2005年09月04日
■ ドラマ感想文
今クールのドラマについてほとんど言及していなかった。というわけで結末が見え始めた今頃になってドラマ感想文。
いま、会いにゆきます・・・ファンタジーというのは要は妄想話なのだから、その妄想の限界をもう少しきちんと定めた方がよい。「黄泉がえり」のように集団妄想ものなら、それはそれなりに世界観の提示の仕方というものがある。しかしこの「いま、会いにゆきます」はきっとそういうまがまがしい世界観など不要な、絵本の世界が母親を亡くした父子の間で展開するとてもささやかな妄想物語なのだと思う。絵本の妄想の世界と現実の世界の境界がわずかに揺らぐとてもささやかな空間がここでは描かれていたはずで、絵本の世界とは別に生きている第三者をこれほどまでに巻き込んでしまっては、この空間の儚き美しさが消えてしまう。
スローダンス・・・深津絵里は結構好きなので、ついでに広末涼子も好きなので、それだけで楽しめるのだが、ストーリー自体は最初から落としどころが見えていて、早い話主人公の「スロー」な生活が最終的に実を結ぶことが見えているだけに、なんとなくつまらない。
海猿・・・海上保安庁宣伝ドラマ。ま、いいけれど。
がんばっていきまっしょい・・・相武紗季の顔を初めてきちんと認識した。
刑事部屋・・・前にも書いたっけ?とても偽善的で良いドラマ。皮肉ではなく。
おとなの夏休み・・・視聴率を本気でとろうと思ったのか、と見る前から思っていた。テーマといい、配役といい、低視聴率は最初から覚悟していたんでしょう。それはそれとして、私はそれなりにおもしろく見てはいますが。すでに世代的に過去のものでしかなくなった夏の喧噪が何となく懐かしくなるドラマ。
幸せになりたい!・・・織田裕二が出ていた「お金がない」というドラマと趣旨はにているが、ずいぶんと甘口に仕上がった。相変わらず深田恭子は深田恭子をやっていてとてもほほえましい。
電車男・・・ネット掲示板の描き方がかなり嘘くさい。ヲタクの描き方も微妙にリアリティに欠く。なんて言うのは私がヲタクだからだろう。
ドラゴン桜・・・ちょっと設定に無理があるが、主役の阿部寛に絶対的な説得力があるので成立している。ドラマで言われていること自体はほぼ正しい。
女王の教室・・・賛否両論らしいが、どちらの主張もあまりに的はずれであきれる。主人公の教師の言い分を支持する人がこのドラマを支持し、納得できないという人がこのドラマを批判している、とか。逆でしょ?この教師の主張に正しいものが含まれているからこそ、その正しい主張をする教師はもっときちんとしてもらわなければならないのだ。主張以前にこの教師のやっていることは否定されてしまう。ゲシュタポまがいの密告を奨励し、いじめを助長しているのよ?それを最後まで正しきものと描くだけの根性があれば、それはそれで認めはするが、最後に何らかの形で逆転させようとしているのが見え見えではないか。「辛口」の教育ドラマなら、もっと問答無用に正しく、冷徹かつ完璧に管理をやってのける教師を演じさせてほしい。
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