重層的非決定?

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2008年01月06日

■ 支持を奪われた者たち

ハロプロ楽曲大賞の「推しメン部門」の結果を分析するよ、シリーズ。

ベリキューはモーニング娘。からの支持を奪って、大きく支持を伸ばしているのだが、支持を奪われたモーニング娘。とは「どの」モーニング娘。なのであろうか。

ネット界隈では「今の」モーニング娘。の「力」のなさが取りざたされている。確かにモーニング娘。の支持率はじりじり下がり続けている。しかし今のモーニング娘。のメンバーの支持が下がっているといえるのか?

モーニング娘。は、改めて言うまでもないことだが、メンバーが入れ替わるグループである。モーニング娘。の支持は年々下げているが、それは卒業・脱退メンバーへの支持がモーニング娘。の支持から省かれた結果ではないのか。ずっとモーニング娘。に在籍し続けているメンバーの支持動向はどうなっているのか。

2004年から現在までずっとモーニング娘。に所属しているメンバーは高橋愛、新垣里沙、亀井絵里、道重さゆみ、田中れいなの5人である。この5人を「継続在籍メンバー」と呼ぼう。この「継続在籍メンバー」の支持率の総和の推移をベリキュー支持の推移と合わせてみてみよう。

Berryz工房 2004年8.31% 2005年14.62% 2006年14.78% 2007年15.93%
℃-ute 2004年0.98% 2005年3.27% 2006年9.08% 2007年15.67%
モーニング娘。継続在籍メンバー 2004年14.43% 2005年17.08% 2006年20.91% 2007年18.02%

2007年に支持を下げているが、それまでの3年間は支持を伸ばしているのである。モーニング娘。のことをその器にのっていることで自身が沈んでしまう「泥舟」などといわれるが、少なくとも2006年までは在籍メンバーの支持は下がっていない。それではモーニング娘。総体(現役メンバー+OGメンバー)としての支持の低下は何故起こっているのか。その答えは既に見えている。

2004年12月段階でモーニング娘。に在籍したメンバーの内、その後も在籍し続けているメンバーの支持率を前述の通り「継続在籍メンバー支持率」、 2005年以降に卒業したメンバーの支持率を「卒業メンバー支持率」、2004年12月段階でモーニング娘。を既に卒業していたメンバーを「OGメンバー支持率」として、その支持率の平均の推移をグラフ化したものが下図である。

継続在籍平均 2004年2.89% 2005年3.42%2006年4.18% 2007年3.60%
卒業平均 2004年4.75%	2005年4 .31% 2006年3.82%2007年3.08%
OG平均 2004年5.11%	2005年 4.22% 2006年2.55%2007年2.20%

継続在籍メンバーの支持が(2006年までは)伸びている一方で、OGメンバーそして卒業メンバーの支持は大きく下がっている。前述の通り「卒業メンバー」が出ることがモーニング娘。の支持の低下を招いている一方、モーニング娘。から卒業するとその後そのメンバーの支持も大きく低下する。これによりモーニング娘。関係メンバー(現役メンバー、卒業メンバー、OGメンバー)全体の支持は大きく下がることになる。

現状ではモーニング娘。の「卒業システム」がモーニング娘。の威信の低下を招いているともいえるだろう。そしてモーニング娘。に在籍していることは人気の維持には重要であることも覗える#1

以上のことをまとめておく。

  • ベリキューに支持を奪われたのは、主にモーニング娘。OGおよび2005年以降の卒業メンバーである。
  • モーニング娘。のグループとしての人気維持・上昇効果は2006年段階まではあった。

ただ継続在籍メンバーの支持も2007年には下がっているところから、2008年はこのメンバーにとって正念場となる。このままずるずる行ってしまうと本当に「モーニング娘。」は終わってしまうかもしれない。


#1 これとは別の見方も可能である。「既に人気の面で限界が来ているメンバーを卒業させている」場合でも同様の現象が起こる。この見方についてはさしあたり留保。

投稿者 althusser : 2008年01月06日 14:27

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