2005年07月27日
■ 女王の教室
今クールのテレビドラマの中から早くも脱落一本。「女王の教室」。いろいろ視聴者の間で議論も紛糾、話題たっぷり、作り手してやったり、らしい。おめでとうございます。
「社会の現実」の厳しさを説く女性教師がスパルタ的に学級運営を行い、それに反発する女の子が苦境に立ちながら「戦う」とかそんな感じのストーリー。厳しい「社会の現実」を描きたいのか、女の子の「戦い」を描きたいのか、それがはっきりしない。
何かしらのストーリーを描き出そうとする以前に、「罰」だとか、いじめだとか、そういう「刺激的」っぽいものをちりばめればそれで話題になるだろう、という作り手の卑しさが目について嫌になった。どのみち、作り手はへたれだから、女性教師の言い分が最後まで通るようには作らない。そういうエクスキューズを最後に持ってくる「逃げ道」を作っておいて、とにかく刺激的な部分を強調してみせる。そんなので「問題提起」などとおこがましい。
連続ドラマは、通して一つの筋を持つ一方で、一回一回に全体に通じる作り手の「思い」がほしい。そして、これは私の好みというだけだが、ドラマにこそ、現実の中に隠れている「ユートピア性」をどこかに浮かび上がらせてほしい。通り一遍の「問題提起」とその安全パイとしての「解決」などはいらない。一つ一つのエピソードの中にささやかなユートピアを。
投稿者 althusser : 2005年07月27日 00:00
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