2004年12月29日
■ ALBUM
いまさらながらだが、
入手。
「陽光」とほとんど同じ構成。作品としての出来は「陽光」には劣る。この差は出版社の力量の差か。ただし、「ALBUM」もこれはこれで、「陽光」のしっとりとした仕上がりに比して、ポップな仕上がりで悪くはない。
文章は相変わらず退屈。中澤裕子さんの「ずっと後ろから見てきた」と比較しても、同じタレント本とはいえ、文章自体は安倍なつみさんの2冊のエッセイのほうがかなり読みにくい。いずれも編集の手はかなり入っているものと推察するが、そもそもの語りのストーリー自体が安倍さんのはごちゃついているのだろう。一貫した流れで己の歩みを語る中澤さんに対して、その場その場の思いを一気呵成にしゃべり、それがだらだら反復される安倍さん。コンサートでのMCを髣髴させる。なるほどこれが「なっちワールド」なのかもしれない。
基本的に論理のない感性だけの人だから、表現手段として「詩」に飛びついたんだろうけれど、詩だって言葉だからなあ。確かに安倍さんには独特の世界があって、歌は後浦なつみで一番下手だろうが(しかし松浦さんはともかく、かつては同等だと思っていた後藤さんに負けているというのは後藤さんが上達したのか、安倍さんが下手になったのか)、コンサートが内輪受けしかしないものだろうが、写真集が概して不人気だろうが、それでも安倍さんにはきっと何かがあって、それは「陽光」のような作品を生み出させた「何か」なのだが、それを安倍さん自身が自ら見つけようとしてもがいている、というところか。
多分その「何か」は安倍さんの中にまとまったものとしては存在していなくて、ハロプロメンバーやらスタッフやらに囲まれて、助けられて、その中で光り輝く類のものなのだと思う。だからモーニング娘。卒業はやめておけとあれほど、言ってないけど。
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