重層的非決定?

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2004年10月27日

■ 言葉=概念の創出

はてなアンテナには「おとなりページ」というものがあって、あるサイトとキーワードか何かが近いと判断されたサイトがそこにリストアップされる仕組みになっているようだ。Search Directory Pageというサイトのおとなりとしてこのページがなぜか上がっている。そこはフェミニズム周辺の感じだと思うのだが、うちの元サイトWould-be Marxist’s Pageにならそういう話も書いているが、ここはモーヲタネタしか書いていないので、どこが「おとなり」なのかが判然としない。

とそれはさておき、そのサイトをつらつら眺める。「おひとりさま」という女性のあり方を提示し、啓蒙しようとするサイト。趣旨としては面白いと思う。しかし

「おひとりさま」という表記は故岩下久美子さんが考案し提唱したもので、現在商標登録を申請中です。雑誌・テレビなどの媒体で「おひとりさま」の表記をお使いになるときは、必ず「おひとりさま向上委員会」までお知らせください。無断使用はお断りします。

おひとりさま向上委員会

というのを見て、なんとなくがっかり来る。「おひとりさま」はまさに「向上委員会」として理念化し、広めていこうとする鍵概念ではないか。それこそ無断使用大歓迎で、社会に流通させるべきものではないのか。もちろん本意ならざる使われ方をすることもあるだろう、それに対しても使用権などではなく、概念定義の論争を重ねていくことによって概念としての質を高める契機とするべきではないのか。

大体そんな狭量なことを言うのなら、「おひとりさま」という言葉自体には別にオリジナリティはない。日常的に言われている言葉を引用したに過ぎない。そんなものを商標登録してどうするつもりか。日常語を概念化して、闘争していく、その契機を自ら摘んでしまっているように思えてならない。

投稿者 althusser : 2004年10月27日 00:00

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