメットかぶったりしてたんですけど、ばれないように皆に合わせてだっせーとか言って笑っていました」。

前日吉澤ひとみ・石川梨華と合同で行ったイベントの話の流れで「皆さん本当にマナーがいいんですよね。その会場はお酒が売っていたりして、いろいろな人がいたんですけれど、私たちのファンの皆さんは着席スペースではきちんと座って、でも盛り上がるところではしっかり盛り上がっていただいて、緩急自在というか」。

移動中とかに偶然会ったときにも、ファンのほうが目をそらして知らん顔をするらしい。また公共の場所なのに、わざわざ藤本さんが通るとさっと道を空けて近寄らないようにしたりとか。

三原イベントの話の中で。石川梨華が黒髪にしていたらしく、自分で「清純派っぽく」とか言っていたらしい。

「今日は(吉澤ひとみと石川梨華の)二人は鹿児島のガッタスイベントに行ってまして、私も生きたかったんですけど」。客「えー」。「いや、こっちにも当然来たいですし、体が二つあればいいな、ということで」。

カバー曲が多く、歌詞を覚えるのも大変だけれど、ソロデビュー時にはもっと苦労したらしい。何でもつんく♂の作詞が脈絡がなくて、いろいろ唐突なので覚えにくい、と。「え?何で突然夜の9時?みたいな」。「『浮かれモード』とかわかんないですよね」。

デビュー曲の振り付け担当は稲葉貴子だった。「私全然覚えられなくて、特にイントロのところで詰まってしまって、全然歌には入れねーじゃん」。

「つんく♂さんからいただく仮歌、つんく♂さんのキーが低いのでそれを高くすると変な声になって。余計にわかりづらいわって。シャボン玉のせりふのところも『本気で好きだって言ったじゃん!どんな事だってするよ!』(甲高い感じの妙なテンションで)って感じだってんですけど、梨華ちゃんが実際にその台詞を言うと、ああ、って納得したんですけどね」。

オリンピックの始まりとともに始まり、終わりとともに終わるこのツアーをしみじみと振り返る。「陸上リレーもすごいですよねえ、アンカーのなんとかさん、奥さんの一緒に来られていて、ね。わーとかいって必死で応援してました。でも何とかさんなんですけどね」。

「いよいよ最後の曲になりました」。客「えー!」。さも気のない感じでちょっとけだるい感じで「ありがとうございまーす」。

アンコール曲。安室奈美恵「Sweet 19 Blues」。「この曲は今はご本人よりも私の法がたくさん謳っているんじゃないかと」。

投稿者 althusser : 2008年08月25日 00:30

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