重層的非決定?

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2007年10月28日

■ 息を重ねましょう

購入品記録。

なっちこと安倍なつみ、ニューシングル「息を重ねましょう」。

火曜日に購入。結局仕事先にポータブルCDドライブを持って行って「爆リピ」。ああ、これも安倍なつみだよね、と思う。「たからもの」や「Too Far away」の重く語りかけるような歌い方も安倍なつみの歌、今回のシングルのように美しく、可愛く歌うのも安倍なつみの歌。引き出し、広いな、と思う。声の出し方が全然違うようにも聞こえるのに、どちらもきちんと安倍なつみの声。

軽快でさわやかな表題曲に加えて、カップリング「小説の中の二人」はとても切ない曲でこれがまた素晴らしい。「スイートホリック」のカップリング「I'm in Love」と曲調、歌い方など似た感じだが、本曲の方が現在進行形ではない、過去のお話という趣旨の歌詞に合わせたか、少しあっさり目の歌い方。それが逆に悲しさを引き立てている。

ちなみに「I'm in Love」の歌詞は良く読めばかなり身勝手な女のお話。浮気をして一線を越えちゃったから、あなたのことは好きだけれど、もう前のようには戻れないから、浮気相手の新しい彼と生きていくわ、って、どこまで勝手な言い分やねん、と言いたくなる。きれい事を言っているけれど、結局新しい彼とよろしくやるってだけのことだろう、と。というので、切ない曲調とは裏腹に女の怖さを歌った歌なのだ。

「小説の中の二人」は完全に妄想の中に生きる女のお話。別れた相手と妄想の中ではつきあいを続けている、というこれまた別の意味で怖い女の話。そういう怖い女の歌をさらっと可愛く切なく歌ってしまうあたりがなっちの真骨頂なのであった。

いずれにせよ、今回のシングルは二曲とも私はたいそう気に入ったし、少しおまけ(発売記念イベント参加抽選券)にも惹かれたので二枚目も購入しようかとちょっとだけ思った。一応趣旨は建前上は曲がいいので、感謝の気持ちでもう一枚、ということですよ。1000円のくじ券を買おうとかそういうのが主眼ではないですよ。一応ね。

でもCD売り場に行ったら、前週発売のハロプロの年少組グループのCDが積んであって、そこに「発売イベント(握手会)を追加開催」とか書いてあって、要するにメンバー(その中の複数はまだ年端もいかない少女)との握手目当てのリピータ(おっさんが主力)にさらにCDを買わそうという意図が見え見えの販売をやっていて、なんだかそういう光景全体がとても浅ましく感じられて、私はそういう浅ましい中に入りたくはないなと思い、二枚目の購入は断念した。安倍さんは少女ではないし、こちらのイベントが握手会なのかそうでないのかも不明だけれど、CDをくじ券にするというのは大仰に言えばやはり歌に対する冒涜に感じた。

イベントは一枚分だけ応募はするけれど、外れてもいいや。どのみちこの秋はきちんとしたコンサートに4公演分参加(東京厚生年金会館昼夜2回、広島、福岡各1回)するのだから、無料イベントに必死になることもない。

それにしても歌い手として脂がのってきた頃には売り上げががくんと落ちるこの女性アイドル歌謡文化、「アイドル」を冠している以上仕方がないと思いつつ、何とも言えないむなしさを感じる。安倍なつみ、後藤真希、松浦亜弥、今が旬なり。

投稿者 althusser : 2007年10月28日 10:05

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